劇場公開日 2021年10月15日

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「前提となる知識がないとかなり駄作に見えるかも…。」マーティン 呪われた吸血少年 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5前提となる知識がないとかなり駄作に見えるかも…。

2021年11月11日
PCから投稿

今年170本目(合計234本目)。

この映画、原作が1977年公開という事情もあるので(そして、日本での公開は今週)、現在の映画の一般的なクオリティという観点からはやはり一ランク落ちる部分があります。ノイズなども入っており、アメリカ映画ですが、準1ではおよそ聞き取ることが難しい映画です。

またアメリカ映画という事情もあるし、1977年公開という事情もあるので、映画の趣旨的にはホラー映画になるのでしょうが、ホラー映画という要素は一応あるものの(大人の営みのシーンも出なくもないが、1回くらいしか出ない)、それより、キリスト教文化(特に、カトリック)の「教区」(カテドラル)といった語句まで登場し(さらに、趣旨は分からないが「売国奴」まで出てくる。文字通りの意味ではなく、おそらく罵倒的表現と思います)、かなり現地のホラー映画(しかも、当時)の相場観を知らないと、ホラー映画という割に余り怖くないし(もっとも、この映画は一般指定)、さらにキリスト教文化を前提とする知識も出るので、見かけに反して理解難易度は高いです(かつ、1977年公開という事情もあるので、エンディングロールも極めて簡素で、何がなんだかわからない間に終わってしまったりする)。

とはいえ、こういう映画を見ること自体に異文化の理解は感じられますし、「趣旨は分かりにくいが、1977年公開ということも考えると、字幕不足なども考えても仕方がない」とは思います(日本基準で考えれば、内容がわかりにくいだけであり、不愉快にさせるような表現はほぼほぼ存在しない)。

評価にあたっては、下記を考慮しました。

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(減点0.3)とはいえ、この映画が現在(2020~2021)になって公開されたことに意義はあると思うのですが、1977年ごろのキリスト教文化などを知らないとまるでわからない点が結構多く、かといってホラー映画に分類されると思うのですが、その要素は少なめで、かといって「宗教映画」というカテゴリで見るのも無理であり、まぁあえていえば「異文化の理解を主眼とする学術系映画」に入るのかな…とは思うのですが、かなりわかりにくいです。

しかも、キリスト教文化(カトリック)に関しては、信者の方でもない限り、早晩身につく内容でもないですし…。

とはいっても、「わかりにくいものの、趣旨自体は一応理解はできる」点と、「当時(1977年)の本国(アメリカ)のホラー映画、キリスト教文化などの知識の吸収」という点ではそれほど傷はないと思うので、それほど多くは引いていません。
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yukispica