劇場公開日 2024年8月2日

幻の光のレビュー・感想・評価

全33件中、21~33件目を表示

5.0人生の意味は言葉にできない、感じるもの

2020年10月11日
PCから投稿

平穏な日常から、ふっと消えるようにこの世を発つ人たち。
 主人公のゆみ子は、釈然としない死に対する印象を記憶に抱えることになります。
 この作品は、彼女の曖昧模糊とした死生観を踏まえた世界認識や心情を描写すべく、何気なく映る光景に対してまで、非常に繊細な意図を持たせていると感じられました。

私が特に感銘を受けたのは、表情やセリフといった明快な説明は廃し、むしろ現実の風景と人物との画面上の関係性から、人物の心情を浮き上がらせるような演出です。
 表情やセリフで語る感情表現は分かりやすいですが、明瞭な表現は時として、記号化・言語化できない繊細な情報を覆い隠してしまうものでしょう。
 現実の風景は、つまりゆみ子の内面と連続した環境でもあるのです。周囲の環境を見つめることで、彼女の繊細な感情の在りかを探るような演出がされています。
 しかしそのため、村や町や家の中に対して、どこからどう見るのか、とても鋭い視点の観察がされていると察せられました。水平垂直、明暗の利用、場合によってはやや構成的なまでに画面を整理し、画面全体をもって意味のある一枚絵としているかのようです。
 その結果、一見何気ない無意味に思える要素、ストーブの灯り、家の角の陰、それから、鈴や自転車ベルといった音など、場面ごとに一見些細な様々なものが力を得ています。
 途中、平穏な生活の描写は、ゆみ子の日々の時間感覚を体験する事ができますが、そんな続いて行く日常の流れの中で、不意に死が訪れかねないという認識を度々思い起こさせられ、不安とも不可解ともつかない特異な感覚をもたらしていると思われました。

人は生きる意味を探求することが生涯のテーマである、などと言う人がいます。しかし私はこれに若干の疑問を感じます。
 「生きる意味」の「意味」というのは、言語化できる意味に過ぎないのではないでしょうか。
 哲学的な問題に対し、何か簡潔な言葉で言い表そうというする態度を見ると、私はその人の感性を疑ってしまうことがあります。
 言語化できない、しかし強烈な意味というものは確かに存在し、それは安易な言葉で捉えようとすると、忽ちこぼれ落ちてしまう。
 ゆみ子に共感するかは別としても、彼女の環境世界を想像することで、何か貴重な体験を得られた気がしています。

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JI

2.0リアリティはある

2020年8月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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KEI

3.0奥能登が舞台

2020年8月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy

4.5映画は映像で表現するという強烈な実践

2020年7月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

尼崎の若い夫婦、何気ない日常の中、夫は突然自殺をしてしまう。妻に思い当たる理由もない。のこされた妻は幼い子供と能登に嫁ぐ。

能登の海岸沿いの一軒家と海沿いの街の風景が続く。全夫はなぜ死を選んだのか?ふと理由を知りたくなる。

ストーリーよりは映像の美しさで構成される展開。広角の構図を多用し、そこに映る人々も風景の中に溶け込んでいて、そこに包まれているような雰囲気。

ピントがぼやけたような映像が幻想のような雰囲気を与える。映画に必ずしも明快なストーリーも結論も必要ではなく、それよりも映像美で成り立つことを示唆してくれる映画。

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菜野 灯

3.5幼少の記憶。死にに行く。そう言い残し行ってしまった祖母の背中。自責...

2020年6月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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supersilent

3.0温もりの光

2020年1月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

難しい

今や日本が世界に誇る是枝裕和監督の1995年のデビュー作。

幼い頃に突然祖母が失踪。
そんな暗い過去を持ちつつ成長したゆみ子は郁夫と出会い結婚、子供にも恵まれ幸せに暮らしていたが、突然夫が自殺。
2度も大切な人を失ったゆみ子は縁あり、能登の漁村に嫁いで行くが…。

一貫して家族を描く是枝作風は本作から垣間見える。
何気ない日常や営みを淡々と。
演者からも自然な演技を引き出す。(ちょいと何人か大阪弁が気になるが)
揃って縁側でスイカを食べるシーンなんて、後の是枝作品で見た気がする。
後の人気監督のデビューを祝うかのように、同じく本作がデビューの“元”女優の江角マキコ、内藤剛志、浅野忠信、柄本明、赤井英和、大杉漣とキャストも豪華。
是枝監督の才はすでにここから始まっていた。

近年の是枝作品は商業やエンタメ性があるが、本作は本当にインディーズの新人監督の意欲作。
何故、自分の前から大切な人は居なくなってしまうのか…?
何故、自分はそれを止める事が出来なかったのか…?
心機一転。新たな土地で再スタートさせた新たな人生。夫も優しく、人も良く、土地の雰囲気も和やか。
が、心の奥に未だに引っ掛かる暗い過去。
再婚相手からすればたまったもんじゃない。
でもそれは、いつまでも昔の夫を想い続けているのではなく、また大切な人を失ってしまったら…?
のどかではあるが、能登の寒々とした風景がヒロインの心情を反映。
暗く重く、なかなかに分かり難い作品でもある。
若き是枝監督が描いた、家族とその平凡な営み、死生観、喪失と再生の果てに、微かな温もりを見た。

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近大

3.5幻の光?

2019年10月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

自ら命を絶つものとそうでないものの差は歴然としていると思う。幻の光が見えるものと見えないものの差ってこと?ちょっと納得できない。是枝さんの劇場初作品ということだが、現在の誰が見てもやはり是枝カラーがふんだんに出た作品。江角マキコの関西弁には違和感。てか柄本明って今と見かけ、役柄変わってない!!当時は50前後?すごい!!

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いつこ

3.0残して逝く人

2019年5月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

主人公(江角マキコ)は子供の頃、祖母の失踪を防ぐことが出来なかった。
結婚して子供が生まれて三か月後に夫が自殺してしまう。
原因は思い至らなかった。
数年後、輪島に後妻として子連れで再婚する。
残された人はどうしたらいいのか、わからない。

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いやよセブン

4.0やはり日本映画

2019年1月27日
PCから投稿

思った通り、日本映画ならではの暗い映画でした。
まぁ、でも、確かにある意味考えさせられたのでこんなもんかなという感じです。
随所に山田洋次監督の影響があるような気がしましたが・・・

結構胸に残ったのはやはり私も日本人だからかな。

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yosci56

3.0死について論理があるわけではないという是枝監督の死生観が伺える本作...

2018年10月2日
iPhoneアプリから投稿

死について論理があるわけではないという是枝監督の死生観が伺える本作。高台からの海のショットが長くそれは一見綺麗に見えるが薄暗い画面からのその水平線まで続く海の光景は死をも内包する非常に不気味なショットとも言えよう。

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fgh

5.0男の性

2018年4月29日
Androidアプリから投稿
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きりん

3.0原作読んで

2017年1月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

原作の方が良かった

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zzzzz

4.0原作読んで

2015年5月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

観て正解

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Gon太