「アンファン・テリブルのセルフポートレート(?)」ボーイ・ミーツ・ガール(1983) 抹茶さんの映画レビュー(感想・評価)
アンファン・テリブルのセルフポートレート(?)
部屋で大音量デッド・ケネディーズからの、懐かしや、小学生の頃にPCでプレイしていたspace cadetのピンボール(実機!)のピコピコ音の流れに個人的に痺れた。
プレイに興じていたアジア系の白のワイシャツ姿のサラリーマン達が見つめる中、メンテナンスで台の蓋が開けられ、中身をクローズ。複雑に絡み合うコード、チカチカ点滅する光。序盤のここまでで持っていかれました。
マジックミラーで隔てられたかのように、主人公の存在はほとんど無視されていて、ポーズや動作が固定された人物達はゲームのNPCのようだった。現実感のない夢のようなパーティー(主役級に綺麗な手話通訳!)。中年や老人達の中に入ると、顔にニキビ跡の目立つ主人公アレックスの子供っぽさが一層際立っていた。
監督が主人公に自己投影している節も感じられるけど、23歳が撮ったとは思えない仕上がりだった。アレックスを演じたドニ・ラヴァンも当時22歳で、カメラテスト映像で主人公の1つのセリフを挙げて、そこには反抗心と反抗への絶望感が込められていると分析していて、ナルホドなあと思った。
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