劇場公開日 2024年11月29日

「欠点の無い『名画』。」ルパン三世 カリオストロの城 こっこさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0欠点の無い『名画』。

2025年5月12日
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鑑賞方法:DVD/BD、映画館、TV地上波

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自分にとっては、映画,邦画,アニメ…に連なる全てのメディアの『教科書』のような映画だ。今さら話の中身をどうこうなんて、語る意味すら無い

正直に言って、悪い部分が見つからない。作品全ての台詞を諳んじることが出来る映画なんて、余程の映画好きでも早々無いものだが、コレは今でも自信がある。

此処のレビューでは賛否両論様々有るようだが、これはもう「あなたはこの作品をいつ初めて観たの?」で、評価が全く変わってしまうものなのだろう。
何しろこの作品は1979年、つまり昭和54年(の12月)に封切られた映画なのだ。現時点(2025年5月)で既に《45歳と6ヶ月》の御方wと云うことに成る(人間ドック、行きなさいw)。
これだけの歳月が経っていれば、その人が《幾つの歳で初めて観たのか》で、自ずとその評価は決まるのは至極当然だ。
かく云う私とて、その当時は小学校中学年だったのだから…。

ただ、オンタイムの年代として、初公開当時はあまりヒットしなかった憶えはある。その後、何度も何度も日本テレビが「水曜ロードショー」で放映し続けたお陰で、その面白さが評価され始め、その内に《名だたるアニメ史上最高の名画》と成ったのだ。
封切の当時は既に〈宇宙戦艦ヤマトブームが去った後〉で、アニメの需要はまだまだ“子供の漫画”扱い、更に「東宝の二本立て」wで、スタジオジブリなんて影も形も無く、宮崎駿と言う名前もほぼ無名だったのだ。若い方々には凡そ信じられないだろうが…。
世間一般に、ようやく一定の評価を得た『風の谷のナウシカ』ですら、更にこの5年後である。

此処までの歳月の開きを考えると、評価や賛否で言い争ったりする事自体が《不毛な気》がしてきてしまう。
ただ、個人的に強調しておきたいのは、宮崎駿は原作(モンキー・パンチの『ルパン三世』)をほぼ無視して、本来の(=モーリス・ルブラン原作の『怪盗紳士ルパン』)小説のテイストの方を志向して作った《正統派の古典冒険アニメ》が本作だ、と云う点だ。
テレビの1stシリーズやその後のテレビ版とも圧倒的に違うのは、その辺りが理由だろうと思う。

それを「古びた物話」と観るか「古典小説のハイブリッド版」と観られるかで、自ずと評価が別れるのは、これはもう致し方の無い事だろう。

評価するかしないかは、「アナタの年齢で決まる」と言っても差支えあるまい。
若い方でモーリス・ルブランを読破した方は居ますか?日本では何故か、ルブランよりもコナン・ドイル(=シャーロック・ホームズ)の方が人気なのも、ピンと来ない人が居る一因なのかも知れないが。

とにかく、自分にとってルパン(=本作)は、“永久不滅の名作”なのである。

こっこ