用心棒のレビュー・感想・評価
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黒澤明流 勧善懲悪の西部劇!!
アニメ映画「犬ヶ島」とドキュメンタリー映画「MIFUNE」を続けて観て
黒澤明監督の偉大さを改めて実感
久しぶりに黒澤映画を見直そうと思い
楽天に行って見つけたのが、
「黒澤明DVDコレクション」で
創刊号が、この「用心棒」だった
面白かったなぁ
とってもわかりやすい勧善懲悪エンターテイメント
ある村で、酒屋と女郎屋が対立し、そこへふらりと訪れた三船敏郎演じる浪人が、彼らの勢力争いを高みの見物しながら、悪者たちを一掃しようとしていく…
この映画をセルジオ・レオーネが盗作したのが、クリント・イーストウッド主演のマカロニウエスタン「荒野の用心棒」なんだとか
しかし、パクりたくなってしまうのもよくわかる
これは、黒澤明が作った西部劇だ
日本ではありえないような砂埃が舞い
悪役を演じる仲代達矢はピストルを撃つそこへふらりと現れる浪人の三船敏郎は村人たちのヒーローである
それはまるで「シェーン」のようだった
そしてやっぱり、黒澤映画は殺陣がカッコいい!!
と思いながら観た
この黒澤コレクションいいなぁ
これからも続けて観よう〜
リアル風味の剣戟
作中に占める時間はごく僅かなれど、リアル風味の剣戟シーンがとにかくカッコイイ。
あくまでリアルっぽいだけで、所詮それは素直に殺られてくれる斬られ役あっての殺陣ではあるのだけれど、それでも勢い良く一息のうちに殴るように撫で斬る剣戟は、よくある日本の時代劇や、あるいは無双アクション系の洋画のそれとは一線を画す説得力がある。
桑畠三十郎は映画や漫画やアニメに出てくる“カッコイイ剣豪像”に近いようでズレてるところがなんとも魅力的。主観で悪と感じた人間の命をゴミとも思っておらず、ド汚く姑息な策を弄して敵対勢力の戦力を削いでいく。
もっとも結局は1対多数の状況を力技でねじ伏せていたり、金に執着するようで結局世直し行為をして去っていく様には、釈然としない印象も残る。高潔さと粗暴さを併せ持つ稀有なキャラクター。
実際の江戸末期の宿場町がこのような雰囲気であるかどうかは専門家でないのでわからないが、しかしこれまで観たどの映画やドラマよりも現実感のあるものに感じられた。きっと200年前はこんな街が日本のどこかにあったのだろうと否応なく信じさせる何かがある。きっとマクロだけでなくミクロな美術や演出にも、凄まじい執念じみたコダワリが宿っているのだろうと思う。村中を駆け回る『七人の侍』と違って、舞台は大通りから殆ど動かないのに…。
無料で浪人に白飯食わせる余裕がある飯屋。愛すべき偏屈オヤジが、本作のヒロインなのだ。
悪人どものキャラクターもどこか憎めない。棺桶屋の小市民感。おりんの大阪のおばさんのようなバイタリティ。どこか悪になりきれない馬目の二代目も無残に殺される。いかにも田舎ヤクザの親分といった風の丑寅。スカーフ巻いた鉄砲の人。いずれもゴミのようにアッサリ死んでいくのだが…。それもいっそ心地よい。
ヤクザ同士の抗争も結局焼き討ちでアッサリ決着する。なんだよ最初から勝とうと思えば勝てたんじゃないのか?…などという突っ込みも野暮なのだろう。田舎の権力者同士の争いとは、不文律のルールの上でねちっこくちちくり合うように殺し合う、腐った騎士道精神のようなものに支配されたものなのだろう、きっと。
用心棒?(あれれ??)
いい意味で期待を裏切られ、面白かった。
用心棒というタイトルはとても良いと思います。
軽妙さをベースにメリハリのある演出。
謎のラテングルーヴなBGM。
そして宮川一夫の撮影と、見所たくさん。
それから山田五十鈴も良かったです。
基本の話はシンプルなはずなのに、なんだかとっ散らかった印象もあり、-0.5点。
黒澤作品、まだまだ観なくちゃ。
西部劇的な娯楽映画
総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:80点|演出:75点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )
悪の巣窟のような荒れ果てた町にふらっとやって来たただの浪人が、金が目的であるかのように悪ぶるのに実は金に執着がく、何故かたいした理由もなく人助けのために命懸けで一肌脱ぐ。結局腕に覚えがあるぶん町の浄化に自分の生き甲斐をもっているようだ。
町を仕切るやつらが悪人ばかりで棺桶屋が町一番の繁盛店だったりして、そろそろ四十朗な男が暴れる舞台はしっかりと整っている。酒屋の親父に拳銃を持った凄腕の敵もいる。剣術の腕だけでなく頭脳を使って敵を潰しあいをさせる彼の活躍を堪能する、西部劇的な娯楽映画。
桑畑三十郎
名前の通り椿より花がないというか、男らしい渋い内容でした。棺桶から立ち上がる所はユーモアたっぷりですし、砂埃の中の決闘シーンはシビれます。
思いの外ボコボコになって痛々しい…。最初から斬ってしまえば済むものを…。
椿三十郎のほうが構図が明快で分かりやすいと思いました。こちらは前半の状況説明が聞き取りにくく、詳細の把握が難しかったです。
「雇ったほうで用心しなきゃならねぇ用心棒だってある。」
これぞ活劇
活劇映画のお手本のような作品ですね。
最高です。悪役もどこか憎めない人間臭さがあって素晴らしい!
キャラの立ち方、台詞、構成、演出、完璧です!最近こういう質の作品ないなぁ
自分なんかが言うのもおこがましいですが、活劇系の映画の中では満点です!
自分は実質的続編の椿三十郎より好きです
三船敏郎の殺陣と佐籐勝の音楽が─
七人の侍同様、この作品もいわゆる時代劇の固定観念を見事なまでにぶち壊してくれました。チャンバラではなく睨み合い・取っ組み合いのケンカ、とか、刀ではなくピストル、とか、刀ではなく包丁、とか、無敵ではなくボコられる、とか─。
とくに、佐籐勝の音楽と三船敏郎の殺陣が素晴らしすぎて、最初と最後と殺陣のシーンは何度も見たいし、そうなると全部見なければとなるのですが、内容ストーリーも文句なく面白いので都度見入ってしまいます。西部劇やハリウッドが用いてしまうのも頷けます。ただ、どんなにリメイクされたとしても、あの殺陣と音楽がなければ・・・なんて思ってしまうのですが、それはまぁ個人的な思いなので─。
ちなみに、続く「椿三十郎」は、確かに加山雄三とかラストの一撃必殺とか見どころ満載ながらも、少し上品な時代劇になっていて、この作品とは、内容は似通っていても、まるで別ものだという印象です。
三船敏郎の後ろ姿
三船敏郎の後ろ姿から始まり、後ろ姿で終わる。面白いのは、始まりと終わりの間に変化がないということです。通常、主人公の心には何らかの変化が起こります。それは成長であったり、形は様々です。しかし本作では、仕事が片付くと何事もなかったかのように颯爽と消えていきます。ここが最高に格好良いのです!つまり、彼はただ頼まれたことをしただけなのです。
この単純すぎるストーリーが何故こんなにも魅力的なのか。それは全ての登場人物が個性豊かであることです。本作をもとに『荒野の用心棒』が製作されましたが、この要素は自然と引き継がれています。
雨や風を巧みに使った演出がまた素晴らしく、所々挟まれるユーモアが作品のメリハリをつけているので、バランスがしっかりと保たれています。そして何と言っても、三船敏郎のクールな演技ですね。厳しく、時に優しく。誰もが憧れるヒーロー像を見事に確立した彼は、やはり名優であり黒澤監督が気に入ったわけです。
『用心棒』
桑畑三十郎、もうすぐ四十郎のフレーズは毎回たまらん。続編「椿三十郎」より俺は好き。
芸者たちの三味線と太鼓がロックでビックリした。
粋なセリフ回しにテンポの良さが引き立つ。
主人公の強さと弱さ、ただ強いだけじゃないとこが黒澤映画の格好良さだ。
なんの意味もないストーリー。
だけど、見ちゃうよなぁ。
やっぱり、強いのは誰だ?って知りたい。
自分の中の野次馬根性に気づかされた映画。
実は、最初の辺りのお店の中のシーンが1番好きかも。
やはり独特で引き込まれる。
ゆはり黒澤映画は独特で引き込まれる。
だが7人の侍の後で観たせいかちょっと内容に不満。侍の割りには途中夫婦を助けたとたんボコボコになり最後はなんだかなと言うような終り方でした。飯屋のおっさんと音楽がとても良かったかな。
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