「インディアナ・ジョーンズ生涯最大の謎と冒険」レイダース 失われたアーク《聖櫃》 Moiさんの映画レビュー(感想・評価)
インディアナ・ジョーンズ生涯最大の謎と冒険
感想
3000年前、預言者モーゼを介して神と人間との間で交わされた十の教訓を石板に記し納めていた謎の力を持つとされる聖なる櫃ぎArk(アーク聖櫃)を巡り、歴史的財産を狙う各国の考古学者やオカルティズムを信奉するナチスドイツとの争奪戦を描く、記念すべき大ヒットシリーズ第一作。
1936年南アメリカのジャングル。各国のトレジャーハンターと日々歴史的遺産の争奪を繰り返し、革コートにクラッシャブルハットを身に纏い、華麗な鞭捌きと複雑精緻なる構造の遺跡の仕掛けを解き証しながら誰も辿り着けなかった奥地にある神殿に安置される黄金の神像を苦労して入手するもフランス人トレジャーハンターのベロックに横取りされてしまう男。
その男の名はインディアナ・ジョーンズ。
アメリカ合衆国の大学の考古学教授でもある彼は歴史的文化財保護条約に基づき入手した財宝などを研究のため自身で確認調査した後に大学を通じて博物館に寄贈する事を行っている。
トレジャーハンターとの財宝の争奪戦は命の危険が伴う行動であるが、持ち前の高い情報収集能力と運動能力、並外れた行動力、また咄嗟の出来事に対しての思いもつかない直感的判断力により数々の謎解きや仕掛けられたトラップを解除する事に成功していく。
ある日インディの元にアメリカ陸軍情報部の関係者が訪れ、あるナチスドイツのカイロ発ベルリン宛の極秘情報無線を傍受した事を伝えられる。ナチスはヒトラーの命によりトレジャーハンターを雇い世界中の宗教的遺物を収集させているという。無線内容は「カイロで発掘作業中、タニスの調査に進展。ラーの杖のメダルを所有するレイブンウッドを探せ」というものであった。
タニスとはArkがあるとされる町の名前である事をインディは説明する。さらに神との十戒を記した石板はモーゼにより割られたが、その破片をヘブライ人がArkに納めエルサレムの神殿に安置していたがいつの間にか無くなった。だか、エジプトの王が紀元前980年頃エルサレムに侵攻した時にArkを持ち去りタニスの魂の井戸に隠したとされる。しかし王が帰国して1年後、死の呪いにも罹ると言い伝わるArkとタニスの町は砂嵐に埋もれて跡形も無く消えた事を説明する。
謎に満ちたArkを探し求め、レイブンウッドの最後の消息先であるネパールに向かうインディ。そこでナチスの妨害工作を受けるも、因縁の婚約相手であるマリオン・レイブンウッドと再会。師匠のレイブンウッド博士は死んだ事を知らされる。父親からマリオンに託されていたラーの杖のメダルを手に入れ、一路エジプト、カイロへ。友人で協力者であるサラーの力を借りてナチス側を出し抜く形で魂の井戸を発見、Arkを発掘することに成功するが、ナチスの先兵となったフランス人考古学者ベロックとナチス発掘隊長デートリッヒにまたもやArkを横取りされる。サラーは今回のArkの取得に関してはいつもと違いよい顔はせず、「関わった者は呪われる話もあるので発掘をせずに遺跡ごと埋めてしまった方が良い」と提言するもインディは耳を貸さない。
カイロからベルリンへ空輸される事になったArkを奪還すべくあらゆる策を講じ四苦八苦の末に輸送機の破壊に成功するも、陸上と海上輸送に切り替わりさらに身体を張った追跡と熾烈な激闘が展開される。最終的にトラックごとArkの奪還に成功するインディ。カイロからロンドンへ向かう輸送船で束の間の逢瀬を過ごすインディとマリオン。
しかし翌日にはナチスドイツのUボートに輸送船は拿捕され三度ナチスに奪還されるArk。総統に報告する前にArkは神との通信が可能なる通信機と考えるベロックが主催して、どの様な力が宿っているのかを確認する事になりユダヤ式に則りArkの扉を開く儀式と映像記録を撮るために途中、地中海の孤島にあるナチスドイツの秘密基地に立ち寄る。決死の追跡によりこの場所にも辿り着くインディであったが、Arkを開ける催事場所に行く途中に対戦車砲を構えマリオンの開放Arkを破壊すると脅迫を試みるも「世界の謎であり歴史そのものであるArkを簡単に破壊出来るものなのか?やれるものならやってみろ!」とベロックに諭され、敢えなくナチスの軍門降り捕まってしまう。
儀式はナチスドイツタニス発掘調査隊全員と責任者であるデートリッヒと秘密警察のトート、そしてベロックにより総統報告用に記録映画撮影も行ないながら実施されるが、Arkの中からは想像を絶する魑魅魍魎とした悪霊にも似つかないエネルギー体が放出されベロックの目を通じてその場にいて儀式を見ていた人間全員に伝播して凄惨な死を遂げ、遺骸も撮影機材もエネルギー体と炎により破壊し尽くされたうえに砂と塵となり全てが消え失せてしまう。
インディはマリオンと共に束縛されていたが、インディは目を開けてその状況を見てはいけないと咄嗟に判断し、目を閉じるようマリオンに指示する。その言いつけを素直に信じて目を瞑ったままのマリオン。二人にエネルギー体は取り憑く事無く、上空高く浮上した蓋は放出されたエネルギー体が再びArkの中へ取り込まれると同時に覆い被さるように上に乗り元の形に戻った。何も無くなった場所で目を開け生きている事を確認し合う二人。目の前には光り輝くArkが残されていた。
結果としてアメリカ本国に運ばれたArk。インディはワシントンの秘密情報部に呼びだされ、国に大いに貢献したと感謝されるが、Ark自体は絶対安全な場所に厳重保管される決定を政府として決断したとされ、内容の確認は政府で行ない、公開は一切出来ない事を伝えられる。インディとマーカスはあの凄まじい力は自分達が調査するべきだとして抗議するも訴えは聞き届けられなかった。納得のいかないインディはマリオンに「すごい価値がある物なのに。」と浮かない顔付きで語るもマリオンは「私は価値がある事はわかっている。奢るから一杯やらない?」とインディを誘い渋々従うインディ。
次の瞬間、Top Secret Do Not Openの表示がされている木箱に釘を打たれ蓋をされ、厳重に保管鍵をかけられるArkが写り、その木箱を押す作業員が広大な同様の木箱が山積みになっている倉庫の中に消えて行きエンドタイトルを迎える。
製作ジョージ・ルーカス
監督スティーブン・スピルバーグ
特撮ILM
脚本ローレンス・キャスダン
原作ジョージ・ルーカス
フィリップ・カウフマン
どこか懐かしい昔風のヒーローを現代に甦らせる事に成功した作品。話としては聖櫃が何なのかが全く謎のままで終焉している不可思議な物語になっている。まぁ本編自体が詳細な物語の整合性や物のディテールなども余り気にせず大胆に端折られてデフォルメされている展開なので気にしない方が単純明快で楽しめる。
主演したハリソン・フォードの人気は今作とスターウォーズシリーズで不動のものとなり大スターの仲間入りを果たす。
映像は
アクションシーンのてんこ盛り。これぞハリウッド・エンターテイメント!
音楽ジョン・ウィリアムズ
マーチ風の楽曲かカッコよく素晴らしい👍
初鑑賞1981年12月21日
新宿プラザ劇場
⭐️4.5
2024.09追記