愛のメモリーのレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
妻とそっくりだが、彼女の歩き方は“ブリン・マー・ウォーク”だった。このブリン・マーという言葉が妙に引っかかる。 デ・パルマ・ファンの中にはこの映画が最高傑作だと評する方も多い中、単に、デ・パルマの原点としか言えない自分が悲しい。それほど愛着がないとかで・・・
ストーリーは共同経営者のロバート(リスゴー)が最初から怪しいと感じていたのに、なぜか後半になってからはよくわからなくなっていた。結局は不動産会社を独り占めしようと誘拐事件をも計画していたロバート。妻子とも犯人の逃走車に連れ込まれ、死んだと思わせていた。が、実は娘のエミリーは生きていた!犯人の一味がイタリアへと連れて行き、今回の事件をも計画していた・・・て、なんて気の長い計画なんだ!!
最初の事件では警察が「現金は必要ない」と言ったもんだから、その通りにカバンを投げ捨てる。それがずっと気にかかっていたマイケル(ロバートソン)。またしても誘拐。今度こそは現金を渡すぞ!なんて意気込みも、ロバートの画策によってまたしても現金を入れなかった。カバンを取りに来たのはサンドラ。愛が感じられないと嘆いて、ローマへと帰途につく飛行機内で自殺未遂。計画を全て知ったマイケルはロバートを殺し、拳銃を持って飛行場へ・・・故障で舞い戻ってきた飛行機。そしてサンドラ=娘のエミリーと再会。そこでスローモーション撮影となり、抱き合う2人の周りをカメラがぐるぐる回る。
拳銃を持ったマイケルは自分をだましていたサンドラを撃つのか?!とハラハラさせる展開は、普通の生き別れた親子の対面へと落ち着く。自殺未遂にしても、死んだのではないか?と思わせる手法だし、ストーリーよりギミックの映画って感じだな・・・
蔭のある雰囲気作りだけが印象に残ったが、犯罪作品としては駄目
総合45点 ( ストーリー:35点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
蔭のある映像と音楽が作りだす、主人公の苦悩と心の闇を表すような独特の雰囲気が印象に残る。だけど同じ事件を再現しようとしたり物語は強引なうえに、証拠を集めたり関係者をあらったりする犯罪捜査のことは一切描かれず、犯罪ものとしてはおおいに不満が残る。そもそも大きな投資をする前で金を準備しているときにうまく犯人が家に入り込んだりして事情をよく知っているようだし、これだけ内部犯を思わせる状況が揃っていれば、観ている側としても犯罪の裏側もある程度は想像もつくというものだ。二度目の犯罪は言うに及ばず。結末も、犯罪のことを何一つ解決しないまま終わっていて、これでは今後いったいどうなるのだろうか。結局描いたのは、妻子を失った主人公の長きに渡る喪失感と後悔と贖罪の気持ちだけ。これでは一つの作品として不十分で、見終わったときに満足感がありません。
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