劇場公開日 1985年12月24日

「「ギルバート・グレイプ」「ショコラ」に繋がる希望の余韻が…」マイライフ・アズ・ア・ドッグ KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「ギルバート・グレイプ」「ショコラ」に繋がる希望の余韻が…

2023年4月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

ラッセ・ハルストレム監督作品は、
その後、「ギルバート・グレイプ」
「サイダーハウス・ルール」「ショコラ」
を鑑賞させて頂いたが、
この作品は、私にとって、ハルストレム監督
としての最初の映画で、
その後に上記作品群にも接することになる
なんて想像も出来ていなかった。

今回、近所の図書館にDVDがあったので、
現在はTOHOシネマズシャンテと
名前を変えた有楽町のシャンテシネ劇場での
1988年のロードショー以来の
懐かしい2度目の鑑賞となった。

この映画、「ダイ・ハード」や「レインマン」が
上位を占める年に
「ニュー・シネマ・パラダイス」等の
名作を抑えて第5位に選出された作品だ。

それにしても不思議な余韻を残す作品だ。
何も起こらない普通の日常を描く。
もちろん母と愛犬の死こそはあるが、
長い人生では必ず経験する日常の一部に
過ぎない。
その日常の中で、幼きも老いも、
登場人物全員が、
性への興味津々な気持ちを隠すことなく、
人生を謳歌するかのように
過ごしている描写が微笑ましい。

そんな中、主人公の男の子を中心として、
子供達の成長譚が印象的な
人間賛歌の作品となっており、
この後のハルストレム監督作品、
「ギルバート…」や「ショコラ」に繋がる
希望の余韻を楽しんだ。
さて、この後に再鑑賞する予定の
「サイダーハウス・ルール」では
どうだったろうか、楽しみになってきた。

KENZO一級建築士事務所