フルメタル・ジャケットのレビュー・感想・評価
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あっという間の2時間で面白かったけど、スタンリーキューブリック監督...
あっという間の2時間で面白かったけど、スタンリーキューブリック監督の作品はなんというかほんとに狂気。そして、言葉が汚いよね。ベトナム戦争のことをもっと知りたくなった。こういう実話ベースの映画は観るべきだよね。
うわー
観終わった後いやーな気持ち。
戦争を英雄行為または残虐行為として、善悪どちらかの視点で一方的に描く映画は苦手だし、人類の愚かな歴史として説教くさくなりすぎる映画も嫌いなんだけど、これはどちらかというとコミカル。観始めてしばらくはM⭐︎A⭐︎S⭐︎Hに近いのかなと思ったり。
しかしコミカルの中に狂気が見え隠れするところが面白いというかすごいなというか。仲間のいじめを止めないのも、笑いながらゲーム感覚で農民を撃ち殺すのも、娼婦を人間ではなくモノ扱いするのも、仲間を殺した少女に同情してしまうのも、全部人間の本質。それを一気に見せられて、人間しんどいなって思った。
観終わってから無意識のうちにミッキーマウスマーチを口ずさんでいる自分に気づいて、またいやーな気持ち。
抜群のカメラワークとリアリズム
イーストロンドンにヤシの木を植えてベトナムの戦場を再現。CGもほぼ使わず実際に爆発させたり燃やしたり、一台のヘリコプターを何度も行き来させて複数あるように見せている。
出演者が自分で考えて言動をしているアドリブシーンもある(レナードとジョーカーの二人のシーンはほとんどがそうである)。ちなみにレナードは今作の撮影のために人一倍食べてあの体になる努力をし撮影中に怪我もした。
教官ハートマン軍曹の汚い言葉と暴力が印象に残る。ハートマン軍曹役のR・リー・アーメイは新人訓練生の教官経験者で、軍人未経験の俳優たちに実際に教育し、出演者たちは見事に軍人のように行進したり礼式を覚えたり銃をばらして組み立てられる程になっている。
カメラワークは完璧主義者であるスタンリー・キューブリック監督の拘りで、構図やアングルを重視している。
BGMはほとんど無く、演技の違和感もないため作りモノとは思えないリアルさがある。
3部構成になっている。
最初の訓練が1部で、2部の始まりは軍人たちの前に娼婦が腰を振り振りしながら現れるあたり、3部はバイクに乗ってノーブラの娼婦が登場するあたりから始まる。
主人公を美化するような戦争映画ではない。
徹底的なリアリズムで正義がどうとか誰が悪とかではなく、ひたすら敵を殺すという狂気の世界を描いている。
ベトナム戦争に限らず、過去現在未来どの戦争にも共通している何かを考えされられる。
ナイスな挿入歌 さすがキューブリック
場面ぴったりの挿入歌はキューブリックの真骨頂
ベトナム人の売春婦登場場面
ナンシーシナトラの「にくい貴方」
エンディング
ローリング・ストーンズの「黒くぬれ」
ホアンフェニックス主演「ジョーカー」のエンディングにクリームの「ホワイトルーム」が使われているが、これは、「ジョーカー」が「フルメタルジャケット」の続編である証。
主人公の名前も、共にジョーカー。
色褪せない戦場に放り出されたような臨場感
キューブリックの映画は2本しか見ていない。
「シャイニング」「2001年」いずれも今日まで語り継がれる不朽の名画。でも、正直、娯楽作品としては純粋に楽しめないし、コンディション次第では熟睡してしまうほどの退屈な映画にも思える。
問題は、そのテンポにあるのだろう。基本的に長回しで、大げさな演出が入らない。それによって現場に緊張感が生まれ、観客はまるで事件の渦中に居合わせてしまった野次馬のような好奇心にとらわれる。
家の近所に救急車やパトカーが大挙押し寄せれば、誰だって様子を見に行くし、懸命に事態を把握しようとするだろう。断片的な情報がその場を飛び交い、なんとなく事態の方向性を理解したところで手を打って、その場を立ち去る。翌日の新聞でどうやらこれこれの事件だったらしいということを知るが、自分の見たものとの差異はいかんとも埋めがたい。
圧倒的にリアルな戦場空間を作り出し、そこに観客を置き去りにする。まるでベトナムに行ってきたような気分になり、報道されていることと差があることに驚く。そんな気分にさせてくれる映画だと思う。驚異的なのは、奥行きの隅々まで、セットが作りこんであること。この映像が30年前のものなのだ。どれだけお金かかってんだと思う。今なら、CGで補えるような細部まで、ちゃんと動いている。しいて言えば、画面がクリア過ぎて、逆にリアルじゃないように見えることがミスと言えばミスショットなのか。普通は見せたくないものに適当に汚しを加工して隠してしまうのだろう。霧とか、煙とか。
ただし、字幕で鑑賞したのだが、確実に放送禁止な4文字言葉が連発されるのはいかがなものか。これも戦場のリアルということで許されるのだろうか。特にR指定のような注意も見当たらないのだが、子供に見られたら、なんとなく気まずい。それも含め、新兵訓練は大幅に割愛してよかったんじゃないかと思う。
「微笑みデブ」や狙撃手少女の鋭い閃光が頭に鮮明に残る
2022.93本目
最初の45分間からして至極。
まず、1人ずつ頭を刈って坊主にしていくシーン。一人一人個性に溢れていた髪型がみな同じものになっていくのが、個人としての尊厳を失っていくようにみえた。
士官学校時代は、映画の結構な尺をしめていて、ここがメインといってもいいのではというくらい印象的。
みんな腕立てしてる中でドーナツ食べてるシーンとか、すごい頭の中に残るシーンがたくさんある。笑
あとはやはり、「微笑みデブ」の顔つきがどんどんと変わっていく様に目が離せなかった。そして「フルメタルジャケット」のシーン…!彼自身がフルメタルジャケットだった…。悲しくも格好良いシーンだった…。
ベトナム戦争からのシーンは、個人的には少しダレたけど、特に後半の狙撃手との攻防戦は緊張感があった。
そして狙撃手女の子の、「shoot me」の言葉…。
とにかく、とにかく悲しい。
ミリタリー映画にあまり耐性がなくて、ちゃんと最後まで見きれるか心配だったけど、
終始、緊迫感や生々しさや、人間の悲しさや美しさに目が釘付けになった。
重い絵や展開に反して、音楽が軽いのもよかった。
カメラワークが、ジョーカーたちがまわしていたカメラと同じような?まるでホームビデオかのような?かんじで見られたので、そこにいる人間たちに触れるのではないかと思うくらい全体を通してリアルだった。
後半だけでよかったかも、
冒頭の教官?上官の暴言か中傷か、下ネタの叱咤激励か、がずっとあって、聞いてるだけでしんどかった。
目の前で聞いてる新兵たちはよほどしんどかったろう(笑)
上官もあんなわめいていたら疲れるだろうに。
後半は、ハラハラ、ドキドキの戦場、それが臨場感、緊迫感に満ちていて、そうなると、前半の上官の怒号の訓練のシーンとかいらんかったのではないかとも思えるほど。
ああいうベトナムの戦いが実際にあったであろうと思うと、怖くもあり。
ベトナム少女狙撃兵対海兵隊。!
スタンリーキューブリック作品。
哲学的なことは良くわからないが名作と言う人達は前半部の訓練で人間が兵器として作り上げられる過程が恐怖であり、それが反戦を訴えているから素晴らしいと言うのである。
ただアメリカ海兵隊は訓練が厳しいのは伝統のはず。
精鋭の中の精鋭の証。!
各国大使館の警備は海兵隊の役割。
軍事評論家もあまり言わないが日本軍の太平洋の各島の地上戦はアメリカ海兵隊に負けたと言っても差し支えないと思う。!
Once a Marine, Always a Marine.
(海兵隊に一度なったら生涯海兵隊。)
この言葉の真意は一度海兵隊になったら兵役を退いても海兵隊の誇りを忘れずアメリカ国民の模範になる様に努めると言う意味があるらしい。
これからするとけっして悪いスローガンではない。
誇りを殺人兵器と言われるのもちょっとどうかと思う。!
(最近沖縄で問題も多く発生しているのは嘆かわしが。)
キューブリックだからといって常に平等表現をしているとは限らない。!
誇りを上手く反戦に結びつけたと感心させらる。!
私は、アメリカ海兵隊を散々な目に合わせた可愛らしいベトナム少女狙撃兵がなんとも魅力的だ。!
日本アニメに影響をあたえていそうな気がする。!
最後にベトナム戦の海兵隊の戦いを振り返って下記の様に言われた。
FIRST IN LAST OUT!
FIRST=ダナン上陸。
OUT=サイゴン要人保護、撤退。
誇り高い海兵隊らしい言葉(モットー)である。!
地獄のFワード
たとえば今の若者に、スマホのなかった時代の話をしてもピンとこないと思うんですよ。
おじさんの世代ではPHSってのがあってね、とか
友達同士で”ワン切り”してじゃれあったりしてね、とか。
それこそJ-PHONEがカメラ付きケータイを、とかiPhoneが発表された時の衝撃だとか。
だから僕は過去の名作ってちょっと得意じゃなくて、いかに当時センセーショナルだったとしても
現代の感覚で見て「面白い」っていうのとはちょっと違うんじゃない?と。
なんだけど本作は、全編を手放しでは褒められないけど今とは違う趣きっていうか、
当時だから取れた映像ってあるんだな、と気づかせてくれた。
特に印象的なのは”主人公”がいないってところ。
いちおう全編に登場するジョーカーが主役ではあるんだろうけど、
別に特別でもなければヒーローでもないっていう。まぁちょっと面倒見が良いくらい。
むしろ前半はその、今ならグレーゾーン満載の”ほほ笑みデブ”レナードが主役級だしね。
ともかく、莫大な金がかかってそうな映像は迫力満点だし、
30年以上経った今でも古びてないのはさすがだった。
ただね、ストーリーって部分でいくと、そんなにだったかなって。
総合すると「教養として見てよかった」ってとこに落ち着くかなと。
これは米兵のリアルですか?
最初の軍隊行動は気持ちが良いくらい面白くて
みんな反応と判断が早く常にYes !sir!
このフレーズとリズム、聞いたことあるwwギャグだよね?
「これか〜」って思っちゃった
あたし本当に戦争映画好きじゃなくて…
でも映画は知らない世界の勉強だと思って
好きじゃないものも積極的に見ることにしてるのね
キューブリックもトラウマがあって、見るまで勇気要る
ヘリコプターからバラバラと女子供を無差別に射殺する兵士の顔は
本当におぞましく
ヤな映画!!
前後半で異なる二部構成
前半は、キューブリック監督ならではの「一点投資図法」×「軍隊の規律」が相まって、奥行きのある美しい構図での訓練シーンが淡々と続く。対して後半は躍動感があり、戦場の緊迫感が楽しめるという2部構成。途中でベトナム戦争について調べながら視聴したが、戦場でもし自分がエンディングのようなシーンに遭遇したら、どちらを選択するのだろうか。
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