「誰が"それ"なのか」遊星からの物体X きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)
誰が"それ"なのか
タイトルに聞き覚えがあり鑑賞。1982年公開ですが古さを感じさせず、とても見応えがありました。
序盤のノルウェー基地で何か恐ろしいことがあったとわかるところからずっとおもしろい。テンポ良く様々な展開が起こるのでのめり込むように観られました。
南極という閉ざされた空間で疑心暗鬼になっていく様がとてもいい。基地の一員になった気持ちで誰が"それ"なのか考えながら楽しめました。
カートラッセル、一見今と全然違う見た目ですが理知的な目元は変わらないですね。
登場人物もみんな自然な個性があって良かったです。特にギャリーが好きでした。輸血パックの件で疑われて隊長の座を降りたり、血液検査で縛られてるのに隣のパーマーが"それ"だと判明したり、なにかと不憫な場面が目立って可哀想なのがいいですね笑
ビックリしたのは心臓マッサージのシーンと血液検査のシーン。特に血液検査はタイミングが絶妙なのよ。
"それ"の姿もCGは一切使われていないそう。とても生々しくリアルなのが凄い。
鑑賞後に『ゼイリブ』と同じ監督さんだと知って、他の作品も観てみたくなりました。ゼイリブもおもしろい作品だったのでよかったら観てみてください。
『ニューヨーク1997』とその続編『エスケープ・フロム・L.A.』の主人公がメタルギアのスネークのモデルだと知って俄然気になっています。
ラストシーンでも2人のどちらかが"それ"なのかとか、誰がいつから"それ"になっていたのか(特にブレア)とか、輸血パックやマクレディの服の件とか、最後まではっきりとはわからない部分があるのも魅力の一つだと思います。"それ"になった時、元の人の自我はどうなるのかとか、色々と考察もできる作品です。
PS2で2003年に『遊星からの物体X episodeII』というゲームが発売されていて、これが本作の3年後に基地の調査に行くストーリーだそう。ラストシーンの2人のその後もわかるみたい…?機会があればやってみたいです。