「レクターのカリスマ性」羊たちの沈黙 ありがとうらんらんさんの映画レビュー(感想・評価)
レクターのカリスマ性
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幼いときに「怖い映画」と聞いていたので、ホラーかと思っていたらサイコスリラーのカテゴリだったんですね。
映画館で観て良かった。ハラハラドキドキ、不気味さMAXでした。
レクターの印象が最初と最後では全く違う。
最初は狂気的で気味の悪い殺人鬼という印象だったのに、物語が進むにつれてまるで自分の心の奥底まで見透かされているような感覚に。
アップで映し出される彼の表情に、観客である私まで読心されている錯覚に陥り、最後にはアンソニー・ホプキンス演じるレクターに心を奪われそうになりました。
レクターへ「その洞察力をご自分に向けたら」と勝ち気に言い返すクラリスの怖気ない心意気も魅力的。
彼女が犯人逮捕に必死になっているときにレクターは巧みにトラウマへ迫っていく。と同時に、彼女の中のトラウマを解放させようとする姿はさすが精神科医。
レクターが、脱出劇を起こす前にクラリスに「さようなら」と言ったときの表情が印象的でした。そのときはまだ脱出できるか分からないからクラリスに会えるのも最後かもしれない、とクラリスの指にそっと触れる仕草。レクターもクラリスを愛していたんですね。
答えを急ぐのではなく、本質を見るべき、本質は人々が考えているよりもずっと近くにある
30年前以上の作品なのに色褪せない名作です。
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