劇場公開日 1979年7月7日

ラスト・シューティストのレビュー・感想・評価

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3.5【”一時の春の、己の最後の誕生日に・・。”今作は末期癌を抱えたジョン・ウェイン演じる伝説のガンマンの最後の一週間を描いた、人間ドラマの風合が濃い、哀愁漂う西部劇である。】

2025年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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■1901年、ネバダ州カーソン・シティ。
 旧知のホステトラー医師(ジェームズ・スチュワート)に末期癌と宣告された、伝説の老ガンマン、J・B・ブックス(ジョン・ウェイン)が、彼の紹介でボンド・ロジャース夫人(ローレン・バコール)が営む下宿屋に、やって来る。
 最初は彼を毛嫌いしていた夫人だが、末期癌と知り、且つ彼が紳士的な事である事で、徐々に心を開いて行く。
 ブックスは、静かに最期の時を迎えようとしていたが、彼の命を狙いに来る男達や、彼の名により金を得ようとする元恋人セレプタ(シェリー・ノース)などが現れ、彼は一週間後の自分の誕生日に向けて、散髪をし、背広を整え、愛馬を夫人の息子ギロム・ロジャース(
ロン・ハワード)に託して、一人酒場に出掛けるのであった。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・観ていれば予測がつくが、ジョン・ウェイン演じる伝説の老ガンマン、J・B・ブックスは、彼自身の長い西部劇で数々演じて来たガンマンの集大成であろう。
 冒頭には、彼が若きときの代表作での、彼が躍動する姿が、映像で映る。
 きっと、ジョン・ウェインの意思が、今作には反映されたのだろうと思う。

・ブックスを狙う、彼に兄を殺されたスウィーニー(リチャード・ブーン)、プルフォード
(ヒュー・オブライアン)、コッブ(ビル・マッキーニー)等の、小物っぷりも今作では逆に良いのである。

・酒場に入り、最後の酒を煽りつつ、正面の鏡に映る上記3人の姿を伺うブックス。その後は銃撃戦になり、彼はバーテンダーに撃たれ斃れるが、ギロム・ロジャースが見事に仇を打つのである。

<今作は末期癌を抱えたジョン・ウェイン演じる伝説のガンマンの最後の一週間を描いた哀愁漂う、人間ドラマの風合の濃い西部劇なのである。>

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NOBU

4.0遺作です

2023年8月6日
PCから投稿

映画史に輝くスーパースターの遺作です。
さすがに老いは隠せませんが、脇も豪華に固めて有終の美。
敬意を表して4点

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越後屋

3.0ジョン・ウェインの遺作

2021年8月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 どんなに嫌いな悪党でも死ぬ際には敬意を払わねばならない。このドラマと同じようにジョン・ウェインは好きじゃない。遺作となれば格別の思いで見てしまう。

 死は個人的なものだと主張するブックスだが、自分が殺した死者に対しては敬意を払っていません。「罪の無い人間は殺していない」という言葉も、正義のように聞こえるが、所詮は殺した者の勝手な価値判断だ。まして舞台は20世紀になったばかりで、現代にも通ずるような時代背景。特に宿屋の息子ギロム(ロン・ハワード)に銃を教えている光景は、銃社会を正当化したアメリカ・ナショナリズムに他ならない。

 西部劇という映画ジャンルそのものが行き場を失いつつある70年代において、最後のガンマンとして潔く死ぬことがこの映画の最大のテーマ。死を覚悟して酒場に向かうブックスと、彼を撃ちたい3人の男のコントラストが面白い。そして銃を投げ捨てるギロムのおかげで後味は悪くならないのがよかった。

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kossy

4.0文字通りミスターアメリカのラスト

2016年5月9日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

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興奮

古きよきアメリカのスター、ジョン・ウェインの最後の作品のタイトルがラストシューティストって日本語タイトルつけた人のセンスに感服する。
原題はザ・シューティスト。それもわかる。奥ゆかしいタイトルだと思った。
ジョン・ウェインという人がどんな人物だったのか、この映画を見ればなんとなくわかる。
実に魅力的なラスト。素晴らしい幕引き。何度でも見たい作品。
最初に見たのは80年代の半ばくらいのように思う。

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lotis1040
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