「レネ監督が問い掛ける、人類の課題について」夜と霧 Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)
レネ監督が問い掛ける、人類の課題について
非人道的で残酷極まる大量殺人を犯したナチス・ドイツへの、憤る批判と非難、そして悩乱が、この短編記録映画の制作意図である。それは、人類史上の汚点として、社会的に道徳的見解から、もっと議論されるべきものである。アウシュビッツの過去の悲惨な残虐シーンと、制作スタッフが実際に撮影した廃墟の傷跡が、丁寧にモンタージュされている。レネ監督の特長である滑らかな移動撮影が独特な映画文体を構築し、それに同調した終始冷静な解説のナレーションの哲学的論法が、観る者に問題提起する。
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