やさしい女のレビュー・感想・評価
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やや混乱気味の私
『ラルジャン』に対しては、複雑な思いで低評価にした覚えがあります。複雑というのは、自分の混乱を回収できずにいたという意味であります。そして今回の『やさしい女』は、やはり複雑な思いで高評価にしています。そして、こういった低評価と高評価を行き来する自分にただただ混乱するばかりであります。
あまり内容について書きたい気分にもならないのですが、しかし劇場を出た後、否応なくこの映画の世界を引きずっている自分がいて、この引力に素直に従ってみようと思った高評価なのです。
そしてこの世界に引きずられた私は、どこか自分が失っていた感覚を、その喪失感とともに味わっているのでありまして、その感覚こそは自分を自分たらしめていたもののように感じているのであります。
人と人とが軋み合ってしか一緒にいられないこの感覚こそが、何より自分が大切にしていたものだったことを思い出しました。
ドミニクサンダ
ブレッソン。パリのネオンを捉えたタイトルバック。街の交通、アパルトマンの扉、窓、金の天秤、質屋、解剖学、動物園、映画館、ハムレット、そしてドミニクサンダが着続けるカーキのロングコート。何だかラルジャンの厳格なフレーミングに対して緩い感じ。あんまりラルジャン覚えてないのだけれども
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