遊星からの物体Xのレビュー・感想・評価
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芸術的なおぞましさ
この作品でSFXを担当したロブ・ボッティンは、当時若干22歳。 この若さで多くのスタッフを指揮し、全世界の映画ファンの度肝を抜いたのだから、恐れ入谷の鬼子母神とでも言うしかない。 仕事の出来には、年齢など関係ないのだ。
これを見る限り、もはや食傷気味のVFXよりも、SFXの方が断然見栄えがいいと言いたくなる。 実際、リアルなCG映像が見飽きし易いのに対し、立体的なSFXは、何度観ても目を見張ってしまう。 写真にはない絵画の魅力と言ったらいいだろうか。 この映画の化け物には、「芸術的なおぞましさ」が息づいている。
これがジョン・カーペンターの代表作と言われるのは、もちろんSFXの凄さだけではない。 恐怖を演出したときのセンスは、やはり頭抜けている。 オープニングで、強い照明に照らされてThe Thingの文字がベリベリと剥がされるように現れるところから、得も言われぬゾクゾク感が伝わってくるのだ。 一番油が乗っていた80年代に、一番気合を入れて作った作品ではないだろうか。
この映画を観たことがない人は、才能に溢れた芸術家の想像力が生み出したこの世界を、是非とも味わって欲しい。 面白さは保証します。
エイリアンを超えるエイリアンは出現するのか。
シガニー・ウィーバーのエイリアンには、何を持ってきても歯が立たないでしょう。
むしろ、1951年版の”遊星からの物体X”が観てみたい。
エイリアンと比べざるを得ない。
再見。
エイリアンと比べざるを得ず、大いに劣る。
ただ気持ち悪い物体の造形の魅力不足、キャラの深みの無さ、群像の無駄、何処か間の抜けた空間の凡庸ゆえ。
名作とは言い難い。
もう見ないかな。
リスペクト精神を持って
今作が初めて劇場公開されたのが1982年のこと。
もうこれから観る人たちに与えられた見方は一つ。「これが1982年に作られた映画なの⁉︎」である。
特撮による「物体」はCGよりも生々しさがあり、グロデスクではあるが目を見開いて細部までしっかりと見てほしい。
こういった作品は撮影背景を知った上で観ると面白さがかなり飛躍する。
完成したモノだけでなく、それまでのキセキを追ってみてはどうだろうか。
評価されるべきはホラー表現よりも心理描写
ホラーSFの名作として名高いが、この映画の真骨頂はホラー表現よりもむしろ人が人を疑うことを描いた心理描写ではないかと思う。見えない敵に侵された(かもしれない)同僚とどう向き合うか、リーダーはどうあるべきか、被害を最小限に止めるには何をすべきか、コロナ禍真っ只中の現在(2020年7月)と状況が酷似している。ノルウェー隊との歯がゆい接触や南極基地という閉ざされた世界という設定も絶妙。当時にしては非常に作り込まれた特殊造形も見せるのはほんの一瞬というところがジョンカーペンターの矜持という感じ。
疑いという恐怖、腹の底に潜む本音
未知の恐怖と対峙する時、皆で力を合わせて挑むということは綺麗事なのかもしれない。ましてその戦う相手が未知の物体が誰かに寄生・擬態するとなれば、誰に対しても疑心暗鬼にならざるを得ない。
公開は1982年と35年以上も経つというのに、クリーチャーは当時の観客の度肝を抜いたに違いないと思えるほどのグロテスクさ。しかし、それをこれ見よがしのモンスターホラーにはせず(しかし、見せるべきところでは惜しみなく見せている)、恐怖下に置かれた人間たちの群像・心理劇に仕上げたところこそが、この作品が長く語り継がれている所以であろう。
仲間の一人が未知の物体が擬態したものと分かるなり火炎放射器で焼き払う者。それをした相手を仲間殺しだと責める者。皆が皆を責め合い、疑い合い、罵り合い、果てには主人公の言動にさえ、我々観客も疑いの目を向けて見始める。従来のモンスターホラーのように、一人、また一人と姿を消していく恐怖とは異なった人間模様の描き方は、その後多くのホラー映画に影響を与えたことは間違いない。
「怖いものは見えないからこそ、怖い」というのはホラー映画の鉄則である。人に擬態した未知なる物体の姿が見えないのと同様に、人間の心理も見えるものではない。そう考えると、この物体の正体というのは誰もの腹の底にある黒い本音のメタファーなのかとさえ思えてくる。そのことを見事に描いているが故に、様々な憶測を呼んだラストシーンも鑑賞後の余韻をもたらせるのだろう。冒頭から流れる不気味なテーマ曲も含めて、“疑い”と“本音”という誰もの腹の底に潜む“物体X”の恐怖を楽しむべき一作である。
久しぶりに鑑賞
はじめて観た時は、大学生やったなあ。
エイリアンとはまた違う恐怖だ!
遊星よりの物体Xのリメイク
ジョンカーペンターが上手く作っている。
音楽は、エンニオモリコーネなんやね。
カーペンターぽいサウンドだ!
カートラッセルも若い!
面白い映画は色褪せない
久しぶりに見たけど良かった。
セリフや音楽は極小に状況だけが展開していく演出に引き込まれる。造形のデザインは素晴らしい。昨今の映画がいかにCGに頼りきって小手先の技術だけを見せるものになっているのがわかる。
ちなみに「プレデター」はオープニングをまんまパクったんだな。オマージュだろうけど(笑)。
SFXの頂点!
CG登場以降、VFXと呼ばれるようになったが、それ以前は"SFX"(スペシャル・エフェクト)と呼ばれていた。
芸術家と呼びたいくらいの技を持つ職人が、ワンシーンの為に数ヶ月かけてコツコツ手作りして撮影に挑む。
なので、「このシーンはあの人の仕事」…なんて話題が良く上がったモノです。(ちなみに、本作はロブ・ボッティンの仕事!)
そんなSFX映画の頂点ではないでしょうかね。
個人的な感情交えた満点です!
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