めまい(1958)のレビュー・感想・評価
全34件中、1~20件目を表示
予想不可能のプロット
ヒッチの人気投票で常に1.2位を争う名作ですが、ヒッチ自身は気に入らないらしいです。
二重三重のプロットを十八番の圧倒的サスペンスで展開させます。ノヴァク先輩はヒッチ女優らしいと感じますが、ヒッチは気に入らなかったようですね。
キム・ノヴァクを観ていられる人向き
オープニングや追跡などダラダラ長いシーンが多く緊張感に欠けるが、そこをキム・ノヴァクを美しいとか妖艶とか思えれば視聴に耐えるのかも知れない。
自分はキム・ノヴァクのようなゴツくて男顔は全く美しいと思えないので、その魅力とやらでは楽しむことができなかった。
中盤でネタバレしてしまうのもあんまりだし、友人はいいのかよ、とか思ってしまうので好みでは無かった。
策に溺れてしまった映画かな。
良く出来た作品だと思う。けれど、観客の裏をかこうとして、ご都合主義になってしまった感想を持った。
それでも、高所恐怖症をアイデアに持って来るところなど、目の付け所が常人とは違って、流石だと思わせる。
ブロンド美女(キム・ノヴァク)に魅せられて・・・
この作品はヒッチコック監督の名作として揺るぎない評価を得ている作品。初見から30年以上経ちますが、いつ見てもドキドキさせられます。映画の内容を象徴したかのようなタイトルデザイン、「マトリックス」に影響を与えたといわれるオープニングのビルの屋上での追っかけ、"めまい"の視覚効果、ジェームズスチュアートがキムノヴァクを尾行するシーンのサンフランシスコのロケーション、バーナードハーマンの音楽などなど。映画史的に有名なシーンは数えればキリがないのですが、キモは男性の女性に対する妄想です。男性の女性に対する強迫観念、妄想を映像化し、それに殺人事件を絡め、ヒッチコック・タッチといわれる技法で彩った作品と言うべきでしょうか。有名な話なのですがヒッチコック監督はブロンド美女が大好きで、自作の女優起用にもその傾向が見てとれます。マデリーンキャロル、イングリッドバーグマン、グレースケリー、キムノヴァク、エヴァマリーセイント、ティッピヘドレンなどなど。今作のジェームズスチュアートを見ていると、あきらかにヒッチコック自身が投影されている事は明白で、特に自殺した友人の妻が忘れられず、新たに知り合った女性を髪型、メイク、服装に至るまで友人の妻そっくりに仕立てようとするシーンなどは、ヒッチコック監督が現場で女優さんにこんなふうに指示していたのではないだろうかと、想像させられます。要は男の妄想を映像化することで、こんな名作が出来るんだよと証明した名作なのです。
めまいとは 立ちくらみ 妄想 熱愛過剰症 幻覚 そんな人間の内面の困惑
めまいという現象を
エンターテイメントにサスペンスタッチで織りなす
ヒッチコックの映画作りのお手本のような傑作
ぜひ見直して見てください。
ラストは悲しい衝撃ですね
何年か前に、プレミアムシネマで観て、今回2度目の鑑賞。
まず、キムノバックの美しさに見惚れる。
そして、愛するが故の悲しさ。
お互いに深い傷や、トラウマを抱え、愛を成就できない悲しさを感じた。
スパッと終わるラストがいい、当時初見の観客はしばらく席を立てなかったことだろう。
【”二重螺旋階段構造作品”偏執狂的な人たち・・の哀しき定めを描いた作品。】
■捜査中に同僚を転落死で亡くした故に、高所恐怖症になってしまったのファーガスン(ジェームズ・スチュワート)は、”友人”エルスターに頼まれ、自殺傾向があるという彼の妻・マデリン(キム・ノヴァク)を尾行する。
ロサンゼルスの海に身を投げた彼女を救ったファーガスンは、冷たくも魅惑的なマデリンに心を奪われていく。ある日、ファーガスンは彼女と瓜ふたつの女ジュディ(キム・ノヴァク)を見かけ…。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・ファーガスンが、”友人”エルスターに吹き込まれた”マデリンには祖母カルロッタの霊が憑りついている・・”という言葉からの展開が秀逸である。
ー まるで、カルロッタの霊が憑りついたかのような、マデリンの行動。ここは、色々な解釈があると思うが、私には夫婦関係が上手く行っていない悩みと解釈。-
・そして、マデリンは”夢で見たという”スペイン風の建物の鐘楼から身を投げる。ファーガスンは後を追うが、高所恐怖症の為か、彼女の転落を止められない。
・失意の日々を送る中、ファーガスンは街中でマデリンソックリの女性、ジュディを見て”強引過ぎる手法”で、彼女の部屋に入り込み、夕食を共にすることまで決めてしまう。ストーカーのようだが、何故かジュディは了承する。
ー マア、ここら辺から分かって来るのだが・・。ジュディの髪の色を含めて偏執狂のようにマデリンに似させようとするファーガスンの姿。-
■そして、明かになる”友人”エルスターが仕掛けたファーガスンの高所恐怖症を利用した、巧妙な罠。
可哀想なのは、巧く利用されたジュディである。マデリンの時は、ファーガスンを騙そうとして、けれど恋に落ち、ジュディになってからも、結局は彼に恋する・・。
<哀しきジュディの最期は、”罪と罰”を暗喩的に表している。
気になったのは、”友人”エルスターの罪や如何に・・、であろうか・・。>
キム・ノヴァクの美貌にめまい?!
旧友の依頼で、彼の美しい夫人を尾行するうちに
秘密をつかんでいく。。。
見終わってみれば、
出演者全員がアンハッピーなのだが、
不思議と後味が悪いわけではない。
見るもの全てを即席探偵にしてしまう、
ヒッチコックならではの技が
散りばめられており、冗長に感じる箇所は皆無。
名作だと思う。
高所恐怖症
映画の神様と言われた
ヒッチコック監督作品も
沢山ありますが
中でも、
「映画史上に残る傑作」と、呼ばれる
『めまい』(Vertigo)
(1958年)
ジェームズ・ステュアートと
キム・ノヴァクが、出演した
ミステリーサスペンス。
ジェームズ・ステュアート演じる
スコティは、高所恐怖症で
刑事を辞めますが
依頼された友人の奥さんの
行動が怪しい為
調査して欲しいと依頼され・・・
とにかく、
妖艶なキム・ノヴァクに
騙されますよ。
途中で謎解きはありますが
そこも、ヒッチコックの
面白さですね。
キム・ノヴァク演じる
マデリンが、肖像画を観に
通う美術館シーンは
ブライアン・デ・パルマ監督が
「サイコ」の
オマージュとして捧げた
『殺しのドレス』で
インスパイアされています。
デ・パルマ監督作品は
過激な描写が多いですね。
ヒッチコック監督を
尊敬している
映画監督さんも多くいて
その、影響力は凄いものです。
あらすじは程々に
まず本編が始まるまでに3分以上クレジットとか流れるので興味ない人は早送りしましょう。あと音楽とセリフに音量差があるので少し調整に困りましたね。
犯人を追跡中に屋根から屋根へジャンプ、着地に失敗し落ちそうになるところを同僚が手を差し伸べ助けようとしたけど、滑って落ち死んでしまう。これが原因で自分を責めるようなスタートだった。ただ、本人はあんな状態から自力で屋根に戻れるか?ついツッコミを入れたくなった。
本編の方ですが、「めまい」というタイトルを意識して観てると、しばらく退屈に思った。友人に頼まれニセ奥さんを尾行してるシーンが長い。特に引き付ける場面もなかった。強いて言えば場面転換の際に映る海・山・坂道・上空からといった「景色」が良かった。
・高所恐怖症は同じ経験をもう一度しないと治らない → そうなのかな。
・夢を見てる最中のSFチックな映像はJ.スチュアートの苦悩が出てて「◎」
・「そっくりな人は3人いる」と聞いたことがありますが、自分だったら好きになるか・・性格まで一緒なのかなと想像した
映画を観るときは「あらすじ」を読んでから観ると思いますが、この映画に関しては読まない方がいい気がした。最初から「そっくりな人」がいるとわかってたうえで観たので、後半まで退屈に思えちゃって・・・それでも「なんだ、そういうことか!」という驚きの展開は気付かなかったです(苦笑)
塔に連れ戻してからJ.スチュアートの叩みかける「口撃」は、どっちが本当の女よ?とセリフを聞いてても混同する気迫がありました。 階段をのぼってくる音を依頼者と思い、焦りまくって落ちてしまったのだろうか・・・。
依頼した友人も罰が当たってほしかったな・・・一番気の毒なのは「そっくりさん」かと思う。
この世のもとは思えぬ美しさ
高所恐怖症を題材にしたヒッチコックのサスペンス映画。
友人から妻(キム・ノバク)の素行調査を頼まれた主人公(ジェームズ・スチュワート)は、彼女に恋してしまうが、目を離したすきに飛び降り自殺してしまう。
キム・ノバクの美しさが際立っており、見飽きない。
なかなか面白い
ヒッチコックといえばこの作品が有名ってしっていたが、長年見ないでいた。見てみれば、なかなか引き込まれ、キムノヴァクとジェームズスチュアート見たさにあっという間に最後まで鑑賞、カメラワーク、風景、ファッション、サスペンス、ラブストーリーなどなど見るべきものたくさん、映画好きの大人におすすめかな、エロもグロもないから安心してワイン飲みながら見られます。
残念、二つの点から名作なり損ね
NHKのBS放送を録画して
十数年ぶりに再鑑賞。
この映画は「サイコ」や「裏窓」等と並んで
評価の高いヒッチコックの作品だが、
次の2点からどうしても名作に挙げられない。
一点目は、これはヒッチコックが
スタッフの反対を押し切って採用したとして
有名な話だが、中盤過ぎにカラクリを
明かしてしまった件だ。
もし謎が最後まで維持され、
ラストの二人が階段を駆け上がるシーンが、
現在と事件当日双方を
細かくカットバックして描かれていたら、
中盤の種明かしパターンの本作以上に
大変な驚きとサスペンスフルな盛り上がりで
どんなに高い評価になっていたかと思うと
残念で仕方が無い。
この点について私はサスペンスの巨匠が
男女の心理表現にこだわりすぎた“勇み足”
と考えている。
二点目は、ホテルのシーンだ。
真相が分かっていない段階では、
入っていったはずの妻を
女支配人が見ていないとの話に、
これはどんなカラクリなのかと不思議だった
場面だが、真相が判明されてからは、
なるほど本当の妻は
ホテルに入って来ていない訳だから
女支配人が「奥様は来ていない」と証言
したと思われる。
そして偽妻は非常口かどこかから
ホテルの外に出て車に乗り去った
と監督は言いたいのだろう。
しかし待って欲しい。
偽妻の容姿は本妻にかなり似ていたはずだ。
しかも女支配人が証言したのは
彼女がホテルに入った直後。
女支配人の口から
「そう言えば奥様に似た方が先程入られ
ましたね」との証言が出るのが自然だろう。
このような脚本の不徹底さは世界興行レベルの作品では許されない。
あえて言えば、このホテルエピソードは
カットすべきシーンだ。
あるいはこの女支配人も夫の手の者
と言うのだろうか。
以上の2点から、「めまい」は惜しい、残念
なヒッチコック作品と言わざるを得ない。
これらの点について、
どなたに御意見をいただけましたら。
変態の映画ではないと思う。一見そう見えるけどね。
有名な映画なので、前々からなんとなく話のあらすじは知っていたけど、それでもラスト30分ぐらいの印象が強く残った。そういう話だったのか。
一見、「男は昔別れた女のことをいつまでも忘れられずに憶えている」という話に見える。しかし、主人公の異常なまでのこの執着は、それを超えた、人間の根源的な「何か」のような気がする。
冒頭のシーンとか観直せばヒントがあるのかな?再見する気はあまりないが・・・(2時間って、長いんだよ!この映画)
僕が思うにこの映画は、クリエイターの芸術性・作家性の根源となる人間の想像力の比喩なのだと思った。想像から執着が生まれる。元々は想像でしかなかったものが、現実を蝕んでいく。想像から愛が生まれる。愛とは何か?もしかしたら、とてつもなく虚しいものなのではないか?そして鬱々とした日常が始まる。
頭がクラクラする感じが上手く描けている映画なので、観て体感すると良いと思います。観てる間クラクラした。(だっておかしいだろ!あんなじじいを好きになるか?普通。以下省略・・・)
前半はミステリーホラーのような感覚、単調で少し長く感じるがキムノヴ...
前半はミステリーホラーのような感覚、単調で少し長く感じるがキムノヴァクの妖艶さに魅了され彼女を覗き見ているドキドキ感を体感出来る。
後半、展開がガラッと変わっていく場面ではさすがサスペンスの神様。おもしろっと思わず呟いてしまった。ラストはフェティシズム全開で男の狂気が描かれる。目の前にいるはずなのに…
前半と後半で同じ景色が違う意味を持つカットもしっかり入っており、サスペンスの教科書のようだなと感嘆。
カメラワークや照明、美術など演出も今と違う感じが面白かった。なにより音楽の使い方がすこぶる上手いと感じた。
ノヴァクの「妖艶」
よく練られた プロットである
依頼人の妻マデリンを 追跡しながら 恋に落ちてゆく男スコッティ (わかるよ!)
観客も 謎と美貌に目を奪われながら、彼と一緒に追いかけてゆく…
暖炉のシーンでの マデリン(ノヴァク)は 美しく、男が完オチするのが 判る
後半での マデリン(ジュディ)再来の場面を 映画的快感(幸福)に挙げる人も多いが、私はこのシーンが好き
髪を直している処など、同性の目から見ても うっとりである
カメラワークについては、余りに有名だが
色彩計画も よく考えられている
スコッティと友人の部屋、花束、車、ネオンの部屋に射し込む光の色、街の景色、そして
グレーを基調とした衣装…
私はグレーの美しさ、を教えられたが 特に衣服においては 人を選ぶ難しい色である
ノヴァクに この色を強要し(ノヴァクは嫌い)、サンフランシスコ湾に落とし(泳げない)、色々あったようだが 映像的には 成功している
ヒッチコックは 女優の好みが決まっていて、それが時代の流れから 取り残されてゆく一因でもある
この映画は「好みではない女優」を使って成功した、 不思議な味わいの、傑作かもしれない
但し 監督は失敗、と言っているが…
ノヴァクの あまりの妖艶さ、が 気に入らない?
最後の 嘘がばれる原因となる、黒のスクエアカットのドレスは ノバクの美貌と野性的魅力を際立たせる
なんか、パワー全開である
波風たてて、生きてゆきそうな気がする
運命に翻弄されるというより、中心人物
やっぱり逆だろう、彼女の為に 男が罪を犯すのだ!
(最初の女優さんの設定が、やはり正解なのね)
また、その官能的魅力で 映画全体を サスペンスから 恋愛の方に傾けちゃった
金髪とブルネット、上品と下品 等、監督の考える女のイメージと評価が 全面的に見える作品である
(現在なら、一悶着あるだろうねぇ)
タイトルデザインは ソール・バスで スパイログラフを使ったパターンは シュールだが、今見ても美しい
(当時は 新しかった)
全34件中、1~20件目を表示