フルメタル・ジャケットのレビュー・感想・評価
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ようやく見ました
結構、キューブリックは見て来たつもりだけど、なぜかこの作品は見てなかった… いわゆる戦争の狂気系を感じて避けてきたのかなぁ。
いざ見てみると、訓練中のシーンはやっぱり良いね。整列してジョギングしているところとか。むしろこの訓練シーンだけで1本の映画が撮れたのではと思う感じでしたね。
ただ、戦闘が始まると、まぁ大事なところで分かりやすいスローモーションとかズームがあったりして、はたしてこれで良いのか、迷ったですよ。
なぁんか、どこか、いま一歩という感じがあるなぁ。なんか、長すぎる気もするんだよなぁ。
ただ、最後に炎をバックに歩くシーンは良い絵だったね。
と、まとまらない書き方になる映画…ということで、はい。
敵凄腕狙撃手の正体とは
総合80点 ( ストーリー:75点|キャスト:70点|演出:85点|ビジュアル:80点|音楽:65点 )
一兵士の体験するベトナム戦争を衝撃的に描く。「プラトーン」「ハンバーガー・ヒル」と並んで、80年代後半に作られた現場の兵士たちの生々しい体験を見せるという新しい視点の戦争映画の一つである。国のためとか何が正義かとかそんなお題目や戦場で勇敢に戦う英雄のことはどうでもよい。普通の兵士たちが戦争で何を見て何をして何を感じたのかだけを追いかける姿勢は、間接的表現による難解な作品もあるキューブリック作品の中で、視聴者に直接的に現場の雰囲気をそのまま伝えてくる。海兵隊らしさを表す言葉の汚さや態度は本当にこんなものなのだろう。
この作品は独特な点が二つある。前半の訓練の場面とベトナムでの場面という大きく二つに分けられることと、密林での集団戦ではなく一人の狙撃手との市街戦が描かれることである。しかし結局その背景には狂気が描かれているようにも思う。訓練についていけずにへまばかりしでかす太っちょが変調をきたしていくし、戦場の中での常識が日常生活での常識とかけ離れていくのもまた戦争の副産物だろう。
そして凄腕の狙撃手との戦いがこの作品の大きな見せ場となる。敵から身を隠して敵兵士をわざと殺さず動けないように狙撃し重傷を負わせるだけにとどめ、それを助けに来る兵士をおびき寄せてさらに撃つことによって敵により大きな損害を与えるというのが、狙撃手の作戦なのだそうだ。目の前で苦しみながらもまだ生きている戦友を罠を承知で命を懸けて助けにいくのか、それとも安全策を取って応援がくるのを待つのか、あるいはそれ以上の犠牲を避けるために戦友を見捨てて撤退するのか。美術も戦闘の描写もとても質が高かったし、この狙撃手との戦いをこれほど上手く迫力のある表現をしているのは見事だった。そしてこれだけ味方を冷酷に破壊し殺していく凄腕の敵の狙撃手の正体がまた衝撃的であり、凄惨な戦闘の結末を締めくくり戦争の現実の厳しさを物語っていた。
完成度高いです
非常に完成度が高く、前半 後半 と一気に進みます
かなり面白いです
ただリアリティにはやや欠けます
傑作なのは間違いないです
私は何度も観ていて本当ならもっと高い採点を与えたいですが、あえて正当に採点評価しました
『プラトーン』に始まったベトナム戦争映画ブーム、ここに極まれり。
オリバー・ストーン監督の出世作『プラトーン』に始まった何度目かのベトナム戦争物、ここに極まれりだ。
この『プラトーン』に始まったベトナム戦争物のブームの特徴は、本国が舞台ではなく、敵国であるベトナム、ジャングルを舞台にしてあることが大きな特徴である。
しかし、その多くが、ジャングルが舞台であるが、この『フルメタル・ジャケット』の舞台は、市街戦である。
そして、その描き方は、鬼才・キューブリック監督らしく、それまでの映画にあったヒューマンなところは、一切、ない。
死亡している敵兵士に、米軍のヘルメットを被せ、おどけながら記念写真を撮る米軍兵士。
おそらくは、実際の多くの兵士は、バーンズ(トム・ベレンジャー)とエリアス(ウィレム・デフォー)との間で、生真面目に“善”と”悪”とに揺れるクリス(チャーリー・シーン)などではなく、こうであったのだろう。
そういうリアルな様子を、キューブリックは、手持ちのカメラでリアルに演出する。
ただ残念な事に、この映画は、訓練基地と戦場と2部構成になっているのだが、その第1部である訓練基地でのいじめは、あまりにも図式的で、どこかで観たような感もある。
しかし、ストーンズ等の音楽の配し方、最後のビルディングでの攻防など、やはり、キューブリックだ。
余談ですが、アメリカの戦争映画では、必ず味方兵士がやられると、まだ、攻撃を受けていない兵士が、助けに行く。
どうも、これは事実のような臭いがする。
優秀な兵士などいくらでもいるさと言わんばかりに、次々、見捨て、最後の方では、まともに操縦できるパイロットもいなくなった国とは、大違いだ。
ベトナム戦争映画の最高峰
たぶんテレビ放送が難しい作品だと思う。
放送禁止用語乱発の前半、訓練所シーン。
陽気なんだけど、後半のリアルな戦場シーン。
きれいごとでは終わらせない。
戦場の日常をここまでリアルに描いた作品は
他にはないと思う。
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