劇場公開日 1993年9月4日

「人生とは関わりなく、大河は滔々(とうとう)と流れる。」リバー・ランズ・スルー・イット talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人生とは関わりなく、大河は滔々(とうとう)と流れる。

2024年4月16日
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鑑賞方法:映画館

親子二代にわたってフィッシングを趣味としてきたマクリーン家にも人生の荒波は容赦なく押し寄せ、その平和で幸せな日々を押し流してもしまいますが、そういうマクリーン一家の運命の浮沈の合間も、本作の題名その通りに、大河は滔々と流れ続けていたことに、評論子は、深い感銘を覚えました。

思い起こしてみれば、いろいろな出来事がありました。評論子の人生にも。
順風満帆で幸せに浸っていたこともありますし、「どん底」(?)に落ち込んでいたこともありました。しかし、そんな時も、大河は滔々と流れ、自然は悠久の時を刻んでいたのですね。
ちっぽけな人間の人生の浮沈には、そしてまた、更にまたちっぽけな人々の主観的な思い入れとは、まったく何の関わりもなく。

そういう自然の営みというものの「雄大さ」「偉大さ」、そして「懐の深さ」というものか身に染みると同時に、顧(かえり)みると、自分の悩み、苦しみ、悲しみは、その雄大に比較すれば、当時の主観的な想いとは裏腹に、取るに足らない些事であったようにも思えてきます。
自然(滔々と流れる大河、悠久に流れる時)の中では、人間の主観的な思惑など、取るに足らない、ほんの小さな出来事に過ぎないのでしょう。

そういう意味では、静かに、静かに、ほんとうに静かに―そして、そうは明確に意識はしていなくても―これも、観終わって、勇気がもらえた一本になりました。評論子には。

本作は、午前十時の映画祭13で鑑賞した一本になります。
いつも利用するレンタル店には在庫があることを承知していましたし、何よりテレビ放送からの録画(NHKなのでノー・カット)が手持ちにあることも承知していましたけれども。
それでも、映画館の大画面と良い音で鑑賞することができて、良かった作品だったと思います。

秀作であったと思います。

talkie
talkieさんのコメント
2024年4月25日

トミーさん、コメントありがとうございました。
そうですねぇ、あまりこの手の作品は思い当たりませんね、邦画では。
私の寡聞もあると思うのですが。狭い国土のゆえでしょうか。(涙)

talkie
トミーさんのコメント
2024年4月16日

共感ありがとうございます。
こういう作品・・一言では言い表せないのですが、邦画ではちょっと難しいと感じます。無理矢理捻り出すならば、広大な国土と自然、アメリカの産んだ三つのカルチャー野球・ジャズ・映画を描いた作品群でしょうか。

トミー