「狂った男の映画」ロスト・ハイウェイ kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
狂った男の映画
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『マルホランド・ドライブ』に近い精神病映画ですが、前作に当たる本作は、より病的な印象です。
主人公フレッドが統合失調症を発病する映画だと思います。監視されていると感じ、現実が徐々に侵入してくるような恐怖を覚えて、現実と妄想の境がなくなっていくフレッド。そして妻や妻と関連している人たちが妄想の対象となってしまい、殺人事件を起こしていく。
中盤〜後半は殺人を犯した男がその現実に耐えかねて、別人格に逃げる話のような印象を受けます。そう考えると『マルホランド〜』と構造的にもそっくりですなぁ。
個人的には『マルホランド〜』よりも精密に観ると難しいように思いました。また、フレッド自身がもともと猜疑心の強い人なのかな、という印象も。妄想との相性が良さそうです。
本作は面白かったものの、フレッドが病気すぎてそこまでのめり込むことはできませんでした。ギャグも少なく、重苦しかったですね。
煽り運転してきたクソ野郎をエディがボコボコにするシーンは、単純にスカっとしました。一番面白かったシーンかもしれない。
あと、フレッド/ピートにしか見えない白塗りっぽい男は、ベルイマンの『第七の封印』に登場する死神に似ていて、なんだか親近感を覚えました。曲中歌にスマパンが使われていたので、ビリー・コーガンにこの男を演じて欲しかったです。
あと、音楽は全般的にカッコ良かった。
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