劇場公開日 1978年1月28日

「スリリングでロマンチックなデ・パルマ・サスペンス!」愛のメモリー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5スリリングでロマンチックなデ・パルマ・サスペンス!

2012年12月16日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

知的

松崎しげるの代表曲…じゃなくて(笑)、

ブライアン・デ・パルマ監督による1976年のサスペンス作。
実業家マイケルの妻と娘が何者かに誘拐され、警察の追跡中に事故で死亡。
16年後、マイケルは妻そっくりのサンドラと出会う。
たちまち恋に落ちるが、サンドラが誘拐され、あの時の事件が再現される…。

陰謀サスペンスや謎解きとしてもさる事ながら、愛に囚われた男が辿る運命がスリリング。
事件の真相やサンドラの正体など大方予想はつくが、一種独特の作風に魅了される。
名カメラマン、ヴィルモス・ジグモンドによる映像も印象に残る。

物語の運び方、カメラワーク、バーナード・ハーマンの音楽や謎めいた美女…。
言うまでもなくこれは、デ・パルマがヒッチコックに捧げるオマージュ。
スリリングでもありロマンチックな作風は「めまい」を彷彿させる。
当初はヒッチコックの真似事と散々叩かれたデ・パルマだが、ヒッチコックの精神を受け継ぎ、独自の作品として昇華させている。
叩かれる筋合いなど無い、極上のサスペンス!

近大