劇場公開日 1961年10月

「900万の霊の悲鳴に耳をすませ」夜と霧 mimiccuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0900万の霊の悲鳴に耳をすませ

2018年6月13日
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泣ける

悲しい

怖い

1955年現在から10年前のアウシュビッツ強制収容所の様子をカラーと白黒の交互に見せていく。がらんとした緑の草原の中に佇む建物を、外観から内部まで移動するように動くカメラに対して、当時は白黒の写真に固定カメラの資料映像。

穴がずらっと並ぶトイレ、裸でガリガリの皮と骨だけになった男たち、目見開いたままの死体、別棟の人体実験施設、コンクリの天井に残る爪痕のくぼみ、大量の女性の髪の毛、桶に入った斬首した頭、死体の山をブルドーザーが押しのける、収容所で働くカポは言う「責任はない」と。

タイトルは国家に対して反逆の疑いのあるものは、秘密裏に(夜陰に乗じて霧に紛れて)家族まるごと捕縛して収容所に拘禁せよという、ヒトラーの特別命令に由来。

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mimiccu