ボーイ・ミーツ・ガール(1983)のレビュー・感想・評価
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アンファン・テリブルのセルフポートレート(?)
部屋で大音量デッド・ケネディーズからの、懐かしや、小学生の頃にPCでプレイしていたspace cadetのピンボール(実機!)のピコピコ音の流れに個人的に痺れた。 プレイに興じていたアジア系の白のワイシャツ姿のサラリーマン達が見つめる中、メンテナンスで台の蓋が開けられ、中身をクローズ。複雑に絡み合うコード、チカチカ点滅する光。序盤のここまでで持っていかれました。 マジックミラーで隔てられたかのように、主人公の存在はほとんど無視されていて、ポーズや動作が固定された人物達はゲームのNPCのようだった。現実感のない夢のようなパーティー(主役級に綺麗な手話通訳!)。中年や老人達の中に入ると、顔にニキビ跡の目立つ主人公アレックスの子供っぽさが一層際立っていた。 監督が主人公に自己投影している節も感じられるけど、23歳が撮ったとは思えない仕上がりだった。アレックスを演じたドニ・ラヴァンも当時22歳で、カメラテスト映像で主人公の1つのセリフを挙げて、そこには反抗心と反抗への絶望感が込められていると分析していて、ナルホドなあと思った。
色味なし(白黒)
冒頭 何が起こるんだろう?と思わせた フロントガラス突き破ってスキーを積んだ車をママが子供を抱きながら運転+電話 このあとなんの関わりもなかったのか不明 白黒映画なので本来何色のチェックかわからないが、彼女の好きな色?のスカーフとのこと 随所に白黒の市松模様だったりギンガムチェックだったりジム・ジャームッシュ風(カラックスが先) アパートの大音量パンクロック音漏れのインターフォンに向かって詩を詠む男性と その後おもむろにベッドから降りてタップダンスをする女性 ゲーセンの音はパンクというよりテクノ懐かしいピンボール 電飾の派手なマシンに集まるのは白シャツの日本人? アンプル剤多用のアレックス この頃のドニラヴァンはまだ子供だったけど 怪物の素性が窺い知れる怪演 青春映画そのものだけどタイトルがtrfで笑
"Holiday In Cambodia"
≪WE MEET LEOS CARAX!≫ ミレーユが音楽をかけると流れてきたのはアメリカのハードコア・パンク"DEAD KENNEDYS"で、ほぼフルにジェロ・ビアフラの声が聴こえる中でのベルナールが詩的に吐く台詞との違和感、作品全体の雰囲気から白黒の映像を踏まえたLookに意表を突かれる選曲、デヴィッド・ボウイの方がまだしっくりくる。 アレックスとミレーユが会話するパーティでの場面が長尺でゴダール監督作『気狂いピエロ』の序盤でのパーティを思い出す、個人的に。 何が起こったのか、混乱してしまう終盤に違う角度から見せる同じ場面の唐突さ、バッドエンドでありながら意味深に歪んだ恋愛体質??
個人的に意味不明の映画だった…
『汚れた血』と『ポンヌフの恋人』はだいぶ前に観ていたが、ようやく観た。 レオス・カラックス監督の長編第一作であり、アレックス3部作の1作目。 しかし、自分には正直言って意味不明の映画で理解不能だった…(^^; 恋人を親友にとられたアレックスと同棲生活失敗したミレーユが、パリのパーティで出会うのを描いているのだが、「う~ん、結局、監督は何を言いたかったのか?」が分からなかった。 アレックス3部作の1作目と2作目、『汚れた血』は大感動のクライマックス、『ポンヌフの恋人』も宿無しカップルを描いた素晴らしい映画だったが、やはりジュリエット・ビノシュの存在が大きかったと言えよう。 本作は、それら2作より前の作品なので、レオス・カラックス監督がだんだんと素晴らしい映画を撮るようになった…と思うしかないのかも…。
だがそれを反芻するのはもはや辛いのだ
忘れていた若い頃の熱情 もがき苦しんでいた無彩色の白黒の時代も もう取り戻せない それがここにある だがそれを反芻するのはもはや辛いのだ それだけ遠い遠い所にまで来てしまったのだ
夢を読み解くように・・・
ドニ・ラヴァンがその存在そのもので示し続ける詩、それを感じられるだけで、いつもカラックス映画に惹かれてしまうんです。そしてジュリエット・ビノシュもそうですが、この作品のミレーユ・ペリエもまた美しく、彼女たちのことをどうしようもなく好きになってしまえば、それで私のカラックス体験は充実したものになります。 美しく生きること、いや、生きることそのものが美しさであること、そんな生を、痛みとともに思い出させてくれる映画だと思います。
頭おかしい
青年の煩悶を引き伸ばして映画にしたような。 全部最初から最後まで主人公の妄想、と言われても納得できる不思議な世界。 実験映画っぽい感じ。当時の最先端突っ走ってる。そして今もなお、最先端。理解できない。 人の誕生日パーティに行って勝手に冷蔵庫から牛乳出して、おもむろに直で口つけて飲むし、突然店から走りだしたり、人を川に突き落としたり……主人公の挙動が怖いです。 ボーイはガールにミーツした。だけど、それで人生どうにかなるものではないんでしょうね。人生のうちでパッと明るくなるような出会いなんてないんです。主人公の暗い思考が暗い結末を彼女に与える。暗澹たる気持ちになりました。 白黒の画面は閉塞感があり会話の間も気詰まりで、それが青年のどろどろとした葛藤を表現しているのかも。 愛をテーマにしたのか、それとも、愛にすがったけれど結局青年たちはどこにもいけない、ってことをテーマにしたのか。 なんなんでしょうか。
タップダンスのシーン
なぜだか知らないけど 素敵だった 歯の浮くような台詞まわしで愛について語ったり ピンボールに夢中になり過ぎて終電逃したり なんだか理解できないシーンばかりだったけど あのタップダンスのシーン 良いんだよなあ
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