劇場公開日 1990年12月7日

「80年代でとまっている作品です」ロッキー5 最後のドラマ あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)

2.080年代でとまっている作品です

2009年12月27日
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1990年アメリカ映画。105分。前作でサイボーグのようなボクサーに勝ったロッキーに降りかかる人生の苦難劇を描いた人気シリーズ第五弾。監督は一作目のジョン・G・アビルドセンに戻っている。ちなみにサブタイトルの「最後のドラマ」は原題にございません。

内容は、前作で強力パンチを浴びすぎて脳に障害をえたロッキーはやむなく引退。そこに追い打ちをかけるように、雇っていた計理士が彼がロシアに不在中に、勝手に運用し、それが失敗して全財産を失うはめに。というわけで、昔いたフィラデルフィアのスラム街にもどり人生の再起をかけるために若きボクサーを育ているという設定。

前作ではまだ6才くらいだった息子の背がいきなり高くなって、しかも髪の色がかわっているという(この子役はスタローンと前妻の間の実の息子)お粗末さ。さらに、強力パンチを浴びすぎてロッキーのしゃべり方や身のこなし方が最初のころにいきなり戻っているという、今ひとつ納得いかない展開。本作のケチをつけだそうと思ったらいくらでも出てきそう。

それでもストーリー的には悪くないです。「功名心」をもつことで、それまであった友情が壊れていくさまなんかは、新しい作品がつくられるたびに人生の大切な要素を盛り込んできたこのシリーズが伊達に続いたのではないというのが分かります。

でも、あのラストはよくない。親父のファイトを見て熱狂して吠えまくる息子の教育方針はなんだったのか、と思ってしまう。エイドリアンがかわいそう(だから次作で登場しなくなってしまうのだ)。結局は、拳がすべてを変えるのだというメッセージにも取れる。80年代のアメリカを体現してきたスタローンらしいエンディング。

というわけで、いやいやながらも「ロッキー』シリーズの全作レビューが完了しました。

つぎは「ランボー」だ。

あんゆ~る