「ちょっと退屈。でも悪くない」マイライフ・アズ・ア・ドッグ pekeさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと退屈。でも悪くない
ちょっと退屈だった。
「勝つ」「捕まえる」「やっつける」「逃げる」「何かをつくりあげる」など、主人公にはっきりした目的のないストーリーを、退屈させずに観せていくのは難しいなとあらためて思いました。
とはいえ、この作品は不思議に心に残るものがありますね。
厳しい寒さの風景の中に映し出される、部屋の灯や、暖炉やガラス工房の火が、イングマルの境遇を象徴しているように感じました。
つまり彼は逆境の中でも、あたたかい救いの手を差し伸べてくれる人々に出会える少年なんですね。
そして、それらの灯や火のように、僕の胸の中で本作の余韻がそっと熱と輝きを放っているように感じます。
あと、画面に映し出される素敵な建築・家具・調度品・衣服なども楽しめました。やっぱり北欧のものはいいなぁ。
それにしても、このタイトル、どうなんだろう? もう少し気の利いた邦題にならなかったのですかねぇ。
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