「浅はかさへのアイロニー」ファーゴ だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
浅はかさへのアイロニー
800円で映画館で旧作が見られる企画で見ました。TOHOシネマズのこの企画いい。来年もやってほしい!
さて、ファーゴの感想ですが、面白かったです。
グロい描写が私には無理かもとの心配がありましたが、この映画のグロいところは許容範囲内でした。
ジェリーがお金のトラブル(借金?)の解決のため、お金を義父からせしめたくて企てた狂言誘拐。ジェリーと犯人役の二人組は最初からツメが甘い。待ち合わせ時間は勘違いだわ、報酬の支払い時期の食い違ってるわ。
この小物たちが目先の欲と詰めの甘さで事態は予測不能な方向へ進み…
誘拐犯たちがポカをやらかした後始末に先ず3人殺害。
そしてフランシスマクドーナント演ずるマーゴという妊婦警官が捜査を始めます。
バイオレンスはそんなにきつくなかったです。顔を背ける必要のない感じ。
滑稽で浅はかな男たちを、マーゴのナチュラルな真っ当さと対比させ、それでもって映像で人物像をするりとトレースし、さらにその人物への悪意まで映しておられます。
これを作り手の手腕と言わずしてなんと言う?です。すごーいとおもいました。
可哀想に、狂言誘拐の果てに殺されてしまったジーンでさえ、若干馬鹿にしてるやろ?と言いたくなるような映し方!
だっさい手編みくさいカーディガンにおかしな髪型!野菜の切り方!わーイライラしそうな女だー。もうちょい好意的にできなかったものかね。
監督さん意地悪やわー。嫌いじゃないけどさぁ、性格悪いよねw
映画ファンたちがコーエン兄弟を賞賛している訳がわかったような気がします。
2作しか観てませんが。
他にも以下のあたりでニヤッとしてしまいました。私も相当性格悪いよね。
①喋りすぎる方の誘拐犯の歯並びと小物感(ねずみ男みたい! 証人に全体的に変な顔って二回もゆわれてた)
②マーゴが警官?部下?にナチュラルに冷たいところ(コーヒー捨てたwノームとの差よ)
③ジェリーの義父から全く信用されてなさ(どこまでも小物扱いw)
浅はかで見栄っぱりで欲深くて、自滅していったジェリーと誘拐犯たち。
ラストのマーゴのナチュラルな正論の切れ味ったら…
あぁ、こわやこわや。
素晴らしいオチでした。
面白かったです!!
楽しい!とか幸せ!とか希望!とかの、胸キュン要素がまったくないので星は4つですけどw
面白いです!!