劇場公開日 2008年11月29日

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羅生門のレビュー・感想・評価

全97件中、21~40件目を表示

4.0真相は「藪の中」

2022年7月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

1950年。黒澤明監督作品。
ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した。
またアカデミー賞名誉賞(現在の外国語映画賞)も受賞。

原作は芥川龍之介の「羅生門」と「藪の中」をミックスして橋本忍と
黒澤明が共同で脚色した。
朽ち果てた羅生門の縁側か庭先で三人の男たちが、目撃した焚き木売り
(志村喬)の話を聞く形で進む。

映画のストーリーは「藪の中」で、「羅生門」はそれこそ軒先と門構えと
題名(これが素晴らしいのだが・・)を借りただけである。

「藪の中」と言う言葉は現代でも、真相が知れないことを指す言葉として使われている。
事件は焚き木売りが入った「山」で起こった。
武士が白馬に妻を乗せて旅をしている。
通りかかった盗賊・多襄丸(三船敏朗)は武士の妻・真砂の美しい指先と市編笠
から一瞬覗いた真砂の美しさに息を呑む。
欲情した多襄丸は真砂を手籠にしてしまう。
真砂の怒りは手籠を見ていて、真砂に軽蔑の眼差しを向ける夫(,森雅之)に向けられる。
真砂は多襄丸をけしかけ夫と決闘をして勝った方の妻になる・・・
そう言うのだった。
ここからは多襄丸、真砂、目撃者・焚き木売りの三者の意見がバラバラで食い違うのだ。
誰が武士を殺したか?
真砂の心に霊媒師が宿り、夫・‥金沢の弁明まで聞くことが出来る。

この映画は海外で高く評価されて、アラン・レネー監督の「去年マリエンバードで」
にも影響を与えたとのことです。

それにしても、多襄丸の三船敏朗の活気と狂言回しの役割。
真砂の京マチ子の妖艶さと映画の役への意気込み。
志村喬の最後にはヒューマニズムを感じさせる役割。
黒澤明監督作品らしいダイナミズムに溢れた作品でした。

過去鑑賞

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琥珀糖

4.0流れる音楽はボレロをリスペクトしている。

2022年4月24日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

世界的に良いかは別にして、面白いと思った。
3人とも自意識過剰な人間で、その3人に偶然に起きてしまった話。
多襄丸と男の戦いは、史上もっとも格好の悪い殺陣と言えないか。剣の達人などと到底言えない。
流れる音楽はボレロをリスペクトしている。

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アンドロイド爺さん♥️

4.5男は虚栄心から,女は狂気から嘘をつく.嘘をついているという自覚すら...

2022年2月15日
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鑑賞方法:VOD

男は虚栄心から,女は狂気から嘘をつく.嘘をついているという自覚すらないのかもしれない.出来事に対して当事者として行為していることを,私たちはいつも客観的には語ることができないみたいだ.客観していた町人もまた,自分の行為についての認識が欠落していて,それを指摘されてうろたえる.それでもやはり,人を信じるという事をあきらめないという最後のシーンが印象的だった.自分にはやはり女性の狂気を描いている個所が特に気になって,盗賊の誘いを力強く拒絶した後に夫から拒絶される瞬間の女性の顔がとても印象的だった.自分の選択によって板挟みにあう女性と,そこからの感傷から狂気への変転.自分の引き出しの中に微妙に響きあうところがあって,それをもう少し掘り下げていきたいと思ったりもしたものだ

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ケ

3.5疑心暗鬼。人の心が信じられなくなりそうだ!

2022年1月15日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

難しい

内容は、芥川龍之介の羅生門にインスピレーションされた時代背景の人間ドラマ。やっぱ一番印象に残ったのは、冒頭の『わかんねぇ』だろうなぁ。人間関係のドラマを真実と事実の違いを見せつけられる人間の弱さを凄いカメラアングルで捉えた素晴らしい作品。世界の黒澤明と言われるだけの事あります。そして最後には雨上がりと僅かな救いが心象風景として間接的に表現され90分という事もあり非常に楽しめた。

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コバヤシマル

4.0何度も観たい

2022年1月1日
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と思うような映画ではないが、事あるごとに観てしまうような映画
原作に再び立ち返ろうとする気持ちを持たせてくれた時点で題材を
それに定め制作した監督の勝ちであり成功だと思うが、それが黒澤明
であるということは、後からで十分な知識であろう。
まず初めに映画タイトルありで制作陣、キャストで映画を選ぶ時代は
終わりだ。と思えた作品でもある。
そういう点ではさすが黒澤◎と本作感想は締めくくりたい。

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tomokuni0714

4.0一つの事件を複数の視点から映像化するコロンブスの卵的手法

2022年1月1日
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鑑賞方法:DVD/BD
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徒然草枕

2.0突然高笑いする場面が多くて、

2021年11月24日
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鑑賞方法:VOD

その度に興ざめする。

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くそさいと

4.5ギラギラ&ダラダラ

2021年11月9日
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鑑賞方法:TV地上波

タイトルは知ってるけど、見る機会がなかった名作。世界のクロサワじゃ。

デジタルリマスターなので、画像は良くなっているんだろうけど、音声は時々聞こえづらい。雨の中の羅生門が特に。でもまあ、少し気になる程度かな。一番印象に残ったのは、汗。ものすごいダラダラじゃないの。よほど暑かったんだねぇ。

三船敏郎が若い。野性味がプンプン。真砂はけっこう多襄丸がタイプだったんじゃないの? それか、どこか安穏とした暮らしに収まらない、破滅願望の女。そういう女と気付きながら、黙っていた夫。この夫婦には、すでに隙間風が吹いていたのかも。そして、どちらもプライドが高い。

今見るとそれほど新鮮に感じないが、クロサワチルドレンがたくさんもどきを作って、それを見ていたから、そう思うわけか。今この時代に見るのは、いわば遺跡の発掘作業のようなものかも。

そういえば、ほぼ同じ内容で、天海祐希、豊川悦司、金城武で映画になってたと思う。天海祐希が脱いだ、というプレミア付き。金城武は好きなんだけど、今何してるのかな。すてきなおじさまになってそう。

NHKのデジタルリマスター版の放送にて。

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ぷにゃぷにゃ

4.5日本知性の宝庫

2021年8月17日
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鑑賞方法:VOD

興奮

知的

難しい

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mark108hello

5.0羅生門効果という心理学用語のネタ元の映画

2021年8月10日
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鑑賞方法:DVD/BD

興奮

知的

萌える

羅生門効果(Rashomon effect)。事実は一つのはずなのに「こうだった」という認識が三者三様であることに気がついた心理学者(確か家族療法家だったと思う)が、その現象に対して、この映画をヒントにして名付けた心理学用語。
  皆”嘘”を言っているのではない。
 そこで起こったこと、すべてを言語化するわけではない。何を取り上げて何を割愛するか、その取捨選択だけでも、三者三様の物語ができる。
 加えて、内的真実(自分にとっての真実)としてそう思い込む。過去の出来事がこうであったから今経験しているのも「こうであるに違いない」と思い込むこと、認知の問題、自己防衛、情緒の問題、コミットメントの度合い…様々な要素からその人にとっての真実(内的真実)ができあがる。それは、時を経るに従ったり、いろいろな経験を積み重ねたり、見識を広げたり、心を豊かにし深めたり、自分と直面する勇気を持ったりすることで変化していく可能性を持つもので、だからこそ、心理療法ができるのだけれど。お互いの観方・そう見た背景を分かち合うことで「ああ、そうだったのか」その方の世界観が変わっていく可能性をも秘めたものであり、お互いの世界観に橋を渡せる可能性をも秘めたものである。

映画のレビューを拝読していても、同じ映画を観ているはずなのに、そこに何を感じ、好き嫌いはともかく、とらえ方にも様々なヴァリエーションがあって…。摩訶不思議。

ある男の死に至るまでの夫々の言動。
 多襄丸は繰り返し言う。「どうせ死罪になるんだ。今更嘘を言って言い逃れしても仕方がない。本当のことを言いましょう」でもね、君の話や被害者の話を聞いている者からするとね、やっぱり自尊心を守りたい為の”嘘”に聞こえる。殺された夫にしても、残された妻にしても、一部始終見ていた杣売りにしてもそれは同じ。皆自尊心は守りたいよね。そうであったと自分に信じ込ませなきゃやっていけないよね。虎は死して皮を残すが、人は死して名を遺す。西洋なら、墓碑にどう書かれるかが大事ということか。
  そんな人間の浅はかさ、おかしさ、恐ろしさが映像として描き出された映画です。

なんて書くと、重苦しいだけになってしまうけど。他のレビュアーの方も書かれていますが、カメラワークの美しさ、登場人物の人間臭さ。躍動感。同じ人物を四通りに演じ分ける三船氏、京さん、森氏の演技、それを器として支える志村氏、千秋氏、上田氏の演技に息を飲みます。本間さんの依りましのインパクト、雛人形の仕丁(五段目)さながらの加東氏も華を添えてくださいます。

「男は黙ってサッポロビール」等重厚なイメージの強かった三船氏のはっちゃけぶり(@_@;) 字で書くとどうしようもない盗賊の役柄なんだけど、三船氏が演じるとものすごくキュート(*^。^*) それでいてあの迫力。命そのものがぶつかってくるような荒々しさ!(^^)! 野性味!(^^)! ビックリしました。かっこういい立ち回りから、腰が引けたどうしようないビビりの切り合いまで、縦横無尽に演じきる凄さ(*^。^*)
 ライオン・黒ヒョウ等がイメージなのだとか。体に油を塗って、野性味を演出したとか。疾走感を出すためのカメラの工夫とか、様々な工夫と、その演出にこたえる三船氏の演技!!!

京さんは、お淑やかな雛人形、清純そのものといった佇まいから、男を手玉に取る妖艶な美女まで。しかも、その両極端を演じきるだけではなく、男に抱かれた後に捨てられるのではと予感させられて茫然とする表情とか、本当に多彩、様々な心情を細やかに見せてくださいます。

この二人に対して森氏は”静”の役回り。縛られている場面もあるし、性格的にも冷静な武士という役回りだったから、あまり動き回っての派手な演技はありませんが、四者の証言によって浮き彫りにされる微妙な性格の違いを魅せてくださいます。しかも、そんな”静”の武士が、死してなお語るその思いの激しさ。

この三人の拮抗した演技力のぶつかり合いが絶妙です。

暑さが起こした事件?暑さが見せた幻影?
多襄丸が真砂を見初めるシーンのすがすがしさ。一幅の絵画のよう。
そんな絵にも心を奪われる。

加えて、羅生門場面での志村氏、千秋氏、上田氏の演技も素晴らしい。出番が少なくて動きも少ないのにインパクト大。

森の場面でも、羅生門の場面でも、三人の立ち位置の変化が、面白い。それをみるだけでもワクワクする。

四者の証言を聞いて混乱した気持ちが、羅生門での会話に(内的言語で)参加することによって少しずつ、それなりに心の中に落とし込んでいけるかと思うと混乱させられ、ラビランスの迷宮のようにさ迷い始め、つい柄にもなく哲学的なことを考え始めてしまいます。
  この三人の会話がなかったら、盗賊・殺された夫・残された妻の物語を見せられて放り出された気分のまま収まりがつかずに終わったのだろうなと、この部分を持ってきた監督に座布団1枚の気分です。

ラスト。完全に監督オリジナルの展開。でも、ある行為から、財政的にある程度余裕ができたからの行為でもあるよな、なんて、ちょっと意地悪な見方もしたりして…。
 それでも、根っからの悪人なんていないのだろうとも思わせてくれる。
 旅法師たちの話の間降り続いていた集中豪雨も上がっての幕。

人間を考えると言う点でも、カメラワークや演技を堪能するという点でも、何度も見返してしまいます。それだけの価値のある映画です。

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とみいじょん

5.0文句なし!

2021年8月7日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 今でこそ“羅生門スタイル”として映画の一スタイルになっているが、この当時はかなり実験的な内容も盛り込んだ黒澤明の出世作。最初は橋本忍が3日で書きあげたという「藪の中」だけであったが、短いということで黒澤明の協力により「羅生門」をくっつけたという。

 多襄丸(三船)が下手人であることは間違いなく、貴族の妻(京マチ子)が彼に手ごめにされたことも間違いない。人間のエゴと嘘。人間には嘘で固めたほうが楽になるという言葉どおり、殺すことや不貞が本人によって都合のいいように思いこむ。まともな人間なんていない・・・人間不信になってしまう荒んだ世の中はいつの時代にも通ずることかもしれない。

 多襄丸の証言:男の目の前で妻を手ごめ。後に決闘で男を殺した。
 妻の証言:短刀で夫を殺した。
 本人の証言:いつの間にか短刀が刺さっていた。
 杣売の証言:あくまでも短刀ではなかった。

 それに加えて、「殺してくれ」と言ったかどうか、妻の不貞にどう対処したものか・・・などと、各自の尊厳を保つような嘘で固められるのだ。最後には杣売も短刀を盗んだことが暴かれてしまい、坊主までが人間不信に陥りそうになるというラストシークエンス。しかし、最後には温かいエピソードとなるところで極上の作品に仕上がっているのでしょう。

 脚本もさることながら、宮川一夫の撮影技術が凄い。タブーとされる太陽を木漏れ日として直接撮った初めての映画らしいし、雨に墨汁を混ぜた重々しい映像や風そのものを感じさせる葉の影など、細かなこだわりが凄い。

 音楽ではボレロ風の曲が使われていたけど、羅生門スタイルの映画『閉ざされた森』なんてのはモロにボレロだったなぁ・・・やっぱりオマージュだったのか。今の感覚で点をつけたら4点なんだろうけど、スタイルを確立させた功績を称え5点。

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kossy

3.5今見ても全く色褪せない

2021年7月16日
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旅法師と柚売りが通りすがりの下人に語り始める――盗賊が森で女を犯し、その夫を殺した。しかし語られる各々の証言は異なっている、というストーリー。

白黒映画だが役者の力強さを感じ、ストーリーも人間的に普遍のテーマを扱っているだけに今見て古臭さを感じさせない。「人間は見栄のために自分にさえも嘘をつく」というエゴを描きつつ、最後は希望を感じさせる点がいい。
むしろ白黒だとすべての場面に味を感じて風情を勝手に感じてしまう。

ただ、仕方ないことではあるが何を言ってるか聞き取れない場面がよくある。特に武士の台詞は加工されていて日本語字幕は必須。

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waisigh

4.0最後の証言が真相だとは思えない

2021年7月11日
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単純

知的

だって自分は事件を知らないと当時の法廷で証言してるんだからね。大嘘つきなのは自分で堂々と述べている。結局真実は「藪の中」。
結構面白く見れたのは、やはり映画の作りが上手いからだと思う。カメラワークなんかは第三の男を思わせるようなところがある。単純な内容だが想像力を掻き立てられるところがある。みんながみんな自分を美化しているところが面白い。

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yugo

5.0映画史上最高の泥仕合

2021年7月6日
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怖い

難しい

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せつこん

4.5【”羅生門に棲む鬼は人間の恐ろしさを見て逃げ出した・・”エロティック&バイオレンス&人間の悪性、善性を全て盛り込んだ傑作。】

2021年6月30日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD、VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 京マチ子演じる、野武士(世界の三船敏郎)に手籠めにされた武家の妻真砂のファム・ファタールの姿に、戦慄した作品。ー

◆感想
 ・内容は、これだけの名作であるので、人口に膾炙している前提で割愛

 ・野武士(三船敏郎)に手籠めにされた京マチ子演じる、金沢真砂の自らを助けられなかった、武士の夫金沢武弘に対する掌返しの姿が、凄まじい。
 涙を流しながらも、夫を見捨て、野武士に”一緒に連れて行ってくれ”と、懇願する姿。
 野武士が、躊躇う程の真砂の姿を、人間の悪性と観るか、本性と観るかはどうかは、観る側次第である。

 ◆真砂役を、原節子自身が演じる事を熱望し、黒沢明監督も望んでいた事は、多くの人が知る事である。
 ー石井妙子著作の「原節子の真実」を一読されたい。ー
 だが、映画製作会社の思惑により、それは叶う事はなかった。原節子の清楚なイメージに合わなかったからである。
 それ故に、今作の京マチ子の演技は、鬼気迫るモノである。
 三船敏郎も、森雅之も、飲み込んでしまっている。

<近代邦画が世界に対し、
”大和撫子は、このように激しい感情を持っていたのか、正に京マチ子演じる金沢真砂は自覚無き、恐ろしきファム・ファタールではないか。”
 と世界を震撼させた一作。
 今作以降、黒沢明と、小津安二郎は全く違う世界観も持った作品を世に出していく。
 全てを知る、志村喬演じる羅生門の下で雨宿りする男が、盲目の僧(千秋実)から幼子を引き取る姿に、人間の善性を凝縮させており、今作の幅、奥深さを醸し出している作品でもある。>

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NOBU

3.0時間配分が

2021年6月28日
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鑑賞方法:DVD/BD

カメラワークはさすが黒澤監督。さながら見本市。

ストーリーはなかなかぶっ飛んでますね。
好きです。(そうとしか言いようが。)

しかし一つ一つのシーンの時間配分が…。
無音映画を意識したそうなんですが、短い作品なのに、早く終わってほしくなってました。

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ジンクス

5.0革命的

2021年3月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

役者の演技は言うまでもなく素晴らしいだけど、
それ以上にこの形式の構成力が革命的。

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とんぬら

4.0光と陰のコントラスト

2021年2月28日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

俳優陣の名演、熱演。特に京マチ子の美しさが印象的。

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桑畑五十郎

2.0寝取り寝取られからの…

2021年1月7日
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KEI

4.0人の闇の部分・疑心暗鬼を描く作品

2020年12月22日
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鑑賞方法:DVD/BD

黒澤明監督の名前は映画好きでなくても大抵の人は知っていますし、この「羅生門」は彼の作品の中でも特に「名作」と名高い作品ですので以前から知っていました。しかし鑑賞するのは今回が初めてです。小説の「羅生門」は学生時代の国語の教科書に載っていたので知っていますが、「藪の中」は未読のため、内容に関する前知識はほとんどない状態での鑑賞です。

結論。面白い!!!!
70年前の映画とは思えないほどに面白い!!!もちろん映像の古さはありますが、内容に関しては全く古いと感じさせないような、現代人にも通じるようなテーマを含んだ作品でした。映像の見せ方や構成も見事です。

・・・・・・・
急な雨に打たれ、雨宿りのために羅生門の下にたどり着いた下人。そこには先客の旅法師と杣売りが雨宿りしていた。「わからねえ、さっぱりわからねえ」としきりに呟く杣売りに下人は「何がわからねえんだ」と質問する。そして杣売りから、とある殺人事件についての話を聞かされる。それは、事件関係者の証言が全員食い違っている奇妙な事件の話であった。
・・・・・・・・

杣売りは死体の第一発見者、旅法師は生前の被害者を最後に見た人物として検非違使(現代でいうところの裁判所)に呼ばれ、関係者全員の証言を聞いたのだが、全員の証言が大きく食い違っており、何が真実なのか分からない。そして最後にとある人物の証言を聞くことで、事件の真相が明らかになるという構成になっています。武士や下人が登場するので時代劇のような作品を想像していましたが全くそんなことはなく、内容は非常に上質なミステリ映画でした。

とある一つの殺人事件に関して、その事件の関係者が事件の概要を説明する。
関係者の証言を聞いていくうちに想像していた事件の概要が180°変わってしまう「白ゆき姫殺人事件」とか、調べれば調べるほど事件の真相に近づいているように思うけど全然そんなことなかった「サーチ」という映画ありましたけど、なんとなくその手の映画に近い気がしました。いや、ちょっと違うかな。とにかく、現代の映画にも通ずる全く古臭さを感じさせない表現を用いた、素晴らしい作品です。

黒澤監督の名を世界に知らしめた作品としてあまりに有名であり、海外にもファンが多い(らしい)この「羅生門」ですが、時代を超えて楽しまれる作品だと実感させられました。めちゃくちゃ面白いです。

公開された時代も良かったのかもしれませんね。1950年といえば、第二次大戦の傷もまだ癒えていないころでしょう。その時代背景と映画内の荒廃した都の情景が絶妙にマッチしていただろうと、容易に推測できます。

検非違使から見たようなカメラアングルで各証言者の語る姿を見せられるのは、「観客のあなたが事件の真相を導くんだ」と言われているような演出です。本当に良かった。

また、「人は信用できない」「疑心暗鬼」を描くようにストーリーが進みますが、最後に「人間も捨てたもんじゃない」という一筋の希望を残して映画が終了するのも非常に良かったですね。

古い映画だからという偏見を持たず、多くの人に鑑賞してほしい素晴らしい映画でした。
オススメです!!

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といぼ:レビューが長い人