「進化し続ける超人気大作の原点」ミッション:インポッシブル とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
進化し続ける超人気大作の原点
このシリーズ。どれを最高傑作とするか、人によって意見が分かれる。
回を重ねることに劣化どころか、ワクワクが増していくこともすごいが、
反対に、古くなったはずのこの最初の作品も、今見直しても遜色なし。十分に面白い。
なんていうシリーズだ。
ルーサーとのなれそめをはじめ、この映画を押さえておくと、”チーム”の意味が、信頼の度合いがより胸を打つ。
アクションも、”ぶらさがりの潜入”だとか、”水”だとか、”動く乗り物の上での…”とか、シリーズで繰り返し現れるモチーフがどう変化していくかも面白い。
ハイテクな設定が大仰に出てくるけれど、最後の詰めは人力ってところも、このシリーズのお約束(笑)。
このシリーズの特徴は、5作目と6作目以外は、監督が毎回変わっていて、テイストや主題が変わる。
この、シリーズ始まりの映画は、「おし!大丈夫。生きているからやり直せる」と元気をもらえる。
信頼できるチームメンバーに恵まれて仕事も手慣れて、「僕できるもん、いつもの通りにやればいいでしょ、簡単、簡単」的なちょっと鼻高になった5~8年目位の職員の軽いノリが、一変して奈落の底に落とされ、慌てふためいて助けを求めたら実は四面楚歌。
疑心暗鬼でもっと暗い映画になってもいいのに、この映画はパワーに満ちて、スピーディ、スタイリッシュ、どんどんテンションがあがって、観終わった後は爽快感、やる気が出てくる。
ハラハラドキドキはアクション・展開だけではない。
敵キャラにはったりかける場面。
FDを巡る仲間間での駆け引き。
そしてあのデータ送信。
etc
ちょっとの手違いで、すべてがダメになる。そんな緊迫感あふれるシーンの数々。
この手の緊迫感は、シリーズ中この映画が一番。
そんな演出と脚本もすごいが、役者もすごい。
レッドグレーヴさん演じるマックスの威風堂々した貫禄とイーサンの若造ぶり。イーサンの口八丁手八丁に対して、胡散臭げにイーサンを査定しながら対応するマックス。
レイムス氏のルーサーも、今よりおちゃめで、危なそうでいて、あの雰囲気で全体を包み込む。だから映画が暗くならない。
そして、ベアールさんの美しさ。『美しき諍い女』で話題になったあの方。
レノ氏に関しては、まだ英語が苦手だったから口数少ない役?と思ってしまうが、雰囲気は抜群。
もちろん、トム様のイケメンぶりは観惚れるに尽きる。
もう、このテーマ聴くだけで、この映画思い出して、やる気モードのスイッチON!!
シリーズ第1作では、若さで突っ走っていたイーサンとルーサーも、シリーズを重ねるごとに、成長して、今や信頼できるメンバーを率いてミッションをこなすようになった。
そんなイーサンと仲間たちの成長ぶりを味わいながら見るのも一興。
これが、トム様が製作に関わった第1作目と聞く。
こんなすごい映画を第1作目に作り、かつ、超人気大作に育て上げた。
トム様の才能にひれ伏してしまいます。