「覗くな、狂うぞ。恐怖の洗脳小説!」マウス・オブ・マッドネス だいふくさんの映画レビュー(感想・評価)
覗くな、狂うぞ。恐怖の洗脳小説!
保険調査員のトレントが失踪したホラー小説の作者サター・ケインを追跡するうちに、徐々にはまり込んでいく世界観や異常さが観ていてびっくりするのですが、どこか無限ループに陥っている感覚を持ち、異界へにでも飛び込んでしまったのではないかと終始不安な気持ちにさせられます。
そんな不気味な展開の中に、いたるところに伏線が散りばめられています。さすがカーペンター監督と言いたいところなのですが、つながりそうでなかなかつながらない、理解できそうで全く理解できないのが本作です。監督の奇才っぷりをふんだんに入れ込んでいますが、正直、私には???が常に付きまといました。
ただ、全く理解ができないかというと、これから起きようとする物語の軸は理解できているのです。物語が進むにつれ自分なりの解釈もできる映画なんです。ただ、その意味不明な世界観が難しくさせています。おそらく観る人によって、解釈も異なってしまう映画だと思います。
ものすごいストーリに負けじと、登場するクリーチャーも見どころ満載です。まさにカーペンター監督が好む造形は非常に注目で、想像を超えてくる異様な不気味さがたまらない出来栄え。不気味なのはクリーチャーだけでなく、あのカルトホラーの名作『エクソシスト』の体がブリッジ状態で歩くスパイダーウォークまで登場するという、ある意味笑ってしまうようなシーンも。
ラストでは、まさに映画自体を表すがごとく、意味が難しく解釈がなんとでもできるような状況でした。いや~、やっぱり難しい!迷宮に入ったかのような映画でした。
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