「なかなかおそろしい映画」ラストタンゴ・イン・パリ 雨音さんの映画レビュー(感想・評価)
なかなかおそろしい映画
結末に至ってみれば、これはおそろしい映画だと感じた。人間の心理の複雑さ、人生の本質、都会の恐ろしさ、のようなもの。
人生を他者依存で自堕落に過ごせば、それなりのラストが待っているのだよ、と嫌でもinputされてしまう。
持って生まれたルックスでなんとかやってこられても、若いうちにしか通用しない。
ごまかしてかっこいい舞台を作ってってみても、所詮は仮想空間に過ぎない。素朴な自分に立ち戻ってリアルに掴もうとしたとき、それはあっという間に掌からこぼれていく。大人でありながらそんなこともわかっていなかった未熟さ。
もともと彼には何もなかった。都会という柔軟性のある環境下、ルックスとセンスで過分にいい目を見た分、痛いしっぺ返しを喰らう。
題名が説得力を持ってくる。
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