劇場公開日 1998年1月24日

「スピルバーグの「激突」を軽く超えた傑作。」ブレーキ・ダウン レントさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0スピルバーグの「激突」を軽く超えた傑作。

2022年12月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

劇場公開時、あの「激突」に匹敵する衝撃作として宣伝されていた。しかし、劇場で鑑賞すると、かの作品を遥かに凌駕するサスペンスアクションの傑作だった。
正直、「激突」は時代の変化もあってか、ビデオ鑑賞した時その面白みを感じれなかった。製作当時に鑑賞すれば、またちがったのかもしれない。同じく「恐怖の報酬」なんかもやはり近年の様々なサスペンスの秀作に触れてから見ると古臭さは否めず、物足りなかった。

とにかく本作はただのサスペンスではなく、アメリカが抱える社会的病理も描いているところに作品としての深みを感じた。あの犯人像の描き方は実際「テキサスチェーンソー」を彷彿させるし、アメリカ社会の闇を感ぜずにはいられなかった。
一見、普通の良き家庭人を装っている犯人グループが実は家族に内緒で収入の足しにするための悪事を重ねていた。実際ありえそうな話だけにリアリティーが感じられ、恐怖感も増長される。
それを観客に見せてからのクライマックスのカーアクション。
正直、カーアクションで恐怖を感じたのは後にも先にも本作だけである。異常な犯人たちに追い詰められるただのか弱い一般人の夫婦がはたしてこの絶対絶命の危機を脱することが出来るのか。
ラストまで一切緊張感が途切れないサスペンスの傑作。

レント