許されざる者(1992)のレビュー・感想・評価
全83件中、61~80件目を表示
あえて言おう、「名作」であると
久しぶりに視聴。何度見ても心に響く作品です。
しかし、意外と皆さんの評価が低く驚き。どのあたりが「ダメ」なのだろう……。キャラクターは良し、物語の運びも無理はないし余分な贅肉もない、「わかって」撮られている画だったり演出だったり。そしてテーマ性。ぼくなんかはみる度にグっときて、思考が広がります。
この場の雰囲気を知ったうえであえて言おう、名作であると。
名作という印象はない映画
今やるとしたら、パロディにしかなり得ない西部劇、芯を食って評価された最後の映画になるんでしょうか。オマージュに走るか、「ジャンゴ」みたいに違う方に飛んでいくか。
日本でいう「用心棒」みたいなつくりの時代劇もそうかもしれません。
意外と効いているのがあの小説家。重要なシーンで場を繋ぎ、背景説明の役割も果たしているという。
でもなぜか特別、名作という印象はない映画です。
pride and forgiveness
プライドを傷付けられ娼婦の顔を斬りつける男。
娼婦のプライドを傷付けられたと、誇張した被害で男の殺害に賞金をかける娼婦仲間。
殺した人数ほどガンマンの誇りと威張る若者。
嘘と紙一重の武勇伝を書き残そうとする者。
銃を規制し、暴力で威圧的に町を支配し、権力の維持に努める保安官。
Bill MunnyとNedだけは、殺した数にも武勇伝にも、虚しさだけで、何の意義も見出せないことを知っているようでした。
人を傷付けたり、命を奪ったりしてまで守るプライドはあるのか、生活のためとは言え、こじつけの正義を掲げて、賞金稼ぎに人を殺していいのか。
つまらないプライドを守るのではなく、許しあっていれば悲劇は広がらないのです。劇中、許す機会を与えられながら、誰一人相手を許そうとしないので、自らも許されないのです。
クリント・イーストウッド監督作繋がり、という事で、アメリカン・スナ...
イースドウッドテーマが盛り込まれまくっている&殺人マシーンに変貌するマニーの前半のへっぽこで萌える
かつて賞金稼ぎというか悪党だったクリント・イーストウッド演じるマニーが子供のために賞金稼ぎに行くのだが、それが原因で復讐劇に巻き込まれる西部劇。
マニーが賞金稼ぎに向かう先の保安官が統治する街は銃の規制が徹底されており、復讐や賞金稼ぎができないような管理社会。
(これってアメリカへの皮肉?)
そんな社会の中で真に裁かれるべきものが裁かれることがなく、結果悪が跋扈してしまっている。
そんな悪に怒りの鉄槌をかますのがマニー…って単純な話でもないと思われる。
単純な西部劇フォーマットかもしれないが『暴力は連鎖しか生まない』『人を殺すことでPTSD』『経験者(年長者)からルーキーへの継承』『それぞれの正義とそれぞれの生活』というイーストウッド作品のテーマがしっかり入った作品なんじゃなかろうか。
(かなり俺視点かもしれないが)
それにしても銃をぶっ放すイーストウッドの恍惚とした表情はぬぐえ泣き潜在意識が出てますな〜
あと主人公マニーのへっぽこシーンは『今は普通のじいちゃん』演出なんだろうけど、普通のじいちゃんにしてもへっぽこすぎてギャグとしか思えなかった。
主人公以外にも大工仕事が苦手なのに大好きな保安官や、アホで臆病な若手ガンマン、街に来たから売春婦を買えるぜ!とウキウキするモーガンフリーマンなどいい感じに緊張が解けるシーンがあるのはいい感じ!
男クリント・イーストウッド
いずれもう一回
イーストウッド監督は、すごい
それぞれの正義
それぞれの思惑
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:70点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
男を笑った娼婦、娼婦を傷物にした男、男を殺すべく賞金を懸けた他の娼婦たち、町を自分の強引なやり方で支配し治安を守る保安官、賞金につられた若者と、生活が苦しくて娼婦を助けるという大義名分をもって殺しをする主人公たち。
それぞれがそれぞれの理由と正義を持っていて、みんなが間違いを犯している。
町の悪人をよそから来た主人公が壮絶な戦いで倒すだけのかつての西部劇が、複雑な事情が絡み合った、誰も絶対悪ではなく絶対正義でもない物語に変わった。単純な話がそんな単純ではないのだと、事情を教えてくれる深みのある西部劇になっている。
本当の正義とは何なのか
美しくそして丁寧に
殺しと贖罪、そして西部劇
全83件中、61~80件目を表示