「愛してくれる人を探して」マイ・プライベート・アイダホ everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)
愛してくれる人を探して
子供の頃、この映画ポスターの俳優2人の美しさに惹かれました。当時はまだ年齢的に観れず、いつかいつか観てみたいと思いながら、気付けば廃盤とかで、レンタルは常に100人近く待機でした。たまたま未使用円盤が、かつて憧れたバイクポスターのカバーで、ネットで数百円で売られており、即買いしてしまいました。
そして満を持して鑑賞…うん10年?の期待を裏切る話でした。両極端な家族背景を持つ若い男娼2人を通して、青春を、深過ぎない悲壮感が漂う、切なく儚い人生の断片として描いておりました。
Mikeは母とその愛を探して旅したのに、母親を見付けられなかったばかりか、告白までしたScottをも失ってしまいます。
顔が違うのと同じように、人生も誰1人同じ道を歩むのではない…けれど、病で気絶しなければ、母親や幸せだった頃の家庭の夢を見れないMikeの環境は無防備で悲し過ぎます。Mikeは旅の途中でIdahoに住む兄を訪ねますが、兄のトレーラーハウスの後ろにある家が、夢と想像の欠片に出てくる実家です。彼は気を失い眠ることで、過酷な現実から理想の家族愛に満たされた世界・過去へトリップするのですが、その理想郷こそ彼自身のIdahoなのです。
拾う神のように出て来た最後の男性、あれはMikeの兄ですか?服装と車の色は同じなのですが、車種も同一かは分かりませんでした。
Riverの演技は素晴らしく、Scottと別れた後、後半路上で這いずり回るシーンは息を飲みました。Keanuの美貌も盛りの頃です。
個人的には一瞬映るJim Caviezelの笑顔が好きです。彼のデビュー作として鑑賞する方はまずいないと思いますが、大人になって自分の男性の好みの変化もしみじみ感じました。