劇場公開日 1996年10月5日

「性癖雰囲気映画」レオン 完全版 Croさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0性癖雰囲気映画

2024年5月8日
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鑑賞方法:VOD

……なんてタイトルつけてると批判的って思われそうだけど、孤独な殺し屋が孤独な少女と出会って心を通わせる、なんてストーリー誰でも性癖ド真ん中(偏見)だし、娯楽映画としては満点。

まぁ最強の殺し屋設定にしては色々脇甘くね?っていうのがちょっと引っかかった部分ではあるけど……。孤独な殺し屋が少女の為に命を賭けて助ける自己犠牲と、それを彩るスティングの曲。雰囲気は間違いなく最高。

ただ、純愛って言うにはレオンは間違いなくマチルダのこと大切に思ってはいたけど異性愛ではないと思うし、両思い的に語ってる人がいるのはどうかと。家族愛でも友愛でも恋愛でもない庇護欲に似たナニカで成り立つこの不安定な関係だからこそ光るものがあるんじゃないかと

その点で言えば雰囲気を楽しむ娯楽映画の域は過ぎなくて、純愛に泣くような映画ではないと思う。あくまで個人的な感想だけども。いや、最後のシーンはその純愛で泣ける部分ではあるんだけどね、矛盾するけど。その"純愛風"に守られてきた二人の最後に泣けるのであって、純愛そのものに泣くものではないってこと。伝え辛いな。

逆に言えば、その"純愛風"に縋り付くいい歳した孤独なおっさんと少女の物語を楽しむには"性癖雰囲気映画"として観る以上のことはなく。そして何よりそれが娯楽映画として完璧であることが、このレオンの魅力なんじゃないかと思うわけだ。決して純愛の崇高な文学的映画としてではなく、あくまで拙い愛に希望を見いだせた二人の喜劇として観るべきだと。

Cro