劇場公開日 2008年11月29日

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羅生門のレビュー・感想・評価

全107件中、41~60件目を表示

5.0文句なし!

2021年8月7日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 今でこそ“羅生門スタイル”として映画の一スタイルになっているが、この当時はかなり実験的な内容も盛り込んだ黒澤明の出世作。最初は橋本忍が3日で書きあげたという「藪の中」だけであったが、短いということで黒澤明の協力により「羅生門」をくっつけたという。

 多襄丸(三船)が下手人であることは間違いなく、貴族の妻(京マチ子)が彼に手ごめにされたことも間違いない。人間のエゴと嘘。人間には嘘で固めたほうが楽になるという言葉どおり、殺すことや不貞が本人によって都合のいいように思いこむ。まともな人間なんていない・・・人間不信になってしまう荒んだ世の中はいつの時代にも通ずることかもしれない。

 多襄丸の証言:男の目の前で妻を手ごめ。後に決闘で男を殺した。
 妻の証言:短刀で夫を殺した。
 本人の証言:いつの間にか短刀が刺さっていた。
 杣売の証言:あくまでも短刀ではなかった。

 それに加えて、「殺してくれ」と言ったかどうか、妻の不貞にどう対処したものか・・・などと、各自の尊厳を保つような嘘で固められるのだ。最後には杣売も短刀を盗んだことが暴かれてしまい、坊主までが人間不信に陥りそうになるというラストシークエンス。しかし、最後には温かいエピソードとなるところで極上の作品に仕上がっているのでしょう。

 脚本もさることながら、宮川一夫の撮影技術が凄い。タブーとされる太陽を木漏れ日として直接撮った初めての映画らしいし、雨に墨汁を混ぜた重々しい映像や風そのものを感じさせる葉の影など、細かなこだわりが凄い。

 音楽ではボレロ風の曲が使われていたけど、羅生門スタイルの映画『閉ざされた森』なんてのはモロにボレロだったなぁ・・・やっぱりオマージュだったのか。今の感覚で点をつけたら4点なんだろうけど、スタイルを確立させた功績を称え5点。

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kossy

3.5今見ても全く色褪せない

2021年7月16日
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旅法師と柚売りが通りすがりの下人に語り始める――盗賊が森で女を犯し、その夫を殺した。しかし語られる各々の証言は異なっている、というストーリー。

白黒映画だが役者の力強さを感じ、ストーリーも人間的に普遍のテーマを扱っているだけに今見て古臭さを感じさせない。「人間は見栄のために自分にさえも嘘をつく」というエゴを描きつつ、最後は希望を感じさせる点がいい。
むしろ白黒だとすべての場面に味を感じて風情を勝手に感じてしまう。

ただ、仕方ないことではあるが何を言ってるか聞き取れない場面がよくある。特に武士の台詞は加工されていて日本語字幕は必須。

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waisigh

4.0最後の証言が真相だとは思えない

2021年7月11日
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単純

知的

だって自分は事件を知らないと当時の法廷で証言してるんだからね。大嘘つきなのは自分で堂々と述べている。結局真実は「藪の中」。
結構面白く見れたのは、やはり映画の作りが上手いからだと思う。カメラワークなんかは第三の男を思わせるようなところがある。単純な内容だが想像力を掻き立てられるところがある。みんながみんな自分を美化しているところが面白い。

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yugo

5.0映画史上最高の泥仕合

2021年7月6日
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鑑賞方法:VOD

怖い

難しい

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せつこん

4.5【”羅生門に棲む鬼は人間の恐ろしさを見て逃げ出した・・”エロティック&バイオレンス&人間の悪性、善性を全て盛り込んだ傑作。】

2021年6月30日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD、VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 京マチ子演じる、野武士(世界の三船敏郎)に手籠めにされた武家の妻真砂のファム・ファタールの姿に、戦慄した作品。ー

◆感想
 ・内容は、これだけの名作であるので、人口に膾炙している前提で割愛

 ・野武士(三船敏郎)に手籠めにされた京マチ子演じる、金沢真砂の自らを助けられなかった、武士の夫金沢武弘に対する掌返しの姿が、凄まじい。
 涙を流しながらも、夫を見捨て、野武士に”一緒に連れて行ってくれ”と、懇願する姿。
 野武士が、躊躇う程の真砂の姿を、人間の悪性と観るか、本性と観るかはどうかは、観る側次第である。

 ◆真砂役を、原節子自身が演じる事を熱望し、黒沢明監督も望んでいた事は、多くの人が知る事である。
 ー石井妙子著作の「原節子の真実」を一読されたい。ー
 だが、映画製作会社の思惑により、それは叶う事はなかった。原節子の清楚なイメージに合わなかったからである。
 それ故に、今作の京マチ子の演技は、鬼気迫るモノである。
 三船敏郎も、森雅之も、飲み込んでしまっている。

<近代邦画が世界に対し、
”大和撫子は、このように激しい感情を持っていたのか、正に京マチ子演じる金沢真砂は自覚無き、恐ろしきファム・ファタールではないか。”
 と世界を震撼させた一作。
 今作以降、黒沢明と、小津安二郎は全く違う世界観も持った作品を世に出していく。
 全てを知る、志村喬演じる羅生門の下で雨宿りする男が、盲目の僧(千秋実)から幼子を引き取る姿に、人間の善性を凝縮させており、今作の幅、奥深さを醸し出している作品でもある。>

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NOBU

3.0時間配分が

2021年6月28日
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鑑賞方法:DVD/BD

カメラワークはさすが黒澤監督。さながら見本市。

ストーリーはなかなかぶっ飛んでますね。
好きです。(そうとしか言いようが。)

しかし一つ一つのシーンの時間配分が…。
無音映画を意識したそうなんですが、短い作品なのに、早く終わってほしくなってました。

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ジンクス

5.0革命的

2021年3月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

役者の演技は言うまでもなく素晴らしいだけど、
それ以上にこの形式の構成力が革命的。

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とんぬら

4.0光と陰のコントラスト

2021年2月28日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

俳優陣の名演、熱演。特に京マチ子の美しさが印象的。

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桑畑五十郎

2.0寝取り寝取られからの…

2021年1月7日
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KEI

4.0人の闇の部分・疑心暗鬼を描く作品

2020年12月22日
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鑑賞方法:DVD/BD
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といぼ:レビューが長い人

5.0人間は嘘をつくもの

2020年12月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

山道で盗賊(三船敏郎)と美しい妻(京マチ子)を連れた武士(森雅之)がすれ違う。
盗賊は武士を縛り、妻を手籠めにする。
この後はみんな言うことが違う。
雨にたたずむ半壊した羅生門、いかにも暑そうな強烈な木漏れ日など、白黒映画とは思えない。

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いやよセブン

3.0信じられる人がいる事の幸せ

2020年11月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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あっちゃんのパパ

5.0虚栄心がタイムループのように繰り返される

2020年10月11日
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20092.殺陣、セット、撮影、音楽、全てが70年後の今も新鮮

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movie

3.0一筋の光

2020年9月6日
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荒んだ世の中、何を信じたらいいのかわからなくなる。

だが無垢な子供の鳴き声は純粋無垢な一筋の光のよう。

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上みちる

4.0味がある!

2020年8月9日
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さすが黒澤映画。鑑賞回数はやがて2桁となるが、良いものは何回見てもいい!

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kenyan

4.5人間のもつ深み

2020年7月27日
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 人間の愚かさと奥深さを描いた芥川龍之介の「藪の中」、「羅生門」を、映画という形で再構築した大傑作。人間の持つエゴイズムを哀しいほどにまで炙り出し、見事な映像表現と迫真の演技で観る者を圧倒させています。
 冒頭から映し出された降りしきる大量の雨、多襄丸と侍の藪の中での立ち回り、演者を照らす絶妙な光と影、、、 これらの圧倒的な映像美だけでも見惚れてしまうのに、食い違う証言を巧みに物語の中で構成させることによって、人間のエゴイズムを問いかける手腕は素晴らしいとしか言いようがありません。
 黒澤監督は、芥川が文学で炙り出した人間の本質を、映像という形で新たに再構築し、より芸術性を高めていると思います… 人間の欲望や意思、その奥に秘められている人間の本質は、演者の目つき、表情、声、顔を浸る汗、照らす光の具合や、まわりの音などによって、無限の奥深さを与えてくれます。京マチ子演じる女は、恐ろしい程の数の顔を持ち、何を想い、何を感じ、何を望んでいたのか、答えのない幾つもの人間性を曝け出しています。視覚的、聴覚的な感受性、これこそ映画のもつ究極的な面白さで、物語を感じ取り、解釈する仕方を無限に広げてくれるのです。
 最後に、この映画は人間のエゴイズムを炙り出しているとは言ったものの、本当にそれだけでしょうか。証言がそれぞれ異なるのは、何も自分を正当化するエゴイズムだけでなく、もしかしたら皆何か別の想いがあって、誰かを庇う部分があったのではないか、、、そんな複雑な心境が証言に含まれているのではないかと思いました。エゴだけでなくて、こんな可能性もあるかもしれないから、より物語が複雑になって深みを増しているのだと思います…

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D.one

5.0真心

2020年7月9日
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みのむし

5.0ヴェネチア獲ってるし誉められ尽くしているからとやかく言うものでもな...

2020年5月20日
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鑑賞方法:DVD/BD

ヴェネチア獲ってるし誉められ尽くしているからとやかく言うものでもないが、やはり別格。頭から黒澤明を見直してる最中だけど、カメラマンでここまで質が高まるものなのかと驚いた。演出を聞いてそれ以上の事をしてくれるスタッフの何とありがたいことか。全ての要素が噛み合っている。完璧。

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kazuyuki

4.0すごい映画!

2020年5月7日
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鑑賞方法:TV地上波

見入ってしまう映像と演技に夢中で観た。

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緑雲

4.5白黒映画で昔の映画で、そこまで編集や演出に手がこんでる訳ではないの...

2020年5月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

白黒映画で昔の映画で、そこまで編集や演出に手がこんでる訳ではないのにすごかった。昔の映画の名作は今の映画と比べものにならない面白さがあると感じた。

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あかねちん
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