リリイ・シュシュのすべてのレビュー・感想・評価
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トラウマになった作品
観たのは1度きりです。たしか中学生の頃でした。一度観て、完全にトラウマになった作品です。この作品が嫌いという人の気持ちはとても分かります。ワタシも嫌いです。でも二十年近く経っても時々思い出す。それだけのインパクトがある作品です。ジャンルや悪質性は違えど「Funny Games(1997:オーストリア)」のトラウマ感に似ているかも。。。
「子供ゆえの想像力の限界」を感じた作品でした。彼らの社会、何をすればどう社会が動くか、誰が傷つくか、自分の行いによる影響における想像力の及ばなさ(彼らなりに彼らの知りうる社会の中で苦しみ、事情を抱え、考え、想像し、でも目の前の感情に負け)、を暴力的に描いていると感じました。最後、彼の行為が暴かれるのは時間の問題で、やはり中学生くらいの少年の限界、を描いていたかなと。
観てもトラウマになるだけだし、あえてお勧めはしない、かなぁ、、、
あと関係ないけど、リリィ・シュシュの音楽も超暗い(大好きだけど)。数年後、「彗星は見たこともないけれど」と踊りながら歌うsalyu(リリィ・シュシュ)のMVをみて、なんとなく救われた記憶があります。
感情移入型なので観ていてただつらかった
蒼井優はやっぱりすごい。 なかなか入り込みづらい映画。監督作品の中...
蒼井優はやっぱりすごい。
なかなか入り込みづらい映画。監督作品の中では異質な感じがする。
リアルさを出す為か全体的に長い。舞台かえてまで沖縄やる必要あったのかとも思う。曲がとても素晴らしいことだけがこの映画の救い。
長くても最後まで集中できた。しかし…
古い映画だと感じるけれど、古い感じはしないし、格好良さも感じるので、長く残っていく作品なんだろうなーと思った。
ここから飛躍していった役者は少なくないとも思ったし、そういった面からも大きな影響力を持った映画だったんだなと感じた。
短絡的な暴力や性、そして軽い生と死の表現には非常に抵抗を感じたけれど、あくまでファッションだと思えば結構楽しめるのかもしれない。実際、長くて粗い映像ながらも最後まで集中して見ていた。
ドキュメンタリータッチでナチュラル感を出そうという意図は感じたけれど、かえって違和感を覚えたし、人と人との関係性が非常によそよそしいものに見えてしまった。まぁ現代における人間関係なんてそんなものかなとも思えるわけで、そういった意味では時代をうまく反映させた作品なのかもしれない。
どうしても好きになれない映画だけど、何かしらのメルクマールになるような作品だと認めざるを得ない。
動くカメラとダッチアングル
あとからじわじわくる
二度と戻りたくない「あの頃」の空気
「学生時代のトラウマ」と「ザ・岩井俊二ワールド」を、煮込んで煮込んで濃厚なカプセルにしたような映画だった。
学生時代にクラスメイトが自殺したことも、レイプされたことも、援助交際したことも、万引きして捕まったことも、そこまで露骨にいじめられたこともないけど、この鬱屈した空気は知ってる。
二度と戻りたくない、あの空気。
精神的に未熟で傷つきやすい子どもたち数十人を無造作にひとつの箱に閉じ込め、そこを「世界のすべて」にしてしまうことで生じる歪み。
虐げる者、虐げられる者。
虚勢を張るか、空気になるか、ひたすら耐えるか、飛び降りるか。
人生が障害物競走だとすると、中学・高校時代には人生の中でも最も強い障害が立ちはだかっていると思う。
しかも、その頃の私たちは、まだ上手に走る方法を知らない。
映画を見終わって「もうあの頃には戻らなくていいんだ」と心底ホッとした。
「あの頃」をなんとか切り抜けた自分を抱きしめてやりたい。
…という映画の内容とは別に、市原隼人、蒼井優、高橋一生、勝地涼などの若い頃がたくさん見られて楽しい。
主人公の母親は松田美由紀だと思ったら、フジテレビアナウンサーの阿部知代だった。
あやしいおじさんが大沢たかおに似てるな―と思ったら大沢たかおだった。
とにかく重い
中学生の微妙な感情は大人にはわからない。 これが大人になる過程だな...
評価したくない
中学生にこそ観てほしい
けだるいのに眠くはならない
圧倒的な「大人」の不在
雄一(市原隼人)は、かつての親友・星野(忍成修吾)から壮絶なイジメを受けて苦しんでいた。星野は小学校ではいじめられっ子だったが、中学では入学式で新入生代表として答辞を述べるほどの優等生だった。2人の関係に異変が生じたのは中学一年の夏休み、仲間たちと一緒に行った沖縄旅行で経験したある人間の死だった。目に見えてエスカレートしていく星野の狂気と悪意を前に、悔し涙を流すことしかできない雄一。心の拠り所としていた歌手「リリイ・シュシュ」のファンサイトを開設する。そしてそこは雄一が本音を吐露できるたった一つの場所になった。雄一は、かつて共にリリイ・シュシュを聴いた親友の狂気を収束させることはできるのか。
星野から援助交際を強要される女子生徒役に蒼井優、クラスメイトの女子からイジメを受ける生徒役に伊藤歩など。
圧倒的な「大人」の不在!
最後の方は結構な大惨事になっているにもかかわらず、一貫して保護者が出てこないくてかなり違和感。15年前の映画だから、今ほどモンスターペアレンツとかいなかったのかな〜にしても。思い描いたストーリーを進めたいがために強引に不在を貫いた感じ。
子どもたちの世界は、大人の世界とは違うルールや暗黙の了解みたいなもので溢れていて、大人は絶対にそれらを理解できない(もう私も理解されない側からできない側に来てしまったよ)。とは言え、わからないならわからないなりに介入するところはしないと、まだ未熟な子どもの狂気はどんどん膨らんでいずれ取り返しのつかない事態が起こりますよ、っていう大人への警鐘のように観た。つまんない解釈だけど。
大人が不在の世界で、星野を止めるために雄一にできることは本当にただ一つしかなかった。仕方のない、息が詰まるような結末。
思い出に残るシーンもあった。万引きして捕まった雄一を本気で叱った継母。自転車で一度追い抜いた継母を少し先で待っていた雄一と、嬉しそうに後ろに座る彼女。ラスト、雄一のライブのチケットを投げ捨てた星野の姿には、もう後には引けないことを自覚した彼の強がりのようなものも感じてちょっと切なかった。戻れないもんかね。ヘラヘラっとできないもんかね。
この映画は最後まで一度観た上で、ファンサイトでのフィリアと青猫のやり取りをもう一回じっくり読んでみたい。一番傷付けながら、同時に一番傍にいたということなのかな?
監督の岩井俊二さんは「スワロウテイル(96)」「花とアリス(04)」の人。うんうん、そんな感じ。イェンタウン、懐かしいなぁ~。
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