「物語の結末・・・」もののけ姫 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
物語の結末・・・
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祟り神に呪われた青年と、狼に育てられた少女の出会いを描く物語。
宮崎駿監督、そしてジブリ作品の人気を決定づけた大作です。
公開時に鑑賞した時には、とんでもないクォリティの良作と感じましたが、金曜ロードショー上映時に鑑賞した際にはそれ程良作とは感じませんでした。迫力ある作画が特長映画なだけに、映画館とTV画面では、評価が大きく変わるのかもしれませんね。
評価を落とした理由は、善悪の描写が悪い意味で曖昧であること。
エボシ御前が典型。村人を、女たちを、そして業病の患者たちを愛でて守るエボシ。でも、シシ神を狩るために出陣すると、村の男達を平然と見捨てているようにも見えて、戸惑いを覚えてしまいます。「村を守るための苦悩の行動」そんな描写がしっかりとあれば良いのでしょうが、私にはそれが不足しているように感じました。
ジコ坊もそう。シシ神を狩るために天皇の命を受けた仕事人。ラスボス的役回りを担うはずですが、アシタカとの関係も、愛嬌のあるキャラも、ラスボス役には不適格に覚えます。シシ神の首を奪った後の立ち回りも、コメディテイストになってしまったようで残念に感じました。
クライマックスのシシ神のエピソードも消化不要。首を取るまでの攻防も呆気なさを感じましたし、結局、シシ神が倒されたままで終わったことにも不満を覚えました。人間が自然の領域を侵略する歴史の暗示、それに対する批判なのでしょうか?個人的には、宮崎監督の思想には肯定的なんですけど、物語の結末としては不満を覚えました。
私的評価は普通にしました。
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