「ドミニク・サンダに捧げたブレッソン監督の孤高の映像世界」やさしい女 Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)
ドミニク・サンダに捧げたブレッソン監督の孤高の映像世界
「スリ」「白夜」と同じくドストエフスキー原作のブレッソン映画だが、主演のミステリアスで魅惑の美女ドミニク・サンダの存在感が圧倒的。回想による夫婦の過去がカットバックで描かれているのと、心理状態のナレーションが説明的ではないブレッソンの演出が、深遠なる映画文体の簡潔さと探求を併せ持つ。映像に吸い込まれるような感覚を得るブレッソンの孤高の世界。ラスト、サンダの顔を超アップで捉えたショットが巧い。
1986年 11月25日 宇都宮松竹ミヤマス座
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