フルメタル・ジャケットのレビュー・感想・評価
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そんなに…??
2001年宇宙の旅や時計じかけのオレンジ、博士の異常な… などを観て、キューブリックの戦争映画ってどんなだろう?と観てみた。
訓練兵時代の前半と、戦地の後半に別れている。前半は殺人人間をつくる異常空間が、よく伝わってくる。
それから、なんといってもデブ兵が狂気に囚われるシーン。支配する側とされる側の関係性を狂気で覆すという、斜め上をいく展開だった。
前半と後半は、印象がだいぶ違う。戦争の残酷さを描きたいのは伝わってくるけれど、いまいち何に焦点をあててみればいいのか、話の筋がまとまっていないんじゃないか?? 起承転結がなくばらついたイメージがある。
特に前半で描かれていた、ジョーカーの二面性。不条理を嫌う意思の強い善良な性格な反面、いじめに荷担してしまうという残酷さ。その二面性が戦争によってどう変化するのか、中途半端で終わっている。
戦争の残酷さを描きたいなら、ドキュメンタリー的に流して見せるんじゃなくて、もっと脚本練った方がいいと思う。ただ衝撃的なシーンを見せるんじゃなくて、もっと人間の内面に迫った脚本が必要だと思う。
衝撃的な反撃の一撃を放ったポッチャリ兵士はたいそうをかしかった。あのポッチャリは教官に共感していたと思ってたのにぁ
この映画は前半と後半で内容がガラッと変わって二本立ての映画を観ているみたい。
戦争がない国では受験戦争。
人間は戦争とは切って切り離せない関係なんだね。
自分の英語力のなさを痛感します。
これは痛快なセリフに面白さが詰まっています。
多分、字幕じゃ100%表現しきれてないから。
もっともっと、直接的な表現として翻訳してほしい。
なんか、すごく柔らかい表現にすり替えられている気がする。
それじゃこの映画の良さは半減するのに!!!!!!!
この映画は前半と後半で内容がガラッと変わって二本立ての映画を観ているみたい。
あたしは前半の方が好きです。
鬼教官の調教や環境によってデブの精神がぷつぷつと崩壊していく様に、引き込まれるからです。
話はジョーカーを中心に進んでいきますが、最後まで、そこまでジョーカーに感情移入が出来ないのは、この映画が常に第三者の目としてジョーカーの周りを淡々と映しているからだと思います。そこが、いい。
途中戦士へのインタビュー風の映像があることからもそれがわかるように、戦争を客観的に映し出そうとしている。これが他の戦争映画との大きな差異ではないでしょうか。
2010/6/10@メディラボ
イギリス映画
監督:スタンリー・キューブリック
主演:マシュー・モディーン
ヴィンセント・ドノフリオ
公開日:1987年6月26日(米)
1988年3月19日(日)
制作費:$17,000,000
キューブリックのベトナム戦争
7.6MM Full Metal Jacket. 狂気を見事に描いたキューブリックの戦争映画
今では何の大儀もなかった事がわかってしまったベトナム戦争を描いた作品。いわゆるアメリカお得意の戦争をする為の戦争だった訳ですが、その中でもきっと現場の兵士は国の為、仲間の為と思って戦っていたんだろうなと思います。
前半の兵士を作り上げていく過程は目を見張る物があります。段々と狂気に陥っていく新兵の目つきが印象的です。おデブの新兵が愛しそうに銃を見ている目つき、怖すぎます。
後半のベトナムでの市街戦、長回しで画面に引き込まれます。CGもない時代に良く撮ったなと感心します。さすがキューブリック。これだけ時代が経った今観ても何の遜色もない良くできた戦争映画です。
撃って。
戦争とは。
普通の若者を戦争で人を殺せるマシーンに調教し、軍隊における絶対服従とホモソーシャルな繋がりを叩きこむこと。
狙撃兵がいかなる人(女、子供)であっても、躊躇いなく殺すこと。「撃って」と少女に言わせること。
沢山の人を殺すこと。私があなたが殺されること。
一体なんなんだ、戦争ってなんなんだ。シンプルに思いました。
無意味な現実に「夢の国の歌」が頭の中でノーテンキに連呼します。
面白かったー!
「セッション」を映画館で鑑賞した後に自宅で観たので、鬼教官とデブの関係がフレッチャーとアンドリューに重なり、変な既視感を味わうことになった。直接的な暴力はもちろん、立場を利用した精神的な攻撃で若者の心の隙間を破壊する描写はとても痛々しく変な汗をかいてしまった。
キューブリック監督のカメラワークは最高にクールだ。手ブレなし、長回し、画面の奥の奥まで被写体を捉えた広角レンズの臨場感と情報量。そこに写し出された圧倒的な映像がジワリジワリと脳を刺激しアドレナリンを放出させる。本作でも狂気が渦巻くシーンですら映像は美しく、むしろ目の保養になるぐらいの視覚的心地よさを感じた。
背景の奥に溶け込んで動く人間が多いのもポイントで、主人公達が途方もなくスケールの大きな戦争のワンピースに過ぎず、ミラクル弾除けで勝利に導くありがちなアメリカン英雄列伝ではないと分かる。ベトナム市街地戦を描く後半の体感時間は長く、戦闘シーン以外でも、いつ誰が死んでもおかしくない緊張感が漂っているため神経がすり減った。
全ての演技が素晴らしいのだが、ピンポイントで気に入ったシーンがある。それは広報部に配属された主人公がお供のカメラマンとヘリコプターに乗り込み移動するシーンで、機関銃で女子供を撃ちまくるクレイジーな兵士とインタビュアーが交互に映し出される。乗り物酔いしたカメラマンが吐き気を催しているのが徐々に分かるのだが、吐きそうで吐かない、その演技がビックリするほど表情豊かでリアルなのだ。目をこすり何度も口を閉じ体勢を整える。口を開けるが何も出ない。平静を装いつつも徐々に瞬きの回数が増えていく。すげーリアル。重要なシーンではないため、登場人物の誰も彼に声をかけない。カメラもフォーカスしない。もしかしたら本当に役者が酔っていたのかもしれない。ただ、これを見てしまったら他のありとあらゆる映画の吐き気シーンが生ぬるく感じてしまうだろう。吐き気演技のアワードがあったらぶっち切りのベストアクトに選んであげたい!
難しい
フル…メタル……ジャケット!
さすがキューブリック!!
二度目の鑑賞にして、またもや衝撃。
初めて見たのは多分10代終わりかハタチそこそこ。
さすがキューブリック作品だなと思いました。
前半での訓練学校はひたすら卑劣な言葉を楽しむことができます笑
あのデブの人の狂っていく様子もまたよし。
後半の舞台が戦争となってからの銃撃戦なんかでは緊張感もあり、集中力が高まりました。
音楽の使い方も素晴らしくて、なんか、もっとキューブリックの映画が見たいって思いました。
最後のシーンであの歌を使うあたりもいいですね。
そして、カメラワーク。
奥行き感。
臨場感てゆうの?ホント、どこで撮影してるの?ってゆう。
これは戦争映画ってゆうか…あくまで兵士たちの映画って感じだったけど、すごく面白かったです。
キューブリックはやっぱり面白い!
世界の残酷さ
カナザワ映画祭2014の爆音上映で見た。
ハートマン軍曹の号令が楽しい。ひどい罵声で、兵士の人格を改造するためのメソッドであると言われているけど、明らかにノリノリだ。そうじゃないとあんなに豊かなワードセンスになるわけがない。そんなひどい号令を爆音で見れて最高だった。ハートマン軍曹の掛け声はミニストリーの『Thieves』という曲でサンプリングされていることに気づいた。すごく好きな曲だったのにこれまで気づかなかった。
前に見た時は誰が誰だかさっぱり分からなくて、微笑みデブが頭を自分で吹っ飛ばすところと、敵の凄腕スナイパーが女だったことしか印象になかった。今回は役者に注目していたら、明確にジョーカーが主人公で彼を中心に描いていた。3回目くらいでやっと気づくとは非常に情けない事だ。彼は、ピースマークのバッチをつけるなど反骨精神のある男で上司にも楯突いてばかりいた。
冗談でも言わないとやっていられないのか、米兵がひどく悪趣味なジョークを連発しているところがかっこよかった。
微笑みデブはせっかく銃の腕前を認められそうになっていたところだったのに残念だった。
戦場場面は奥行きがすごくて、基地にジョーカーが配属されるさいにテントまで歩くとき、他の兵隊がなにか作業したり移動している様子がどこまでも広がっている感じがした。日本映画の時代劇では画角を狭くしてなるべく奥が見えないように努力していて、それはそれで頑張っているのだが、すごく差を見せつけられている感じがした。外国映画でもキューブリックだからこそというものでもあり、これぞ映画!という見ごたえがさりげなくある。
社会や世界は容赦なく残酷で理不尽極まりない現実がまかり通っている事をリアルにきちんと描いていて素晴らしい映画だった。
彼の視点
戦争映画
戦争映画は苦手で避けてきたのですが、最近、キューブリックの作品を巡っているので観ました。
音楽の使い方がとても印象的で、特にラストシーンの誰でも知っているあの曲の使い方は、キューブリック特有の使い方だなと思いました。それと同時に、戦争の狂気もよく表していました。
ユーモアあるセリフもキューブリックならではだと思います。卑猥で卑劣なセリフもユーモアですね!
俳優達の演技もとてもリアルで、「人を殺す目」がとくに印象的で、敵地の前線で戦う兵士役の俳優からは、雰囲気で何人殺したかわかるくらいでした。
音楽、セリフ、俳優の演技で、戦争の狂気がよく出ているのと同時に、キューブリック特有のモノがわかる作品だと思いました。
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