「青春群像劇としてはやや混乱していて感情移入しにくい。最初のカフェテリアでのセッションが素晴らしい。」フェーム あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
青春群像劇としてはやや混乱していて感情移入しにくい。最初のカフェテリアでのセッションが素晴らしい。
この映画を語るときよくドキュメンタリー風と評される。入学のための各科(演劇、舞踊、音楽)のオーディションが冒頭から延々と続く。入学自体はお金を払えば可能だが(出来が悪ければ途中で退学にはなる)スカラーシップの枠を審査しているのでしょう。(黒人やプエルトリカンは優先されるので有利というセリフもあった)面白いのは勘違いともいえる受験者。例えば演劇科を受験したタワーリンクインフェルノのシーンを延々と模写する女性など。ちなみにこの人はエンドロールで「タワーリング・インフェルノ パフォーマー」とわざわざクレジットされています。ただ演劇科を受験したけど最初はラジカセの音楽で歌うドリスのように、最初は我々観客もおかしな人かと思っていても入学して主役の一人になっていく人もいたりしてこの部分はとても面白いです。
主人公たちが出揃ったところでカフェテリアでのセッションがあります。これが本当に素晴らしい。私の中で全ての音楽映画、ミュージカルを通じベスト3に入るセッション。
さてここまで全体の四割ぐらいで、残りの尺はドリス、フランソワ、ラルフの演劇組、ブルーノ、ココの音楽組、リロイ、リサ、ヒラリーの舞踊組の3組に分かれて、それぞれの教師や親も絡みながら青春群像的な展開となります。ここがゴチャゴチャして理解しづらく筋を追うのが精いっぱい。学生の段階では誰も成功はしないわけで、挫折の苦さをそれぞれが味わうことになるのですが、今ひとつ胸に迫ってきません。そうこうするうちに大定番である卒業公演が始まって大盛り上がりで映画は終わるのです。
前半の素晴らしさからしていま一つの消化不良気味だったなという印象を受けました。
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