劇場公開日 1996年7月13日

「それなりに面白い楽しめる そこは約束できる しかしそれだけだ」ミッション:インポッシブル あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5それなりに面白い楽しめる そこは約束できる しかしそれだけだ

2021年6月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

1966年から数年続いた超有名テレビシリーズ「スパイ大作戦」の映画化
当時は映画化されなかったのでリブートではない

しかしリブートだ
設定を中途半端にいじって現代にしたもの
プロデューサーとしてトム・クルーズが自分が好きなスパイ大作戦を映画にして、自分が主演したかった、そういう映画だ

だから、どちらかだ
本当に原作を愛して、愛し抜いている作品か
そうではないかが露呈するか

本作は残念ながら後者だ
外形だけを愛しているのだろう

超有名なテーマ曲はトム・クルーズが復活させてくれた
当初はこの曲は無かったという
任務の与えられかたも昔どおりにしてくれた
そこは感謝したい

だがジム・フィリプスの扱いは駄目だ
彼こそスパイ大作戦なのだ
007映画でジェームズボンドを同じ扱いをしたら、どれだけナンセンスかというのと同じことだ
そしてチーム戦の物語だということも理解出来ていない
チームそれぞれの個性と特技が大切な要素だったはずだ

トム・クルーズは何も分かっていない
これでは「スパイ大作戦」ではない
設定が似ている「ミッションインポッシブル」という違う映画だ
そう割り切って観ないといけない
なんじゃこりゃ!と腹立たしくなるからだ

フィリプスの在り方はブライアン・デ・パルマは確信犯だったろう
彼がトム・クルーズに吹き込んだに違いない
しかし全体的に何となくハイハイ言われたとおりやりますよという空気を感じてしまう

有名な宙吊りシーンは中盤にある
他にも派手なシーンは山盛りある
しかしその宙吊りシーン位しか印象に残らない

クライマックスのヘリのアクションは却って痛い

しかしトム・クルーズは素晴らしく格好いい
それだけは確かだ
デ・パルマ監督は流石にそこをしっかり押さえている
本作の本質、撮るべきテーマはそれなのだから

それなりに面白い楽しめる
そこは約束できる
しかしそれだけだ

あき240