劇場公開日 2017年4月1日

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「神も仏も、救う術なし」乱 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5神も仏も、救う術なし

2023年4月12日
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 狂った世の中で、気が狂ったなら、気は確かですね。
 刀剣が乱舞するだけなら、見目麗しいことですが、血ほとばしり、肉弾ける映像は、今の時代、ダメみたい。先日、とある特撮映画観たのですが、血飛沫は不要とのコメントが散見されました。ただ暴力は不快なものです。(興味ある方は「ファ二ーゲーム」ご覧下さい。)昔から否定されている暴力ですが、槍が自動小銃となり、馬がレオパルド2に換わっただけで、今そこにある現実です。どんなに殴られても、翌週には青アザひとつ残らないような、暴力をファション化する映像のほうが、問題だと思います。
 CGにせざるを得ない今と違って、城燃やすし、血糊も、文字通り出血大サービス状態。その城攻めシーンですが、鬼気迫る映像が、妙に淡々と描かれています。あるコンセプトに基づいて撮られたからです。わりと有名な話なので、どんなコンセプトなのか、調べてね。
 全てを手に入れ、全てを失くす裸の王様。「リア王」読んでませんけど、栄枯盛衰の四文字を描くのに、どんだけ金使うんだよって話です。疾走するお馬さんの側で落馬する、かなりヤバいスタントも大盤振る舞い。大きなスクリーンで観たかったな。
 それにしても、女性が非道い扱われ方をする映画ですね。人権の欠片もない。逆説的に、人権の有り難みを痛感します。
 神も仏も、ヒトの愚かな苦しみを救う術は、無いようです。と云うか、そもそも、救う義理がない?。ヒトのことは、ヒトがやれってこと?。そんな私の戯れ言も、馬蹄の地鳴りに、掻き消されてゆきました。

 乱世の非情さ、非人間性を描いた、理屈抜きの名作です。

 この時代に戻りたい?。

機動戦士・チャングム