ミュージック・オブ・ハートのレビュー・感想・評価
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鈴木メソード
ハーレムの小学校で長年音楽教育に尽くしたロベルタ・ガスパーリのドキュメンタリーの映画化である。彼女の活動は今も続いているのだが、小学校の臨時音楽教師に赴任するまでの私生活、授業での生徒との交流、芸術教育予算カット、教室の閉鎖に反対運動を起こしマスコミ、著名人を巻き込んだカーネギーホールでの救済コンサート、クライマックスを迎えるのだった。
音楽、特に楽器でご飯が食べられるひとは一握りだろう、教養としての音楽なら貧しい家には負担が大きい、では彼女の取り組みの目指すところは何であったのだろう。ロベルタの教育理念の礎となったのが鈴木メソードである、帝国音楽学校のヴァイオリン教授であった鈴木鎮一が唱えた教育方法で戦後間もなく立ち上げたソニーの井深大を名誉会長とする「社団法人 才能教育研究会」を通じて欧米にも普及、スズキ教室にはカーター大統領の愛娘エイミーさんも通っていたと聞く。理念はプロの音楽家の養成ではなく幼少期から楽器に触れ練習することで子どもたちに豊かな感性と自信をつけさせ、アンサンブル演奏を通じて協調性の大切さなどを体得してゆくものとされている。コンサートの練習にロベルタ教室の一期生が駆けつけるのだが成長ぶりが全てを物語っています。
メリル・ストリープは2か月の特訓でバッハの「二つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調」をマスターしたらしい、まさに女デニーロ!、素晴らしい。
とてもよかった
伊集院光さんの『週末ツタヤに行ってこれ借りよう』で紹介されていたので見た。音楽を通して人が努力して何かを獲得することを学習することの大切さを教育現場で実践している人の話で、オレは大学受験勉強までそれを知らなかったので、もっとその前段階で気付けて入ればよかったなあとさぞ人生が豊かになっていただろうなあと思った。もし人生をプレイバックできるなら、中学生の時に柔道部か野球部か水泳部か陸上部に入っていればよかった。高校で、中学生の時に運動部入っていなかったコンプレックスからサッカー部に入ってあまりの練習の厳しさにすぐ辞めて温い剣道部に入った。中学生の時に運動部で頑張っていたら高校は吹奏楽部でもよかった。とにかく、下手で結果なんか出なくてもいいから熱心に運動部の部活を継続していたらきっと何か大きな豊かなものを獲得できていたはずなのだ。
もちろんバイオリンで優秀な結果を出していたらそれはもうはるかにずっと素晴らしい何かになっているはずだ。子供にはそんな尊い気持ちを知って欲しい。
努力によって人生で何が可能になるか、を教えてきた
映画「ミュージック・オブ・ハート」(ウェス・クレイブン監督)から。
「マンマ・ミーア」で活躍した、メリル・ストリープ主演の作品。
彼女が演じるのは、音楽教師・ロベルタ。
ハーレムに住む子ども達にヴァイオリンを通じて、自信を与え、
最後にはカーネギーホールで演奏会を開催してしまう、サクセスストーリー。
ストーリー的には、ちょっと物足りない感じがしたが、
監督は何を伝えたかったのか、もう一度見直してみたら、
この台詞が浮かびうがってきた。
「努力によって人生で何が可能になるか、を教えてきた」
13年の歳月をかけて、彼女がこども達に伝えたかったことは、
この考え方だった気がする。
このストーリー、多少脚色はあるだろうが、たしか実話だったと思う。
どんな困難にも負けず、10年以上続けるには、
指導者の軸がぶれない、しっかりとした考えにあると感じていたから、
この台詞を知って、とても嬉しかった。
もちろん「努力しても不可能なこともあるということ」も知った。
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