劇場公開日 2014年1月25日

「ブロンド美女(キム・ノヴァク)に魅せられて・・・」めまい(1958) 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ブロンド美女(キム・ノヴァク)に魅せられて・・・

2023年5月12日
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この作品はヒッチコック監督の名作として揺るぎない評価を得ている作品。初見から30年以上経ちますが、いつ見てもドキドキさせられます。映画の内容を象徴したかのようなタイトルデザイン、「マトリックス」に影響を与えたといわれるオープニングのビルの屋上での追っかけ、"めまい"の視覚効果、ジェームズスチュアートがキムノヴァクを尾行するシーンのサンフランシスコのロケーション、バーナードハーマンの音楽などなど。映画史的に有名なシーンは数えればキリがないのですが、キモは男性の女性に対する妄想です。男性の女性に対する強迫観念、妄想を映像化し、それに殺人事件を絡め、ヒッチコック・タッチといわれる技法で彩った作品と言うべきでしょうか。有名な話なのですがヒッチコック監督はブロンド美女が大好きで、自作の女優起用にもその傾向が見てとれます。マデリーンキャロル、イングリッドバーグマン、グレースケリー、キムノヴァク、エヴァマリーセイント、ティッピヘドレンなどなど。今作のジェームズスチュアートを見ていると、あきらかにヒッチコック自身が投影されている事は明白で、特に自殺した友人の妻が忘れられず、新たに知り合った女性を髪型、メイク、服装に至るまで友人の妻そっくりに仕立てようとするシーンなどは、ヒッチコック監督が現場で女優さんにこんなふうに指示していたのではないだろうかと、想像させられます。要は男の妄想を映像化することで、こんな名作が出来るんだよと証明した名作なのです。

活動写真愛好家
LaLaさんのコメント
2023年7月4日

改めて 「めまい」の凄さですよね。
キムノヴァクの2役というか
最初観た時は すぐに気が付かなかったです。
妖艶でしたね。
美術館のシーンは ヒッチコックの作品オマージュで
パルマ監督も映画に使っていましたし
私 テレビの「ヒッチコック劇場」も好きでしたよ。
再々放送?観ました(^^ゞ

LaLa