めまい(1958)のレビュー・感想・評価
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「変態」をジェンダーから...
唯一の足りなさは、ジュディの死で締めることから感じる。結構複雑な話をしていたのに対して、急なハプニングで終わるのは...
前半と後半で分けるなら、前半スコティがマンドリンを追うシーンが好きだった。謎めいた女を男性主人公の視点で追い、真相を追求するという心地よさ。また車から、ギャラリーからの覗き見も多く、心理的に快楽と優越感も生じるはず。このようなこともヒッチコックの多くの映画から見れるだろう。(【裏窓】が最も典型的だろう。
後半話は一変する。観客は客観的にスコティとジュディを見てスコティの狂いに恐怖を感じる。ここではもう男性のフェティッシュに注目する。その原因は、彼はマンドリンをずっと見ていたからだろう。ここでまた興味深いのは、ミッジはスコティは気になり、彼女の自画像を彼に見せる。ここでもまた女性は男性に見られることで存在する意味を求める。スコティの視線は事件解決の依頼のきっかけでマンドリンにあるからこそ、彼女のことが好きになることも示唆する。スコティは狂った変態みたい一方、また被害者でもあろう。これは心理学的な根拠もある。
ここでまたミッジの役を分析しよう。彼女は結構意味のない存在のように見えるがただスコティの情報の源。また深く考えると、観客は自分の想像も発揮すり余地があると思う。
例えば、彼女はギャラリーのその絵の作者だとか...実はマンドリンの話はどこまで嘘だったかも分からない。映画にもただ半分嘘ということを言った。もしミッジがその絵を描いたなら、スコティを愛する彼女は彼の視線を求めるため、また自分のも書いたこともできるだろう。もともとカーロットの情報も彼女が教えた本屋のオーナーからだし.....(考えすぎかもけど、こう思うとより一層面白さを感じる。
結構マイペースで進む映画だと人は言うが、結構充実していると感じる。
特に印象深かったのは、名シーンももちろん、マンドリンが川に飛び降りるところ、BGMで急にその動きと共に出てこっちも予想できた行動なのにそれ以上ビックして怖かった。まさにヒッチコックが使った音の力!!!
殺しの思い出は捨てるべきだった
久々の鑑賞。
前半はやはり死ぬほど眠い。この映画の面白いのはマデリンが死んでから。
スコティは終始自己中で未練タラタラすぎて気味悪いし、ミッジも控えめながらスコティへの執着心が気味悪い。
マデリン(ジュディ)はほんまに綺麗。殺人の共犯はともかく、スコティへの恋心は本物やったわけやから、最後かわいそう。
悪夢のシーンが最高にエキセントリックで美しい。マデリンが甦るシーン、スコセッシが絶賛していたけど確かに美しい。美しさの裏側に男の欲望が露骨に見えて最高に変態じみている。
それ以外のシーンも、サンフランシスコの風景と相まって全て美しい。レストランの真っ赤な壁や、真っ白な教会など、ヒッチコックは色の使い方も上手い。
マデリンのドレス、車、シスコの海、ホテルエンパイアのネオンなど、全体に施されたグリーンが、良い意味で目に毒。堪らない。
時に世界一とも評されるこの映画、そうなの? いや、これはただの変態...
時に世界一とも評されるこの映画、そうなの?
いや、これはただの変態映画だ(笑)
その1
友人から不安定な妻の監視を頼まれ、その妻に惚れ熱烈接吻攻撃する主人公。ダメじゃんそれー、どろどろやん。
その2
死んだ女を忘れられず、街で見た似た女の部屋に直接乗り込む。挙げ句の果てにはその女を死んだ女のかわりにすべく、髪や服を変えさせる。やばい、やばすぎるやん。
そう、これはサスペンスの名を借りたヒッチコックの変態妄想映画なのだ。この変態は当初起用予定であった女優が事情で出演できなくなったため、この作品は失敗だと言ったようだ。
私はキムノヴァクで良かった。めっちゃ美人、おまけにナイスバディ(笑)まあ、男って多かれ少なかれ変態なのかもしれません。
なんのこっちゃ(笑)
小さい頃から何度も観ていてストーリーもわかっているつもりだったが久...
とても面白い
タイトル的に単純にサイコミステリーがずっと続く映画かと思いきや意外とロマンスとミステリーを掛けたような映画で、凝っていて面白かった。普通だと中盤の置き手紙を書いて破り捨てるシーンまでで2時間使って終わるパターンが多い気がするが、その後も展開があり、ただのサイコ系の映画としてでなくミステリーとして終わらせたのが良かった。
あらすじもしっかりしているし、カメラワークも今見ても面白い発見があるため、さすがに名作と言われるだけよくできている映画だと思う。
一人の女性を愛した男の悲劇
文字通り"めまい"を引き起こしそうになるオープニングで始まり(女性の目の中に吸い込まれていくところに作品の偉大性を感じる)、通称"めまいショット"と呼ばれる撮影方法を用いた追跡シーンで一気に心を鷲掴みにされました。
本作には、心理模写を巧みに描いたシーンが数多く存在します。特にキム・ノヴァックの各カットです。渦巻いている髪の毛、どこか死の気配を感じるバックショット…
そしてここからが、最大のポイントです。これは私の推測ですが、本作はあるシーンを境に現実の話から主人公の妄想に切り替わっている気がします。そう思えて仕方ないのです。ヒントは、主人公の友人の女性です。彼女があるシーンを境に…
今そこで起きていることは現実なのか。いや、そもそもオープニングの時点で、私たちは既に現実から引き離されているのかも…
実はちょっと苦手
犯人追跡中に高所恐怖症のめまいに襲われ、同僚を死なせてしまい、刑事を辞めたジョン。知人から不可解な行動を取る妻マデリンの監視を依頼され、やがて惹かれていく…。
アルフレッド・ヒッチコックの1958年の作品。
数あるヒッチコック作品の中でもとりわけ人気の高い名作。
と同時に異色作でもある。
二人は恋に落ちるが、マデリンは教会の塔から謎の自殺。高所恐怖症で助けられず自責するジョンの前に、マデリンそっくりの女性が現れる…。
殺人らしい殺人シーンも無い、陰謀らしい陰謀ストーリーも無い。失われた愛に囚われ、取り戻そうとする男の姿を描いたスリリングなラブストーリー。
取り憑かれたように狂気じみていく主人公の行動は、金髪美女に異常に執着するヒッチコックそのもの。
主人公がめまいに襲われた時のクラクラする映像、主人公が見る悪夢の表現など、その凝った演出は素晴らしいが、ヒッチコックのフェチズムや変態嗜好も色濃く反映され、好き嫌いが分かれる。
名作ではあるが、実は個人的にちょっと取っ付き難く苦手なヒッチコック作品。
キム・ノヴァクは妖艶。
二段構えの物語展開
総合75点 ( ストーリー:75点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
最初の出来事として登場する妻の先祖と霊が憑りついた話はあまりに胡散臭いので、すぐに現実的に何か裏があるのだろうと思った。それなのに暫くしてもそういう犯罪をにおわす事情が出てこないばかりか胡散臭い話を逆に裏付けるようなことが続く。
そのため、むしろそんな話を持ち出してそれを実践しているのが誰かを考えるだけで、すぐに黒幕が誰であるのか・誰を騙そうとしているのかということまでは簡単にわかってしまった。細かい事情はわからなくても大まかな道筋は想像出来たので、この程度の話が映画の本筋だったらそんなにたいしたことはないなと最初は思った。
だが幸いにもその後にもしっかりと話が続いてくれて、犯罪の内容がわかっていても整理がつかない気持ちを片づけるための主人公と、彼の気持ちを知ってついつい深入りしてしまう女の行動と、それがもたらす結末もしっかりと描いてくれていた。犯罪のからくりだけでなくそのような人の心の動きを押さえて、尚且つせつなく複雑な気持ちにさせる悲劇的浄化でしっかりと締めくくってくれていた。
やや恋愛過剰のあまり怖さのないサスペンス映画
色褪せぬ天才"アルフレッド・ヒッチコック"
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