遊星からの物体Xのレビュー・感想・評価
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芸術的なおぞましさ
この作品でSFXを担当したロブ・ボッティンは、当時若干22歳。 この若さで多くのスタッフを指揮し、全世界の映画ファンの度肝を抜いたのだから、恐れ入谷の鬼子母神とでも言うしかない。 仕事の出来には、年齢など関係ないのだ。
これを見る限り、もはや食傷気味のVFXよりも、SFXの方が断然見栄えがいいと言いたくなる。 実際、リアルなCG映像が見飽きし易いのに対し、立体的なSFXは、何度観ても目を見張ってしまう。 写真にはない絵画の魅力と言ったらいいだろうか。 この映画の化け物には、「芸術的なおぞましさ」が息づいている。
これがジョン・カーペンターの代表作と言われるのは、もちろんSFXの凄さだけではない。 恐怖を演出したときのセンスは、やはり頭抜けている。 オープニングで、強い照明に照らされてThe Thingの文字がベリベリと剥がされるように現れるところから、得も言われぬゾクゾク感が伝わってくるのだ。 一番油が乗っていた80年代に、一番気合を入れて作った作品ではないだろうか。
この映画を観たことがない人は、才能に溢れた芸術家の想像力が生み出したこの世界を、是非とも味わって欲しい。 面白さは保証します。
今のCG映画よりはるかに生々しい驚きがある傑作
エイリアンの一作目が今見ると着ぐるみ全開(実際に着ぐるみでの演技だったけど)なのに対して、こちらは今見てもリアルな恐ろしさがある。
ややグロテスクな描写があるので人を選ぶ作品かも知れないが、単なるパニックホラーでは終わらず、誰が敵か味方か分からない疑心暗鬼でスリリングな展開は古さを感じさせない。
ラストの黒人の吐く息が全く白く無い=既に化け物になってしまっている、という偶然の演出らしいが恐ろしい含みを残しての幕引きも素晴らしい。
続編のファーストコンタクトも悪い映画じゃないけど、CGを使えたのにこちらを超えられなかったのは本作の完成度の高さ故でしょう。カートラッセルってこんなにカッコ良かったのかとビックリする映画でした。
おぞましい
最初に見た時は、エイリアンのおぞましさにびっくりしたのを覚えている。
こんな発想がどこから来たのか、強烈だった。
人の体から普通では考えられない変貌を見せてくれていて、この映画が1980年代に出ていることにも驚いた。
エイリアンが入り込んでくる冒頭も自然でいい。犬になっているエイリアンが保護されてしまい、そこから基地の侵食が始まっていく。
ヘリで必死に犬を追いかけていた隊員の様子にも後から納得の行く描写で気持ちいい。
擬態乗っ取りを解明する流れも面白い。解析した人はそりゃ全員信じられなくなるよね。
誰かがエイリアンのはずなんだけど、それが誰だか分からない。全く同じ見た目と違和感のない行動が出来るから。ひょっとしたら、乗っ取られた本人もわからないのかもしれない。
それくらい、出てくるモンスターの造形はしっかり描写されているんだけど、そいつが何を考えているのかとか正体に迫らせない。
重要なのは、地球に来た(墜落した?)物体Xが、生き物を食って成り代わる能力があるということ。
南極基地という閉鎖空間に閉じ込められた調査隊たちが、エイリアンに入れ替わった人間は誰なのか疑心暗鬼にかられていく展開は緊張感があっていい。
スワンプマンの前身なのかな。
終盤のでっかくなった物体Xは流石に特撮の怪獣感が強くて中盤のエイリアンの描写の気持ち悪さには及ばなかった。
ラストの燃えている基地と、生き残った二人を残して暗くなっていくのも後味がいい。
二人は凍死したのか、生き残ったのかも知れない。もしかしたらどちらかが乗っ取られているかもという取り方だってできる。
ほんと良い作品。
リスペクト精神を持って
評価されるべきはホラー表現よりも心理描写
疑いという恐怖、腹の底に潜む本音
未知の恐怖と対峙する時、皆で力を合わせて挑むということは綺麗事なのかもしれない。ましてその戦う相手が未知の物体が誰かに寄生・擬態するとなれば、誰に対しても疑心暗鬼にならざるを得ない。
公開は1982年と35年以上も経つというのに、クリーチャーは当時の観客の度肝を抜いたに違いないと思えるほどのグロテスクさ。しかし、それをこれ見よがしのモンスターホラーにはせず(しかし、見せるべきところでは惜しみなく見せている)、恐怖下に置かれた人間たちの群像・心理劇に仕上げたところこそが、この作品が長く語り継がれている所以であろう。
仲間の一人が未知の物体が擬態したものと分かるなり火炎放射器で焼き払う者。それをした相手を仲間殺しだと責める者。皆が皆を責め合い、疑い合い、罵り合い、果てには主人公の言動にさえ、我々観客も疑いの目を向けて見始める。従来のモンスターホラーのように、一人、また一人と姿を消していく恐怖とは異なった人間模様の描き方は、その後多くのホラー映画に影響を与えたことは間違いない。
「怖いものは見えないからこそ、怖い」というのはホラー映画の鉄則である。人に擬態した未知なる物体の姿が見えないのと同様に、人間の心理も見えるものではない。そう考えると、この物体の正体というのは誰もの腹の底にある黒い本音のメタファーなのかとさえ思えてくる。そのことを見事に描いているが故に、様々な憶測を呼んだラストシーンも鑑賞後の余韻をもたらせるのだろう。冒頭から流れる不気味なテーマ曲も含めて、“疑い”と“本音”という誰もの腹の底に潜む“物体X”の恐怖を楽しむべき一作である。
久しぶりに鑑賞
面白い映画は色褪せない
気持ち悪かった
・寄生した宇宙生物が何よりも気持ち悪かった。あんなにグロいとは。
・寄生方法が血液一滴ってもはや、防ぎようがないと思った。
・心臓マッサージしようとして腕を喰われるのが驚いた。
・宇宙生物は結局いなくなったのかがわからないラストが後味の悪さを残して良かった。
・表紙の頭が光るポスターと本編の関係がわからなかった。
・北極に宇宙船が埋まってて、解凍したら生きてたっていうのが面白かった。
・誰が寄生されているのか?が肝のせいか、寄生されるとき、どんな感じなのかが気になった。痛いのか、気持ちいいのか。
・北極なのに火炎放射器たくさんあるなぁって思った。
・あんな仕事があったんだなぁって思うとゆったりとした時代だなぁと羨ましくなった。
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