ゆりかごを揺らす手のレビュー・感想・評価
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人間の愛情と憎しみにフォーカスしたサスペンスでした
かなり面白かったです。 人間の愛情と憎しみにフォーカスしたサスペンスでした。 派手なアクションや豪華な CG は何も有りませんが、 物語自体が非常に ちみつに こうせいされているため、 没頭できました。 登場人物に (悪役も含めて) 感情移入できた部分が良かったです。 ただし、 映画.com では 3.3/5 と低評価のため、 ひとを選ぶ映画のようです。
欠点として、 最後の [犯人の しょうたいが露見したあと、 登場人物が総出演して、 誰も相手を殺すほど攻撃的でないけど、 適度に攻撃する、 まとまりのない戦い] は邪魔でした。 全部カットするべき内容でした。 どうしても最後に 一波乱を盛り込みたいのなら、 もっと明確な殺意をもたせるべきでした。
数年前の医師の暴行事件を思い出してしまった…
1992年の作品だが…いつまで経ってもこういうクズはいるんだな。性犯罪は訴えられることの方が少ないから、そりゃ無くならないよな。
最近は何故か被害者のフリして金ふんだくる女ばかり話題にするけど、性犯罪者の方は相変わらずほとんど話題にしない。もっと厳しくしてほしいもんだ。
割と多いのが「やられる方が悪い」「訴えないのが悪い」という謎の言い分だけど、本作では被害者が訴えるかどうか悩むシーンもあります。
現実には訴える人より、本作のようにまず「自分の勘違いだったら」「そこまで大事にして良いのか」と二の足を踏む被害者の方が遥かに多いそう。
自分だって、明らかに嫌がらせや暴行されたと思っても、訴えるとなったら「そこまで大騒ぎするのもな」とか「相手の立場が」とか、上司や親戚等で周囲に信頼されてる相手だったら「こっちが嘘吐き呼ばわりされるのでは」とか、色々考えてしまうと思う。運良く有罪にできても出所後の逆恨みも怖い。
「被害者が悪い」と言う人は不当な目に遭ったことが一度もないのか、不当な目に遭うたび自分の意見を主張してそれが必ず通って、周りの理解を得てきたのか、どっちなんだろ?どちらにせよそこまで人生イージーモードの人いるんだなぁという感じですが。
あらすじ:
2人目の子供ができ、夫マイケルに乳母を雇ってはどうかと提案されたクレアは、乳母募集の旨を聞いて訪ねてきたペイトンを住み込みで雇い入れる。が、それはクレアに性的暴行をして訴えられ、訴訟を怖れて自殺した医者の妻ペイトンだった。夫が訴えられたうえ自殺したことで財産を差し押さえられ、ショックで流産したペイトンは、ニュースでクレアの存在を知り、復讐のためクレアの家庭を侵食していく。
いやー、勿論ペイトンもクズなんだけど、大元のクズは医者。患者に性的暴行を繰り返したうえ、訴えられたらビビって身重の妻を置いて自殺。謝罪の遺書すらナシ。何じゃコイツ。
ペイトンが「夫だけが私を理解し愛してくれた」と寝言ほざくシーンがあるんですが、どう考えても愛してないし理解もしてないよね。家族を本当に愛してたら、まず自分の立場利用して患者に暴行なんかしないんすよ。自分の欲望に忠実すぎるんすよ。どの辺に愛感じたの?
ペイトンは天涯孤独らしいから、せめて夫だけでも心から愛してくれてると思い込みたかっただけ?可哀想とは思うけど、だから何?としか…(冷酷)
不幸だからって他人の幸せを壊して良い理由にはなりません。
一家にあんだけ親切にしてもらっといて、よくそんな酷いことできるなーとただただ驚き。冤罪でもないのに「夫は殺された」とか被害者ぶってるのも驚き。流産も言ってしまえば夫のせいだよね。クレア悪くないよね。これでクレアが悪いことになるなら、極悪人でも家族さえいれば何しても許してもらえるってことですし。
……へー、家族って便利だなあ!!!
タイトルに書いた医師の暴行事件ですが、何故思い出したかというと、その事件を解説したブログのコメント欄で、医師を庇ってかなり強烈な嫌味と悪口を書き散らかしてた人が、ペイトンと被ったから。
「報道内容が事実なら、こういう理由で医師側が不利」という内容に対し、「女同士で庇い合ってるのか女を庇う気持ち悪い男なのか知らないけど、冤罪だったらどう責任取るんだ!」とかなりいきり立ったコメントしてたので、身内なのかな。
そして印象的だったのが、このニュースのコメント欄の意見が、一度目と二度目で真逆だったこと。
初めてこの事件の記事を見た時は、ほぼ全てのコメントが「記事が事実なら医師のこの発言とこの行動がおかしいし、病院のこの対応もおかしい、だから医師側有罪はほぼ確定だろう」という、根拠も示した冷静な内容でした。
次に載った記事は、被害者が「妄想で騒ぎ立てて医師の人生を台無しにした」と責められ嫌がらせを受けている、という内容。こちらは先の記事にあった被害者側の話を更に掘り下げており、こちらの方が明らかに「事実ならほぼ確実に医師が有罪」となるべき内容でしたが、コメント欄は前回から一転「女が嘘をついてる!」「医師を嵌めようとしてる!」というコメントだらけで、「医師が有罪だと思う」はかなり少数派に。
こちらは根拠をあげることなく「また女が嘘ついて金を巻き上げようとしてる」「どうせせん妄なのに女は性犯罪になると途端に大騒ぎする」等、ただの悪口ばかりで強い違和感を覚え、まさか身内や医師団体でコメント欄ジャックしたりしてんのか?と怪しんでしまったのでした。
大企業などは専門の弁護士がついており、一般人の訴えは大概揉み消されると過去に言われたこともあり、更に疑惑に拍車をかけ…いや、流石に考えすぎかな。
でも恐らく、こういう思い込みの強い人、身内が悪くても何が何でも庇おうという人は世の中に一定数いて、中でも金やコネがあるそういう人間に何かの拍子で関わってしまうと、それが客観的に見て逆恨みだろうと何だろうと、クレアのように執拗に纏わり付かれるんではないかな。
その事件でも、苦労して裁判に勝てても、今後通う病院が加害者のお仲間の場合もあるのでは?と思ってしまった。
ちなみに医師団体を味方につけ、「これでは今後女の患者は診察できない」と世間に対し脅迫まがいの発言したりと清々しいまでの開き直りだった医師が結局有罪。恥を知らない奴ってすげーな。
被害者にとって逆恨み、周囲の無関心や面白半分や歪んだ正義感による嫌がらせ、セカンドレイプ等、事件後も恐ろしいことは山積みで、極めて告発しづらい。それをわかってるから加害者もつけ上がる。負のスパイラルです。
そういう意味では、本作は被害者にとっての根本的な解決策を示してはおらず、「被害を告発するとこうなるかも」と世の被害者達にとって失望しかない内容ではありました。
また、1992年の映画にしてはほぼ差別的な描写はなく、作中でハッキリ口にしないのに、見る側に「あ、これ差別では…」と気付かせるような表現になっています。まず不快な発言がほぼない。これが1992年?結構、先進的と言って良いのでは。
クレアの幼馴染でバリバリ働くマーリーンの台詞「女は大変よ。何千万稼いで夫のセックスの相手して、料理まで作らなきゃいけないんだから」(で、この後夫に「料理は下手だけどな」とバラされ皆で爆笑)。
いや、この時代何千万ドル稼いでる女性の設定も凄いけど、1992年時点で映画にこの台詞をドーン!と入れるのも凄い。
1990年代の映画なんてほとんどが専業主婦、良くて低収入のパート程度で、家事育児に追われてて…という設定ばかり。で、社会的に「専業主婦は楽してる」イメージなので、当然「女は大変よ」なんて台詞は入れられないし、入れようとも思いつかなかったでしょう。むしろ「夫のセックスの相手や家事育児をやらない妻は存在価値がない・夫に見捨てられる⇒生きていけない」というような、ネガティブな意味で「女は大変(ていうかただの弱者)」を表現する作品が多かった気がします。
が、このマーリーン、めちゃくちゃ有能。
思い返すと、本作で活躍するのは社会的弱者と呼ばれるような人々なんですよね。
ペイトンの正体の決定的証拠を掴むのがマーリーン、ペイトンから助けてくれるのが黒人の障害者ソロモン、そしてペイトンをぶっ飛ばすのが主人公のクレア。
こういう命を狙われラストで攻防するような映画って、大抵夫や彼氏が「弱者を守るカッコイイ俺!」と言わんばかりに割って入ってきて、個人的には「いや毎度毎度タイミング良すぎだろ」と白けてしまうんですが、本作は夫マイケルが途中リタイア。ソロモンも暴力は振るいません。あくまで主人公クレアと悪役ペイトンの戦い。かといって面白おかしく過剰に「女同士の争い」をアピールしてはおらず、終始「家庭を乗っ取られそうになった主人公がそれを取り戻す」という設定に一貫しています。
単純に主人公の強さや成長を見せてほしいといつも思うけど、女主人公だと特に昔はなかなか無くて…
途中退場といっても、クレアに花を持たせるためにあからさまに腰抜け設定にされてるわけでもなく、妻のことをよく気遣い、冷静で、そこそこ勇気もある、良い意味でフツーっぽい夫。できることを精一杯やっての退場なので、わざとらしくなく格好良いし、キャラを無駄に持ち上げも下げもしないリアルな展開で好印象でした。
次に、上にも書きましたが黒人の障害者ソロモン。若干知的障害があるかと思わせる表現はあるものの、台詞でハッキリ示されるわけではないため、初対面の時ペイトンが嫌な顔をしたのが何に対してなのかも、ハッキリとはわかりません。が、ペイトンの設定が金髪碧眼の白人・美人でちやほやされる・金持ちなので、恐らくソロモンが黒人・挙動不審で人に距離を置かれる、稼ぎが良くない(汚れた格好)とわざと対にしているのかなと。
でも、そんなペイトンですらあからさまな差別発言はしません。まあ「アンタみたいな馬鹿と違って私は信頼されてる」とは言いますが。いやソロモン信頼されてるし~~~~!!!ソロモンの信頼が崩れるならお前の信頼なんて崩れるの一瞬だし~~~!!!!(遠吠え)
この差別とも何とも言えない、いや絶対に差別的な意図はあるんだけど、本人は認めないからハッキリとはわからない…というモヤモヤした感じ、凄くリアルだなと思いました。言われた本人しか感じ取れない、人に話しても「感じ悪いだけで差別かどうかはわからない」とか言われて終わるような、計算ずくの微妙な言い方だったり、自分が信頼築いてるのを逆手に取って人を孤立させようと画策したり。いや〜流石クズ!
映画ではよく面と向かって悪意全開で差別発言するシーンがありますが、正直(日本では特に)現実味がないというか…
日本人の身としては、やっぱり陰でコソコソ言うとか、2人になった時だけ嫌がらせするとか、それ系クズの方が現実味があるんですよね。それはそれで嫌だけど。
本作の悪口や陰口は、そういう意味で凄くリアルで良かったです。
ペイトンはソロモンと2人きりの時だけソロモンを見下した発言をし、ソロモンはそんなペイトンを怪しみ監視しつつ、何も言えず。
マーリーンがペイトンの前で「何よ、あの嫌らしい飾りは」と言ってしまい、クレアが「ペイトンがくれた」と返すと慌てて「素敵ね」と言い直したり。細かい会話にもちゃんと人間味があります。
ソロモンは実際凄く良い奴で、序盤こそ空気読めないソロモンに夫妻は苦笑いするけど、子供のエマも懐いてるし、ちょっと変なとこもあるけど良い人じゃないか?と徐々に信頼していきます。ソロモンもそれを感じたのか、ペイトンがクレアの家庭で徐々に信用されていくのに対し、ソロモンはペイトンを最初から二面性のある人間と知っているため、こっそり監視。
そして、ペイトンの本性を遂に見てしまった時、「このうちの人は、僕の友達なんだ…悪さはさせない。絶対」と言い放ちます。いや、このシーン良いね。まじで。プレゼント貰う前だから、余計に良い。
あと、娘のエマが可愛いんだよなー。典型的な良い子。
「何でそんなアポなしで来た気持ち悪い知らん奴に子供任せられんの!?」と疑問でしたが、基本的にクレアの周りが皆良い人なんで、途中から「クレアも夫も優しい人に囲まれて育ったんかな」と何か納得してしまいました。で、ペイトンは天涯孤独なんですよね。この辺、いちいち対照的にしてある様子。
ペイトンは他人の幸せがとにかく妬ましく感じてしまうような人生だったんだなーと見る側にも思わせる設定になってます。
ちなみに『ゆりかごを揺らす手』という題は、「ゆりかごを揺らす手は世界を支配する」という英語の諺からきているそう。子供の世話をする人間はその子供に多大な影響を及ぼし、その子供がやがて大きくなり社会に影響を及ぼすという意味らしいのですが、これをタイトルにしたのはセンス良いなと。
評価もっと高くても良いと思うんだけどなぁ。個人的にはかなり好き。映画的大げさ表現を控え、極力リアルな雰囲気にしてあるのが凄く良かった。
方向性は違うが『マッチポイント』好きな方にはお勧めかも。
ソロモンに萌えた。そして、シンプルに怖かった。
親に勧められて、昨日、久々の午後ロー(テレ東)で観ました。
いやー、怖かった。レベッカ・デモーネイ。ちょっとニコール・キッドマンに似てるよね。
怖いんだけど、すごい優しそうな人にも見える(それってつまり、上手いってことか(笑))
吹替の戸田恵子もナイス。戸田さんが大人の女性を吹替ると、すごいセクシーだよね。アンパンマンなのに、、(笑)
「シッター」でもなく「子守」と呼ばれ、社会的地位の低い感じがひしひしと伝わってくるのは、時代ですね。しかもこれ、同居なんだよね。子守というより、「女中」に近い雰囲気。
脚本がとにかく良いなと思いました。 とくに、サプライズパーティの企画でコソコソする旦那とクレアの間にミゾができていく辺り。 クレアはその前に旦那の仕事を手伝って駄目にしたという負い目があるし、美人のシッターは自分よりしっかり者だし、チューすれば(旦那は)煙草の匂いがするし何かコソコソしてるし、、っていう。 人が疑心暗鬼に陥り、他人との間に少しずつ亀裂を生じさせていく過程が過不足なく描かれてますね。
演出もグッド。 若かりしジュリアン・ムーア(!)in温室の場面は、クッソ怖かったです(笑) タイトルど忘れして思い出せないんですが、私がイケた数少ないホラーの一つ、子供が悪魔で頭に666の数字がある、あの映画を思い出しました(笑)
お手伝いのソロモンが可愛い&可哀想すぎてソロモーン!!と(心中)叫んで泣きましたが、結果オーライってことでよかったです。
ま、でも、、あれですね。結局、わいせつ行為はたらく奴が悪いんですよ(って言っちゃうと身も蓋もないけど(笑))
何度か観てるけど、やっぱり良い。 サスペンスのありふれた手法かもし...
何度か観てるけど、やっぱり良い。
サスペンスのありふれた手法かもしれないけど、この手の作品の中では何度も見たくなる作品のうちの一つ。
周到に立ち回ってターゲットをだんだん孤立させていく過程が、本当に背筋が凍る怖さ。
ゆりかごを揺らす手
これは1992年。危険な情事は1988、ルームメイトは1992か。
こういうの、もう流行らんのかな。
で、本作は寧ろ加害側の視点で撮られた異色作。
堂々と悪女を演るRデモーネイ、良いんだがその後伸びず。5
年毎に再見したくなるサスペンスのお手本。
哀しいサスペンスだけど面白いから○
初めて観たのは自分の子供が幼稚園に通っている頃でした。
2人の子供を育てる主人公のアットホームな感じの家や、セクハラ医師のゴージャスな屋敷の設えはとても魅力的で、当時は自宅のウォール・ペーパーなどの参考にしたくらいです。
主人公よりもブロンドのレベッカ・デモーネイがセクシーで魅力的だったけど、作品を改めて見ると何て気の毒な女性なのだろうと・・・医師である夫が自殺した後の、流産するシーンには辛いだろうなと胸が詰まりました。
映画は、見る年齢やタイミングによって受ける印象が違ってくるものなんですね。
医者からセクハラをされて訴えたことから、親友を失うまでの事件が起こってしまうのなら、あのまま黙っていた方が良かったのだろうか?と考えこんでしまいました。
でも、知的障害のある使用人の男性の咄嗟のアクションで家族が救われて、何よりのエンディングだったと思います。
おうち-154
相変わらずアメリカの一軒家は建付けが緩い。
なんか最近暑いですね。
ひんやりしたいですね。
仰天やアンビリ系大好きなので、こういう逆恨みサスペンスは好き(趣味悪くてすみません)。
同情できなくもないけど、一番悪いのは自分が犯した悪事に耐えきれず、身重の妻を残して旅立った夫だろうな。
そして、残された妻は子供が出来ない体になり、素性を隠してベビーシッターとして潜入。
かなりな恨みなのですが、見ていてどこか物足りないというか。
もっとじりじり追い詰めたり、奇人っぷりを発揮してほしかった。意外とあっさり。
例えば、マーリーンの夫が、温室事案のあと何も描かれてないこと。
そこでお前らの管理が悪いからだとか、いちゃもんつけてきて余計精神崩壊〜みたいな描写があったらよかったかも。
主演のお二人よりおそらく有名な、ジュリアン・ムーアが脇役で出てます。
ジュリアンの逆恨みベビーシッターでも見てみたかったなぁと。ヒ○リーさん似のデモーネイさんもいいんですが、ジュリアンの狂った女役ってはまりまくるから。
娘ちゃん役(マデリーン・ジーマ)がかわいすぎでした。今何してるんだろう。
一番びっくりしたのは、27年前に黒電話があることでした。
全てを奪われた女(?)
ただの、逆恨みやん(・・;)
最初に原因となる事件を全部見せちゃったから、ストーリーもなんとなくわかってしまった…
まぁ、こんな逆恨みの事件とかは、その辺にゴロゴロありそうやなぁ~
怖い怖い…
ってゆーか、25年前なのに、ジュリアン・ムーアは老けとるな( ゜o゜)
女の復讐劇
医者である夫をセクハラの容疑で疑われ、自殺に追い込んだ夫婦に復讐する女の話。
見事な復讐劇だった。念入りな計画。またその計画もほぼくるわず、ほぼ完璧に歯車が動いていくから、主役である夫婦をどんどん追い込んでいく。
とても面白かった。
The Hand That Rocks the Cradle
モット夫人怖すぎる((((;゚Д゚))))))) 復讐っていうのはもっと激しいものだと思ってたけど、こんなに善良なナニーの顔をして家族に取り入り、決して熱くならず、むしろひどく冷静に内側から家庭を壊していく様は策士と呼ばざるをえないと思った。古い映画なのに飽きさせない展開でよかった…けどJulianne Moore演じるマーリーンの最期のシーンが「えっ!?そんなもんで人って死ぬ!?」ってなったかなぁ(´・_・`) まぁあの時はペイトンも取り乱してたし彼女の計画にないことが起こったから仕方ないのかも。
狂気に走る女は怖い
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
一見幸せそうな成功した家庭の生活から物語は始まる。とても平和で幸せそうなその姿からはその後の展開が想像しがたいが、しかしこの姿があるからその後の生活での対比が生きるというものだ。一瞬にして夫と子供と財産を失い、しかもそれが不幸な子供時代からようやく手にした幸せだったのだから、レベッカ・デモーネイ演じるペートンが狂気に走るのもわかる。
こんなときには女は相手の女を恨むものらしいが、それはもう理屈ではないのだろう。いい人を演じて感情を殺して冷静に計画を進め、子供に自分の乳を与え家庭を乗っ取れるなどと思うその異常さが怖い。そして感情をむき出しにして相手に敵意をむき出しにする姿は、もう人の顔をした怪物になっていてこれもまた怖い。
わざわざ地球外生物など登場しなくても、逆恨みに突っ走る女が登場するだけで怖いということを思い知る作品でした。彼女を観ていると、恨みから鬼の顔になった女の顔の能面を思い出す。
ガラスは危険だけど、天井からくだけ落ちたくらいでは急所にささらないかぎりは大怪我をしても必ずしも死ぬものではないし、計画が甘いと思うがどうだろうか。それとクレアが夫のことを本当に自分を理解してくれたと言っているが、そのような過去のことをもう少し描いてくれればより彼女の狂気を理解できた。「危険な情事」と似ているが、一方は完全に悪者でもう一方は完全に善という色分けがはっきりしすぎている。ジュリアン・ムーアが脇役で出ているが、今作では普通すぎて目立っていない。
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