劇場公開日 1961年10月

「というかしばらく人間をみたくなくなります。」夜と霧 うえあおいさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0というかしばらく人間をみたくなくなります。

2016年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、CS/BS/ケーブル

最初の出会いは映画論。
次の出会いはCATV。
二度も観てしまいましたこの映画、というよりドキュメンタリー。

現在のアウシュビッツと過去の映像をうまく組み合わせながら淡々とナレーションが流れていきます。
途中、死体やら切断された顔と体やらが隠されることなく、当時の映像そのままを流しています。

初めて見た時は、衝撃すぎて、本当にめまいがしました。
そして、二度目に観て思ったことは、
この人たちにはちゃんとした生活があって夢もあっただろうし、
でも殺されるってわかってて今日を生きる絶望感って、実は死よりも苦しいのでは、ということ。
たまに、夢で絶望を感じるときってありませんか?
けど現実世界でわたしがこんな絶望を感じることはおそらくないと思います。
それは 現代の 日本に 生まれたから、とってもラッキーだからです。
とか考えてると31分のフィルムはあっという間に終わってしまいます。
これを観た次の日の朝の目覚めはすっきりしなくなりそうです。
あと、誰かと観るのはオススメしません。
観終わった後、ひとりでいろいろ考えてください。

…というかしばらく人間をみたくなくなります。

コメントする
うえあおい