劇場公開日 2001年3月17日

「羊たちの沈黙を観てたら『踊る』が頭をよぎった話」羊たちの沈黙 みやびんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 羊たちの沈黙を観てたら『踊る』が頭をよぎった話

2025年8月13日
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鑑賞方法:VOD

怖い

驚く

この映画の存在自体は前から知っていて、ずっと気になっていました。そして今回ようやく初鑑賞です。

――――― 以下、感想 ―――――

バッファロービルは、過去の深い傷から自分を嫌いすぎて、「自分じゃない誰かになりたい」と強く願った人だと思います。性転換手術を望んでも断られ、女装や化粧で変身を試みたけれど、それでも満たされない。最終的には、女性の皮を剥いでドレスに仕立てることで、“本当の女”になろうとしたんじゃないでしょうか。
作中に何度も出てくる蛾のサナギも象徴的で、サナギが幼虫を守って美しい姿に変えるように、彼にとって女性は、醜い自分を覆い隠し、新しい自分に生まれ変わらせてくれる“鎧”みたいな存在だったのかもしれません。

そして何より、クラリスを演じるジョディ・フォスターがとにかく綺麗で魅力的。知的で芯が強く、それでいて不安や緊張も抱えている表情が印象的で、物語の緊迫感をさらに引き立てていました。さらに、レクター博士を演じたアンソニー・ホプキンスの存在感も圧巻。出演時間はわずか16分ほどにもかかわらず、登場するだけで強烈なカリスマ性を放っていました。

それと、この映画の名シーンでもあるクラリスとレクター博士のやり取り、どこかで見たことあるな…と思ったら、『踊る大捜査線 THE MOVIE』で青島が日向真奈美に会いに行く場面と構造がそっくりなんですよね。閉ざされた場所で、事件のカギを握る人物と対話しながら探り合うあの感じ。『踊る』はもしかして影響受けてるんじゃ…?とつい思ってしまいます。もちろん、『羊たち』は不気味で緊張感バリバリ、『踊る』は人情と軽妙な掛け合い多め、と雰囲気は全然違いますけどね。

みやびん
とみいじょんさんのコメント
2025年8月16日

共感ありがとうございました。

『踊る~』の小泉さんのシーンは、明らかに狙った、この『羊たちの沈黙』のパロディです。製作者はオマージュと言うでしょうが、フジの”ちゃかす”雰囲気が満載の映画なので、個人的にはオマージュとは言いたくない。
 『羊たちの沈黙』日本初公開1991年
 『踊る~』公開1998年

『踊る~』は他にも超有名傑作映画のパロディが随所に挟まれています。有名なのは黒澤監督の『天国と地獄』からのパロディですかね。
 『踊る~』をちょっと調べてみればいろいろと出てくると思います。

フジの狙っての(笑)・ポイントに、してやったり感が大嫌いで、同等に語ってほしくない気持ちが溢れてしまうので、ついコメントをしてしまいました。
 失礼いたしました。

とみいじょん
トミーさんのコメント
2025年8月14日

共感ありがとうございます。
“専門家”に意見を求める、犯人像のプロファイリング、色んな描写の先駆けだと思いますね。キョンキョンの歯科矯正も人食いのオマージュじゃないですかね、あの口枷のイタダキかも。
初見からガが気持ち悪い、東南アジアから輸入までしたいか!

トミー
Mさんのコメント
2025年8月14日

出演時間は16分なんですか。初めて知りました。情報ありがとうございました!
影響受けてる、どころじゃないと思います。

M
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