ファーゴのレビュー・感想・評価
全117件中、1~20件目を表示
グラデーションの価値観。
◯作品全体
保険金目当てで妻の誘拐を依頼したことをきっかけに、どんどんと大事になっていく物語。
誘拐を依頼したジェリーの行き当たりばったりな行動や、実行犯・ゲアの躊躇の無い残虐な行為、そして事件解決にあたる妊娠中の刑事・マージの存在感…印象に残るシーンが多々あったが、個人的に一番面白いと感じたのは、登場人物たちの価値観がグラデーションのようになっていることだった。
価値観について、未来をお腹に宿したマージと対照的なのは、まぎれもなくゲアだ。順風満帆な家庭を持つマージには暖かな人間性が存在するが、ゲアにはそれがない。自分にとって不要な物であればすぐに実力行使に及ぶし、必要がなければ会話もしない。冷え切った人間性が随所で表現されている。
その二人の間に価値観を置くのが、ジェリーとカールだ。ジェリーはどちらかといえばマージ寄りに価値観を置く。妻や子を積極的に傷つけるつもりはなく、仕事では相手の気持ちを慮ろうとする様子もあった。ただ、マージと違うのは自分の都合次第では相手を突き放す行動に出ることだ。それでもカールのように実力行使に出る勇気はなく、社交性の裏に小さな悪意を隠していて、マージとカールの間に価値観がある。
カールはゲアのような純粋に尖った感情ではないが、カールのような善性もない。悪意の裏に小さな社交性を隠しているような人物だ。ゲアに反抗するような勇気はないが、自分より弱い人間は平気で殺す。ジェリーとゲアの間に価値観を置くような存在だった。
こうした階調的なキャラクターの価値観は、マージとゲアのような対極にいるような人間でもグラデーションを通して見るとそれぞれの価値観は地続きである、ということを印象付けたかったのではないか。
暖かそうなベッドで夫と他愛のない話をしながらテレビを眺めるマージと、殺したジェリーの妻をそのままにしてテレビを見ながら食事するゲア。一見まったく違う環境に見えるけれど、テレビという共通点や、二人の間に価値観を置くジェリー、カールを通して見ると、決して別世界ではないことがわかる。そのことにユーモアを感じる部分もあるし、一歩間違えばゲアのような価値観になるという恐怖もある。ゲアは殺人兵器ではなく、同じ地域にいる人間なのだということを主張しているように感じた。
ラストシーンでは、価値観の対極にある二人が同じ車の中で同居する。幸せについて語るマージを聞き流しながらポールバニヤン像を眺めるゲア。同じ車内に居ながら同じカメラに収まることはなく、居場所を同じにしながらも遠い存在のように映る。バニヤンの逸話のように幸せがおとぎ話に聞こえるゲアにとっては、価値観は階調ではなく対照のものなのかもしれない。
グラデーションの価値観による物語の俯瞰は、実際の事件のように登場人物をリアル描写していた。
〇カメラワークとか
・ファーストカットとラストカットが同一…ではないけれど、似たような演出になっていた。真っ白な画面から白い雪景色が見えてきて、冒頭ではレッカー中の車が、ラストではパトカーが見えてくる。すべて白い画面でありながら少しずつ色や影が付いてくる演出は、価値観のグラデーションという部分に合致するものだった。
・マージは真正面から表情を撮るカットが多い。隠し事のない、正義のような印象。それでいてセリフや仕草はすごく人間臭さがあった。
〇その他
・途中で出てくるヤナギダはマージとジェリーの間に価値観を置くような人物だった。悪意を顕在化させることはないが、マージに近づくために嘘をつく。そんな自分に自己嫌悪する感情はある…というような。
同じ学校に通い、同じ時間を共有した友だちでありながら、一歩踏み込めばジェリーのように犯罪に手を染める。マージにとって危険な色へと進んでいくグラデーションを意識させる存在になっていた。夫に「私たち、幸せよね」と訊ねるシーンは、自分が黒ではなく白であることを確認するような場面だった。
・冒頭の「事実に基づいた」という嘘情報は、何度も映るバニヤン像で嘘だとネタバラシしていたんだなあ、と、終わってから気づいた。
・ジェリーの考えてるようで全然考えてない感じ、一番実際に居そうな感じ人物だった。こういうタイプって同じような人間には好かれるけど、それ以外からはトコトン嫌われるんだよなあ。
・『ノーカントリー』もそうだったけど、コーエン兄弟の作品に出てくる悪役って容赦ない。めちゃくちゃヤバイやつなのに、社会になんとなく潜んでいる感じが怖い。
Ages like a Statue
After two decades have passed, we can admit with confidence that Fargo is one of the most all-around completed films in history--a knot made out of a single piece of yarn loop. Its revelations are cinema at its best . The bad guys are stuck in a quicksand rut between evil and hyper-evil, played by silent Swede Stormare. McDormand's acting skills are worth further study after her recent Oscar win.
だんだんと泥沼化していく展開がコントみたい
だんだんと泥沼化していく展開が面白い。コント見てるみたいだった。
良かった点は、女性警官がめっちゃ良いキャラだったこと。気だるい感じで頼りなさそうなのに、頭の回転早いギャップが良い。
女性警官の旦那さんも優しそうな人柄が好き。2人のシーン見てるだけでほっこりできる。
2人の好きなシーンは旦那が朝ごはん作るとこと、仕事場で一緒にハンバーガー食ってるとこ。台詞少ないのに仲の良さがよく分かる。
マイクとのシーンは男の気持ち悪さがリアルだった。しかも全部話がウソだったの怖...。隣座ろうとして一瞬で対面に戻されたのは笑った。
最後の「お金より大切なものはそのへんに転がってる」みたいな台詞が引っかかった。
正直自分は「お金が全て」って考えだからなぁ。そのうちお金より大切なもの気づける日は来るのだろうか。
アカデミー賞受賞も納得の良作
コーエン兄弟お得意の不条理な人間模様を描く作品。様々な登場人物の思惑が混ざりあいどんどん状況が悪化していく様をブラックジョークを交えながらストーリーは思わぬ方向に進んでいきます。警察署長マージ夫妻でさえも多少変わっている人かなと思わせる絶妙な脚本が素晴らしいです。こちらの作品は以前から鑑賞したかったのですが、動画配信で気軽に観れるとは嬉しい限りですね。
白に赤
何十年も昔
歩いて徒歩5分の所にTSUTAYAがあった
そこで借りて観て衝撃を覚えた作品
アマプラで無料配信終了のお知らせで改めて鑑賞
あんなに衝撃を受けた割にはなんだか淡々と話は進み、クライマックス的な所もあまりそうではなかった。
まぁ、死体ミンチはすごいんだけどね。
主役である妊婦刑事の登場もかなり遅い
話は借金で首の回らない男
それに雇われた強盗犯
それをなんとなく追っていく妊婦刑事
この3つのいわゆる群像劇のような感じで話は進んでいく。
これはいらないのではないか…みたいなストーリーもそれぞれの背景と生き方を表しているようで無駄ではないのかも
特に妊婦刑事のドラマは面白かった
死体を見てもケロッとしてるのにつわりで嘔吐したり、やたらお肉をたくさん食べる食事シーン
妊婦という設定含めて1番生命の濃いシーンが多かった。
どこまでも白い白い景色
すぐに凍る車の窓ガラス
みんなが観戦するのはアイスホッケー
この辺からお国柄がわかる
てか、お金を得るために妻が誘拐させる茶番劇をよく考えついたなと、呆れると共に少し頭いいなぁとか思ってみたり…
途中途中にあまり関係のなさそうな画像がアップで映る
テレビ画面や街の巨像
なんとなくドキッとする
微妙な演出だけど心に残る
その群像劇が交わりつつあるところで計画にどんどん綻びが生まれてくる
必要のない殺人が続々と
若かった時に観た衝撃はなかった
そもそもなんであんなに衝撃を受けたのかすら覚えてなかった
いい年こいた今、改めて鑑賞して思ったのはお金ではない幸せ
そしてそんな幸せはあちこちに転がっている
このことがすべてなのだと思った
それはラスト、あと2ヶ月で誕生する生命への期待と愛する夫との幸せ。それが彼女にとっての幸せ
その幸せがすべての人々の幸せとは当てはまらないのかもしれない。
さまざまなな形の幸せはあちこちに転がっている
そんな一例が夫婦の幸せなだけであって、自分自身の幸せを得るために生き方を改めて考えようと感じた一見凄惨な殺人事件の話ではあるのだろうけど個人的にはそんなメッセージを受け取った気がする
時を超えて今、改めて鑑賞してよかった作品
あまり監督、俳優を意識せず映画を観ている私がめずらしく名前を覚えた「コーエン兄弟」作品
やっぱり好きだ。
おそらくら公開時に映画館で観てない気がする。TSUTAYAでDVDを借りたのかなー?
正直どんな作品だったかあまり記憶がなかったが、面白かったという記憶はある。ただ、また観たいには、今日の今日まで至らなかったのが事実。
そのきっかけになったのが、ツインピークス。当時はやはりTSUTAYAで借りて観て、途中で断念してしまったことを悔やみ、ほぼ、一気見に近いかたちで観終えた。オフビートのコメディサスペンスという、絵も言われぬジャンルに今でも色褪せない面白さと、デビットリンチ十八番の夢や異次元的なシーンが絡み合い、独特のトーンに、あらためて痺れた。
なぜか、この作品を観終わったのち、無性にファーゴが観たくなった。Yeahの独特のリズムと特別な設定ではなく日常を舞台にしたオフビート感が、自分の中でシンクロしたような気もする。
何かに呼ばれて作品を見直す。しばらくこの繋がりを楽しみたい。
※Primeでの配信は10日間以内にで終了とのこと。寂しい限り。
これがオスカー...?
主人公?の男のしょうもなさが笑えるくらいで、正直面白さがさっぱり分からなかった。
映画全体に漂うアメリカの田舎特有の閉塞感みたいなものも好きになれない。
誰にも感情移入できないまま終了...
受賞歴が“6倍役満”の映画。コンテンツレーティングもすごいことになってるし。なのに…虚無感と苛立ちだけが残った作品。
アマプラでは、コンテンツレーティングが、肌の露出・暴力・飲酒・喫煙・ 暴言,・性的なコンテンツと、大変なことになっているんですよね。その上ジャンルがコメディ/サスペンスなんだから、訳わかりません。
予習にチラっと.com様のページを覗いてみました。なんと!100件超えのレビューがあるじゃないですか!超高評価で面白いらしいじゃないですか!
しかも、各種映画祭では、素晴らし過ぎる受賞歴じゃないですか!
特にインディペンデント・スピリット賞でにおいては、作品賞や監督賞を含む、候補になった6部門全てを受賞すると言う快挙を成し遂げたとあるじゃないですか!
麻雀で例えたら親で、かつ「大四喜・字一色・四暗刻単騎・四槓子」の6倍役満でアガるみたいな?アカギも顔面蒼白みたいな?←詳しくないので“6倍役満”でググってみました。毎度毎度余計なことです。(余計ついでに書くなら、それ6917京回に1回しか起きない確率らしいです。もはや宇宙規模の数字です)
もといです。しかも実話ベースのお話じゃないですか。俄かに興味が湧いて鑑賞を決めました。
オープニングのテロップを読むと、かなりヘヴィーな内容のようです。音楽も重いよ!
これ『ベイビー・ブローカー』や『岸和田少年愚連隊』の時にもつくづく思ったのですが。
私、映画を見る目が本当にこれっぽちもないんかなぁ…と。
これだけの受賞歴がある作品にも関わらず、心がピクリとも動きませんでした。
好き嫌い以前の問題です。虚無感と苛立ち。そんな物が残っただけの感想です。
一個だけ「ひょっとして、これが笑う所なの?」と思ったのは、ハンバーガーとミミズのくだりだけでした。
しかも、全然笑えませんでした。
コメディー要素のある作品らしいので、わかる人にはわかる小ネタが、あちらこちらにちりばめられていた思うのですが、私にはそれがさっぱりでした。なので余計にイライラしました。
てか、最初からしておかしいて!ずっとおかしいて!
普通、パトカーってふたり一組で行動するんとちゃうのん?今まで観てき映画ってだいたいそうでしたもん。
本作を観ての収穫は、このレビュー書くために調べた“6倍役満”の件だけでした。
これだけで 断罪してしまうのは、観てきた1時間半が勿体ないので、作品について少し調べてみました。
実話ベースではなく、全くのフィクションだったのですね。「だからそれが何やねん!」というのが正直な思いです。
しかもコメディという点でも、アメリカ人の感性でなければ理解できないという内容らしいじゃないですか。
全く白けてしまいました。
それこそ「あぁ!時間勿体なっ!」でした。
実話っぽいフィクション?
まるで、最近起きた那須の遺体焼却事件のような展開、冒頭で実話とあるがエンドクレジットではフィクションと出る、コーエン兄弟のブラック・ユーモアらしい、同様にタイトルのノースダコタ州東部の都市ファーゴも冒頭で実行犯に合うために訪れる街でそれだけ、大半はミネソタ州のミネアポリスとブレーナード、コーエン兄弟はファーゴの方が語呂がいいからと言っている。
犯行の裏側を含めてつぶさに描くから動機も犯人も明確でサスペンスや、ミステリー感はない。なにが見どころかといえば実話っぽく描くことで犯罪を犯す人間の愚かさ、怖さのリアリティに挑戦しているところでしょうか。アカデミー賞からカンヌまで多くの賞をとった作品なので私みたいな素人がけなすのは意味がないだろうが、B級映画にしか思えませんでした。
無邪気さと悪意のミックス‼️
このコーエン兄弟の最高傑作で描かれるのは、偽装誘拐、殺人、詐欺、ミネソタ州、雪景色、変な訛りとおかしな人々、妊娠した警察署長‼️しかも一見サスペンス映画のようでありながら、ブラックコメディという調味料が大量にまぶしてあります‼️多額の借金を負った自動車セールスマンのジェリーが、自らの妻を偽装誘拐し、自動車業界の大物である妻の父親から身代金を騙し取ろうとする。知り合いから前科者二人を紹介してもらうが、彼らは誘拐の際、警官と目撃者を撃ち殺して殺人事件に発展させてしまい、事件の責任者として妊娠中の警察署長マージが捜査に当たるが・・・‼️雪の白一色の画面に徐々に車が現れる、しびれるようなオープニングシーンの素晴らしさ‼️登場人物も、どんどんドツボにハマっていくジェリーを始め、前科者コンビもホントにクレイジー、娘を助けたいけど無駄に金は出したくない父親、マージの夫もはじめは変わってるように見えるし、マージの知り合いの日系人が妻に死なれたと嘘をついて、マージを口説こうとする‼️白い雪に囲まれたミネソタ州で人間が狂気に染まり、それを通り越してブラック・ユーモアに浸かっているような世界観ですね‼️白昼堂々に行われる誘拐シーン、夜の雪景色の中で警官と目撃者の殺害シーン、屋上駐車場での身代金受け渡しのシーン、湖畔で前科者が相棒を "処理" してるシーンなど、サスペンスで、ホラーで、グロテスクなシーンもどこかユーモラスで笑ってしまう‼️キャラクターではやはりフランシス・マクドーマンド扮するマージが素晴らしい‼️二人の売春婦の話を聞くシーン、ジェリーにキレられるシーン、知り合いに説かれるシーンに見られる、目を丸くさせた不思議な表情で、作品の根底にある温かさに一役買ってる‼️前科者のピーター・ストーメアを誤送するシーンの「理解できない」と言うセリフが、この狂気な世界観への彼女のダメ出しでしょう‼️そしてラスト、ベッドの上で夫の描いた絵が3セント切手のデザインに採用された事を喜ぶ夫婦の会話シーンが素晴らしく、この狂気でブラック・コメディな世界観に一筋の光を与えてます‼️完璧な映画で、ホント大好きな映画ですね‼️
トレジャーハンター・クミコから来ました
今夜(2024/04/19)、小休止を挟みつつ観ました。
タイトル通り『トレジャーハンター・クミコ』の主人公、クミコが執着した映画が何を隠そう『ファーゴ』で、そこから興味が湧き、加えて憧れの俳優であるスティーヴ・ブシェミも出演していることが、視聴の決め手になりました(笑)
本作は、『ビッグリボウスキ』の監督さんの作品で、そこかしこにその匂いが感じられます。ただ全体を通して今回の映画は空気が重く、よりスリリングです。
短絡的な男が短絡的な計画を立て、想定外のことが起こって収拾がつかなくなる展開で、主演の女性警官の有能さが嫌でも際立ちます。
中盤以降は集中して観られる反面、スロースターター感は否めず、序盤から暫くの間は少し退屈な印象でした。
ただ佳境からクライマックスに掛けてはとてもエキサイトします!
価値ある作品かと思います。クライムサスペンスがお好みの方は特に要チェックです!
without blackなblack comedy。アメリカはどうなる!白人曰く『Leave Me Alone』
2回目の観賞だと思うが。
妊娠である必要性が感じない事と、彼女の推理が台本通りでサスペンス無い事が疑問。
・警官が職務質問する時は絶対に二人いる。
黒人が余り出てこないブラックユーモア?こんなのでアメリカはどうなる!
白人曰く
『Leave Me Alone』
イエローな僕は答える。
『yes sir!!』
本当に笑って良いのかなぁ?
まぁ、演出だが頭悪い奴らばかりのサスペンス。
白とイエローとREDの血の火曜日サスペンスだねぇ♥
なんか違うんだよねタランティーノと。
『Time is money』で人生とお金は同じと理解できる。あと2ヶ月のお子ちゃまも時間を浪費して、28歳だねぇ。アンダーソンさんはアメリカだから、お亡くなりになってますよね。
説明不可能
20年ぶりに再見、以前同様の摩訶不思議な面白さ。
面白いような、おかしいような、薄気味悪いような、後味が悪いような、人をバカにしたような独特の感覚を的確に表現した批評に出会ったことはありません。
ストーリーとしては単純で振幅があるわけでもなく、映像も凄惨でグロテスクな場面が散見されますが、それらを超越した表現不可能な「クセ」があります。敢えて言えば「ブラック」ですが、それも少し違います。
犯人一味の間の抜けた慌てぶりが際立つ一方、警察も含めた周囲の人々の「他人事ぶり」のアンバランス故でしょうか?
良くも悪くも多分に感覚に訴える作品なので、絶賛の一方けなす人がたくさんいるのも大いにうなずけます。要するに好き嫌いがハッキリ別れる作品ですが、最もコーエン選手らしさが際立つ作品でもあります。
雪一面の道路の向こうからゆっくり姿を現す一台の自動車。
未だかつて最も印象的なファーストシーンです。
思ったより普通かな
実話に基づいた話と冒頭テロップされて、見始めてすぐに、随分とコメディタッチだなって思った。吹替え版で見たせいか、誘拐役の2人、ジュリーもコメディっぽい会話と声で、違和感。案の定、計画はズサンで、打ち合わせも適当で、上手くいきそうな感じがない。
それでも、ナンバープレートをつけ忘れていなければ、何とかなったのかもしれないが、これが全ての発端か。警察官を殺し、目撃者のアベックを殺し、誘拐場面でもドタバタで手際が悪い。身代金の準備も計画どおり行かず、更には、受け渡しまで義理の父にやらせることになり、父が殺され、犯人の一人カールも傷を負う。挙句の果ては、誘拐した妻が騒いだといってゲオが殺し、カールはゲオに斧で襲撃され切り刻まれる。
まあ、よくこれだけ次から次へと殺人の連鎖が続くなあと感心。適当だから、上手くいかず、それを隠蔽しようとして次の殺人が生まれる。それがブラックなのだろうけど、自分には、それほど面白く感じなかった。でも、アカデミー賞の脚本賞、カンヌの監督賞を取っているのを見て、へえーって感じ。この脚本が良いとするならば、まるで本当に起こったドジな誘拐殺人事件っぽく見えたということか。
本編以外の思い込みと言う恐怖について
もったいない映画体験をしてしまった…
スマホの画面で見るようなストーリーではなかった…
是非評価を読まず、エンドロールまで気を抜かずにお楽しみください。
(英語が分かるとなおよし)
【あらすじ】
実話に基づくストーリー。
金欲しさに自分の妻を誘拐させ、義理の父から金をふんだくる作戦と経てた主人公。
しかしそう簡単にいくわけもなく…
Twitterで謎に紹介されていた「トレジャーハンター・クミコ」がどうしても気になって、
作品の元となった本作「ファーゴ」を鑑賞。
パケ写が「ディアトロフ・インシデント」っぽかったので、前情報入れずクライムサスペンスかな~?見始めたらまさかの実話。
誘拐事件を起こそうにも全く段取り良くいかず、余計な死者まで出してしまう。
ドラマ「メンタリスト」のジェーンだったら一発で見破られてるぐらいみんな嘘が下手w
クライムストーリーなのに計画が何一つうまくいかず、これこそ実際の誘拐事件の末路なんだろう…
しかし実話のクセにこれと言った劇的な殺人犯がいるわけでもなく、
途中で事件と関係ない警察官の同級生との会話があったり、
特出して面白い展開もなくつまんねえな、なんでこんなに評価されてるんだと思わざる負えないんだけど____
ネットで解説を調べたら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おもろいwwwwwwwww
ずるいな~このやり方は。
U-NEXTの吹き替えで見たけど、エンドロール最後の英文にはさすがに目がいかなかった。
ここまで見てこその作品なんだろうな~~
当時劇場でこの作品を見ることができた人は羨ましい。
サブスクでエンドロールを飛ばすことが当たり前になった現代への”アンチテーゼ”のようにも思えた。
=======ネタバレを含みます========
この作品は実話ではなく、完全な[フィクション]
作品冒頭でわざわざ”嘘”をつくわけないという先入観のせいで
一見つまらない展開もドラマチックに、意味ありげなシーンに思えてしまう。
”思い込み”の隅をついた革新的な作品ですね。
最近ではフェイクドキュメンタリー作品が流行っていますが、
90年代にホラージャンルではなく”クライムサスペンス”という題材に目を付けた監督は素晴らしい。
モキュメンタリーの代表的な「ノロイ」や「ほんとにあった!呪いのビデオ」は
現実との境目が曖昧である”霊体”や”呪い”をテーマにしていることから
信じる人もいれば、フィクションと気がついてしまう人も多い。
しかしスピリチュアル要素のないサスペンス作品で「実際に起こった事件を基に・・・・」と導入がはいると、途端にノンフィクションであると信じてしまう心理を逆手に取ったいい手法だなと思います。
一応この映画がフィクションであると暗示するヒントはちりばめられてるみたいですね…
ぱっと思いつくのだとマイク・ヤナギダの「妻が死んだ」発言が虚言癖から来る嘘だったぐらいだけど、斧を持ったサスペンダーおじさんのオブジェにも意味があるらしい。
あとは主人公の企てた誘拐事件自体が”自作自演”なのもそうでしょうか?
なんかエンドロールの注意書きが英語で私がスルーしちゃったように、「トレジャーハンター・クミコ」の主人公もそこだけスキップしちゃったんかや?
本編ストーリーの外で騙されるのは痛快で気持ちがいいですね…
うーん、面白いと思えない自分はダメですか?
絶賛されたので、見てみたら、ちっともおもしろいと思えなかったという、自分の審美眼に問題があるんじゃないかと疑いたくなる一本。もっと自由に、面白くないと言えればいいのだけれど、コーエン兄弟に限っては、それは、映画の楽しみ方を知らない人、みたいな目で見られるんじゃないかと心配になり、つい、どこかに面白みを見つけては褒めようとする。
でも、出てくるのは中途半端な小悪党だったり、正義感に燃えてもいない警察署長が、妊娠中の母親だったり、計画が簡単に破たんしていったりと、いったい映画のなかで何が描きたいんだろうと、イライラが募っていった。ましてや、これを題材に連続ドラマを制作するなんて、正気の沙汰とは思えない。
「スリー・ビルボード」には感動したし、見終わってからもその余韻に浸っていたい不思議な気分を味わった。この映画が無ければ、それもなかったわけで、そういう意味で、今日のコーエン兄弟に評価を決定づけた作品として確固たる地位を築いたからそれでいいんだと思う。好きじゃないけど。
毛を逆なでされるような感覚
非常に後味の悪い映画である。
コーエン兄弟はこういうの多いな。
残酷描写ももちろんだが
人物の思惑と反してほんとうに!
坂を転がり落ちていく展開が
下手なホラーよりも怖い。
常に体中の毛を逆なでされているような。
半音ずれてる不協和音を聞かされてるような。
不安、悪趣味なユーモアにつつまれてる空気が流れていて
居心地が悪くってしかたない。
逆にこれほどまでの空気を作り出す才能というのはすごいと思う。
パトリシア・ハイスミスの小説を映像でみているような気分になります。
全117件中、1~20件目を表示