「ゾンビから離れて」マーティン 呪われた吸血少年 shantiさんの映画レビュー(感想・評価)
ゾンビから離れて
ロメロの叙情詩的な側面を捉えた佳作。この作品を持って、ロメロが詩人であることを私は理解した。ロメロによるドラキュラの解釈はとても詩的であり、切なさが冒頭からエンディングまで漂う。生きることの切なさ、それもヴァンパイアとしての生きづらさ。ロメロは美しい少年を配して、見事に描いた。ロードショー公開して全国で見られるメジャー作品ではないが、その寂しさ、悲しさ、報われなさ、孤独さが、心の琴線に触れて来る。美しくも、悲しい、個人個人の心の片隅に残る素晴らしい作品である。ロメロのファンになって、始めてたどり着ける良い作品でもある。私個人は劇場でこの作品を観られた奇跡に幸福と幸運を覚える。
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